2017年8月16日水曜日

簡易索道

設計者から計画変更の打診がありました。

「残念。モノレールを張り終えている区間ですよ。」と言っても、ポカンとされていました。案外、山中の調査のことは御存知ないようで、簡単にボーリングを追加できると思っていらっしゃいました。

モノレールを張ってしまうと、その途中から分岐を出せません。「追加がある」という可能性があればポイントをつけて張り進むのですが、今回は「ない」ことを確認してから施工していますので、変更には容易に対応できませんでした。
ま、現在の調査終了後に解体・架設を繰り返せば不可能ではないです。が、コスト高騰、工期遅延となりますので、お客様のためにも避けたいところです。

一昔前なら、モノレールから簡易索道を張って対応していたと思います。近年、これを張れるオペさんが引退され、対応できる方が少なくなりました。技術の伝承が途絶えつつある状態です(地域によっては現在もよく使われているのですが)。
幸い道具は残っており、手入れすれば使えるようになります。技術を有する方もまだ数名はいらっしゃいます。
途絶えてしまう前に、次の世代に技術を伝えてもらう場を設けないといけないでしょう。


GINA_OGS

OpenGeoSys に関する2冊目。

Thermo-Hydro-Mechanical-Chemical Processes in Fractured Porous Media: Modelling and Benchmarking
Benchmarking Initiatives
Olaf Kolditz, Uwe-Jens Görke, Hua Shao, Wenqing Wang, Sebastian Bauer

こちらの内容にはあまり興味がひかれなかったため、パラパラと眺めるだけになりました。日本のサイトの例が載っていたのは意外でしたが、ま、THMCといえば地層処分や貯槽のプラグ試験をまず思い浮かべますので不思議ではありません。日本人も海外のソフトを使用して頑張っているということでしょう。
最後の方に OGS と IPhreeqc の連携例が出ていましたが、これは1次元の輸送を試行されているだけでした。verification の一過程でしょうが、具体的な手順を示されていないので初心者の私には追いかけられません。 ま、tutorial ではなくbenchmarking なので、このような内容となったのでしょう。

引っ掛かったのは今回も Appendix。GINA といった pre & post が紹介されていました。検索してみると、こちらが開発を続けられているソフトのようです。
https://teambeam.bgr.de/my/?m=drive#!folder-68
Win10 にインストールしてみたのですが、動きません。マニュアルを見ると、いくつか OCX を要求しています。古い VB を引きずっていらっしゃるのでしょうか?
とりあえず 「Visual Basic 6.0 SP6 ランタイムファイル」を入れましたが、駄目。
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se342080.html
試行錯誤しましたが、以下のサイトの通り、VisualBasic6-KB896559-v1-JPN から Explzh (x64)で OCX を抜き、プロンプトから「regsvr32 comctl32.ocx」でOKでした。感謝。
http://g-taki.com/wordpress/web/6141.html

とりあえずはココまで。DXF の 3D face 等を読めるので期待しちゃいますが、機能確認は時間のあるときに持ち越しです。


2017年8月13日日曜日

OpenGeoSys

OpenGeoSys Tutorial
Computational Hydrology III: OGS-PHREEQC Coupled Reactive Transport Modeling
Authors: Jang, E., Boog, J., He, W., Kalbacher, Th.

上記図書の発売案内が引っ掛かりました。
熱-水-応力-化学連成のできるソフトです。が、他のソフトより GUI が弱いため使用していませんでした。PHREEQC と連成できるようになったなら試してみたくなります。どのような例題が載っているのか気になりますね。

OpenGeoSys の最新版を確認がてら、手元にあった1巻を読み直してみました。
ジオメトリに利用しやすいのは shp ですね。境界やボーリング位置をラインやポイントとして読み込み、それらから2Dメッシュを作る流れ。メッシュができたら、それに複数の層を追加し asc 等で高さを与え、さらにメッシングします(メッシャーはGmsh)。
ここまではGUIで対応できます。が、残りの属性を設定するのはエディタ。やはり、実務では不利ですね。ま、メッシング~計算~ポストまで open source で対応できるのは喜ばしいことです。日本の研究者も頑張ってほしい。

基本的には他のソフトと同じで、各層毎に高さを用意しておけば成層構造のモデル作成は容易。が、全域にわたって高さを持たせないといけないタイプだと、レンズや断層などの表現が困難になります(今回は用意した asc を認識しなかったので確認できませんでした)。サーフェスの LandXMLがあるので、それを2Dメッシュとして読み込む機能を標準化してくれれば良いのですが、案外、この形式を扱えるソフトは少ないですね。USGS の DEM とか ArcGIS のshp や asc 等はよく見かけますので、海外のデファクトスタンダードに近いのでしょう。


見逃していた情報もありました。
appendix に地表流との連成の話が載っていました。これは MODFLOW とは異なり、stream 以外の領域も考慮するようです。MATLAB ベースの J2000 というツールを使うようですが詳細は不明。早速、作者にコンタクトをとってみました。楽しみですね。

不飽和輸送も扱えるのであれば、PHASTより多機能。モデル作成に労力は必要ですが、試してみたいところです。



2017年8月11日金曜日

泥岩の風化

後輩が泥岩のボーリングコアで、XRDをかけていました。

結果を見せてもらいましたが、比較的きれいに鉱物変化(ゾーニング)が出ていました。Chlorite の消失、Smectite、カオリンの生成、Plagioclase の減少等々。別途測定していたpH、pe も調和的です。化学的風化過程を理解しやすいでしょう。

良い素材でしたので、これなら簡単な計算ででも傾向は再現できると思い、手を動かしてみました。
使ったのはPHREEQC。database は wateq。
EQUILIBRIUM_PHASES は Albite、Anorthite、Chlorite、Kmica、Montmorillonite3種、Pyrite、Quartz。新鮮部の XRD 結果で量比を決め、exchangers を教科書を見ながら適当に入れて、雨を transportで流してみました。

結果は上々。
最初に Ab と An が溶解。Na, Ca 上昇。
実際は kinetic なので最後まで残るのですが、モデルは単純に瞬時平衡として取り扱いましたので、しばらくすると溶け終わりに近づき減少。緩衝機能が低下し pH がやや低下。同時に溶液中と交換基の Na、Ca が減少。
Chl が溶解し Mg が代わりに上昇・付着。M 生成。
さらに雨が入り上部で Chl が消失すると、pH さらに低下。M はやや減少しMgやAlを放出。Alは吸着されていますが、実際は gibbsite や Kaolinite に過飽和になっていますので、それらが析出していると思われます。
XRD結果 ではこの Smectite(とカオリン) のバランスの崩れている部分があるので、そこが abnormal (すべり面や水みち)と判断できます。「XRDかけました」だけで計算なしでは標準パターンをつかめませんので、異常は抽出できないでしょう。それは多くの場合、 XRDA 側ではなく、解釈する側のレベルの問題です(私も含め)。

そういえば、と思い後輩に千木良先生の「風化と崩壊」の話を振りましたが、後輩は知りませんでした。泥岩の風化過程が読み易く書かれており、当時ブームになった図書です。化学の苦手な地質屋さんも、「硫酸ができる!」などとよく言われていました。が、出版が22年前。後輩はまだ幼稚園~小学生。知らなくて当たり前です。

ま、地質屋さんのレベルが22年前から進歩したとは言い難い状況です。計算で根拠づけたり判断したりする地質屋さんはレアですので、図書や関連文献をよめば(幸い?)追いつけます。
一方、洋書では教科書レベルで熱力学計算による鉱物のゾーニングが表現されています。できれば、理論と現象の両面から物事を追える地質屋さんに育ってほしいところです。


2017年8月6日日曜日

MT3D-USGS

ここ1週間ほど、現地踏査をしていました。

少し範囲を広げた予備踏査です。どのような地質が出ているか、構造の傾向は?等の確認段階です。あと、調査計画立案も兼ねています。どこをどのように調査するか、搬入はどうするか?など。どちらかというと純粋な地質踏査に近いこともあり、暑いけれども足は進みました。猛暑の中、私以上に動かれている現場の方、尊敬です。

今日は家でのんびり。
クーラーの効いた部屋でUSGSのサイトを見ていて気付いたのですが、MT3D の USGS 版が昨年9月に公開されていました。https://water.usgs.gov/ogw/mt3d-usgs/

MT3D-USGS capabilities and features include:
  • unsaturated-zone transport;
  • transport within streams and lakes, including solute exchange with connected groundwater;
  • capability to route solute through dry cells that may occur in the Newton-Raphson formulation of MODFLOW (that is, MODFLOW-NWT);
  • new chemical reaction package options that include the ability to simulate interspecies reactions and parent-daughter chain reactions;
  • ・・
HPでは上記のように一通り計算できるように書かれていました。
ゴロゴロしながら解説を読み進めていたのですが、反応計算では PHAST の方が詳細にモデル化できますね。残念ながらこれは圧倒的で、比較になりません。
一方、移流分散としては transport within streams and lakes が加わった分、適用範囲が広くなっています。SFT は1次元の例しか載っていませんでしたが、3次元でも理想的に動けば Dtransu より扱える問題が多くなるでしょう。GUI のプレができると実務でも使えそうです。もう少し待てばModelMuseに加わるかもしれません。

なかなか、all in one のソフトは出てきませんね。問題ごとにソフトを使い分けるだけなのですが、非効率と感じます。いえ、言い訳ですね。備えましょう。


空調服

7月末から9月末まで外業の連続です。

夏が来た途端に、毎日外歩き!?とというのは昨年も同じ。で、す、が、空調服のおかげで夏場の作業も相対的に楽になりました。
その威力を忘れかけた先日、今夏初めて空調服を着ずに普通の作業着で山歩きをする羽目になりました。作業が終わると、昔はこんなに汗が出ていた?と思うくらいベトベト & 心臓バクバク。上半身は当たり前ですが、下半身も汗の量が違います。慣れって恐ろしい。もう空調服はなくてはならないアイテムになってしまいました。

先日、「今年はフード付きでも買おうかな」と思い店に出かけたところ、合うサイズは既に売り切れ。代わりに薄手のシャツとスペーサーを購入しました。スペーサーは昨年、当ブログ上で勧めて頂いたものです(148さん、ありがとうございました)。https://phreeqc.blogspot.jp/2016/08/blog-post_6.html
確かに、首からひもをぶら下げていても風が止まりにくくなりました。あとは袖口への通風が強化されればありがたいのですが。

もう一つ、ヘルメット。
タジマさんの風雅ヘッドフルセットが店においてあり、試着してみました。が、頭頂から前半分では、それほど効果を感じませんでした。しかも重い。最初だけかもしれませんが、モーター音も気になります。
毎晩、痛くなるのは後頭部で、そこが冷えれば儲けモンかもしれません。が、少し悩んで購入しませんでした。試すにはやや高価でしたので。

今年は現場で空調服を着ていらっしゃる方が増えたように思います。
少しでも良い環境を作り、夏を乗り切りましょう。


2017年7月30日日曜日

図書館

大学2校の図書館に立ち寄る機会がありました。

驚いたのが、両校ともにグループ討議用ルームを設けられていたこと。
司書曰く、「最初は雑談が多いかと思っていたが、そうでもなく熱心に勉強している」とのこと。確かに、夏休みの日曜日なのに、内1校は満員。ホワイトボードを使いながら熱心に議論していました。羨ましい環境です。

今の若い方は「ゆとり」などと蔑称されることもあるようです。確かに、未熟さ・物足りなさはあるでしょうが、それはどの世代でもどこかに有している一面にすぎません。学生時代にこのような経験・活動を行っていることを長所として見出し、我々が環境を与え、伸ばさないといけないのでしょう。

今の若い方々も努力しています。個では結果を出せなくても、チームで問題を解決させると結果を出せる方、そのほうが得意な方がいるかもしれません(同年代でチームを組ませることはなかなか難しいですが)。
若い方々にうれしく思う反面、人材育成について考えさせられた1日でした。