2010年8月10日火曜日

遅延係数と汚染濃度

移流分散でDtransuを使って計算していた方から相談。

汚染の回収量を流量×汚染濃度で計算されていたそうですが、
「遅延係数をいれると、回収量が多くなるんです!」
ソフト会社に確認しても、R=2で2倍、R=5で5倍になったそうです。

遅延係数を2とすると、汚染の流れが1/2の速さになるため、濃いものが計算ノード付近に長時間とどまることになり、上記の計算では回収量が増えているように見えるんです。でも、汚染の流れは地下水の流速の半分なので、揚水して回収する場合は濃度も1/2しないとあわないんですね。通過量です。

じゃ、採水器で1回くみ上げて計ると1/2しなくて良いのか?ポンプで揚水すると、本当に地下水中の濃度の1/2になるのか?初期濃度として与える濃度分布はポンプでくみ上げて計ったので、2倍して与えないといけないのか?遅延係数を変えるとKd分配による吸着量が変わる=総量が変わる?汚染がないところは吸着もない?などなど疑問点がいっぱい出てくる。遅延係数の解釈の限界かな。

こういった問題は PHAST のような Reaction Transport Model が良いですね。遅延や減衰などのようにフィッティングパラメーターを使うんじゃなくて、化学反応を連成させ素直に解いていく。・・・といっても調べることが多くなり、実務では難しいんですけれど。

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