2011年4月30日土曜日

Inverse Solution その2

昨日の雨量のエラーは、マクロのミスでした。変換したデータをチェックすると、重複した時間のデータが1か所あり、削除することですんなり動きました。

修正したら計算は早い!
θr、α、n、Ks の4つを同定する設定で、答えを出すまで2分弱。さすが1次元です。ちなみにPCは2年前の Dual Core でそれほど良いスペックではありません。3次元はストレスになりますが、1次元はストレス解消になりますね。
今回は事前に実施していた Instantaneous profile method によって、Van Genuchten モデルではKsが室内透水試験結果の10倍くらいないと合わないことが分かっていました。現場データを使用した今回の逆解析結果も似たような傾向を示しています。
ある程度の妥当な範囲を計算前に設定しておかないと、答えが出ないことも再確認しました。

とりあえず、問題なく計算が回ることはわかりました。明日からはモデルを層分けし、観測データを増やし、より詳細な条件にて計算してみましょう。

Inverse Solution

連休の間に、抱えていたいくつかの課題を解決しておこうと思います。

・HYDRUS 1D の Inverse Solution で水分特性曲線、飽和・不飽和透水係数の推定
・HP1 (HYDRUS 1D + PHREEQC) でPRBの再現
・不飽和浸透-変形の連成ができるソフトの検索

今日は1つ目の逆解析に取り組んでいました。
まず、テンシオ、TDR、雨量計のデータをHYDRUSに入力できる形式に手作業やマクロを作って変換します。これは簡単でした。
次に入力ですが、データ数の制限があり、今回はとりあえず最深部の観測点のみを入力しました。ソフト上では観測データを1万点までしか入力できません。それ以上は Editor で input file に直接入力する必要があります。1万点/6観測点/2種(テンシオ・TDR)=833点しか入力できないんですね。30分毎のデータとすれば、約17日分ですね。これだと、ひと雨程度の浸潤・乾燥過程は取れるかもしれません。広いデータ範囲で精度を高めるには、EXCEL+VBAやEmEditorでinput file を修正したほうが良さそうです。
あとは雨量の入力の問題。なぜかエラーが出ました。計算は走るのですが気持ち悪いので、もう少し調べましょう。

結果は明日ですね。

2011年4月27日水曜日

トンネルと地すべり 2

地すべりに対するトンネル掘削の影響について、提案書を書いてほしいと依頼がきました。

最近、簡単に「わからないから」と言って頼ってこられるのですが、少しは自分で理解しようと努力してほしいものです。
私も細かいノウハウまでは自信がありません。地すべりも2次元で行きたいのか3次元で行きたいのか、予算はどれくらいなのかつかめませんでした。しかも、ゴールデンウィーク中に書いてほしいですと。昔、「岩盤は堅いほど重い荷を背負って踏ん張るもんだ。人も同じ。」とトンネルの中で例えられた先輩がいらっしゃいましたが、うちの会社は堅い岩盤も柔らかい岩盤も、同じ給料なんですよね。

今回は地すべりの規模が大きく、数も多い。まとめて3次元で行こうかなあと思いきや、そういえば、これだけ大きなものが扱えるソフトを持っていないことに気付きました。あわててメーカーさんに見積もりを取ろうとしたのが今日の夕方。1社は連絡が取れす、もう1社の技術者の方は既にゴールデンウィーク突入でした。なんとか来週中には見積もりを頂けることになり、一安心。

LPを使った地形解析に必要なパッケージも、先方からタイミング良く返事があったばかりなので、こちらはラッキーでした。

あとは、どこまでやるかの意思決定が必要です。
先にも書きましたが2次元なのか3次元なのかはコストが大きく異なります。地質図も再評価が必要なレベルです。他にも山ほど課題があります。今回はパラメーターの多くが足りない状態なので、どこまでお金をかけられるかが精度向上に直結すると考えられるケースです。
管理技術者の感覚しだいですよ。お金と精度のバランスが「わからないから」では済みません。

間隙空気圧

不飽和斜面の変形・破壊に間隙空気圧はどの程度効いてくるのでしょうか?
今日はテンシオメーターとTDRの設置・交換を見ながら、多くの技術者と議論しました。

私は計算して検証してみたいと考えています。花崗岩の斜面のトレンチを見ていると、DH級上に堆積している約1mの流れマサが破壊するには、全層浸透によるサクション解放は無理だろう、そうすると、上方だけ浸潤・飽和し、中間層の空気が逃げられない状態になり、圧力による崩壊が発生するかもしれないといった想像ができます。それで壊れるかどうかは見たことがないので、検証してみる価値があると思います。

しかし、多くの方が懐疑的でした。どちらかというと、破壊後には必ずと言っていいほど穴(水みち)があるので、それが悪さをしているのだという方が多くいらっしゃいました。崩壊跡をみると、確かに壁面(しかも上のほう)にいくつかの穴があることが多いと思います。あれが水みちだとすると、崩壊後に削られててできた穴なのか、崩壊前からあの大きさなのかはわかりません。しかし、そこに水圧がかかって崩壊しはじめたとするならば、今の飽和-不飽和浸透流の計算では再現できません。水みち密度マップの作成を念頭に置いた調査も必要になってくるでしょう。
古くからある意見ですし、私も見て感じてきたことですから検証できるならしてみたいです。土石流のきっかけが、谷頭表層30cmの崩壊というのも、あり得ると思います。しかし実務的には無理な調査・解析ではないでしょうか?

間隙空気が悪さをしているにしても、今の浸透流では無理。多相の解析を実施しないといけません。でも、こちらの方が実務に取り込める可能性があります。

今年度の課題に加えましょう。

2011年4月23日土曜日

Instantaneous profile method

先日、近くの大学にお邪魔して、非定常の室内不飽和透水試験の進捗状況を聞いてまいりました。

なかなか立派な試験装置でしたが、センサーの間隔やカラムの径などは手探り・手作りだそうです。圧力制御が必要ないことから、操作は比較的容易な感があります。

この装置の試験結果より不飽和透水係数と水分特性曲線を同時に求めることができます。不飽和透水係数の求め方を確認し忘れましたが、結果をみると instantaneous profile method でしょう。地盤工学会「不飽和地盤の挙動と評価」p65、66に詳細が載っています。試験装置も掲載されています。この方法では上端・下端以外のセンサー深度で、直接的に不飽和透水係数を求めることができます。任意の時間において求めることができるので、幅広い体積含水率に対応した不飽和透水係数を算出し、トレンドを見ることが可能です。この装置に負圧などを加えると、さらに得られるデータの幅が広がります。

現場でも水分変化やマトリックポテンシャルを測定していますので、今後いろいろ課題をこなす必要がありますが、楽しみでもあります。

2011年4月19日火曜日

Civil3D 2011で地質縦断図

道路中心線形データを頂いたので、それをCivil3Dで読み込み、GEORAMAで地質縦断図を書かせてみようと思い立ちました。

Jツールをインストールしておけば、xmlを直接読み込めます。簡単です。
が、そのあとは苦労しました。まず、測点の表示がまともにできない(腕がない)。もともとがフィート図面なので余計に分かりにくい。しかし、ラベルいじっているうちにクリア。

次に縦断作成に取り掛かろうとすると、地形や計画は入るが帯がまともに入らない。どうやってもまともに単距離や勾配が入らない。スタイルを触りまくってもダメでした。
調べていくうちに、重大なことが分かりました。日本仕様(国土交通省やNEXCO)のテンプレート(dwt)で作画していないと、なかなかうまくいかないようです。縦断ビュー、ラベル、帯などの日本独自のスタイルがテンプレートでは全て設定済みなんですね。
なるほど、だからテンプレートなのか。と、一人で感心していました。電子納品は最期にV-nas+CADチェッカーでほぼ自動で仕上げてましたので、テンプレートは使ったことがありません。レイヤー分け程度かと思いきや、深い。

結局、帯には測点、地盤高、計画高を入れ、以下は物理探査や地質の記載欄とし、妥協しました。よく考えたら、この方法だと柱状図が自動で入らないんですよね。ま、その程度は手作業でも良いですけど。

絶対忘れそうなので、設定の詳細は後日UPしましょう。

2011年4月18日月曜日

表面波探査

震災の調査に表面波探査が必要ということで、来週から誰が行くか?という話になっていました。

物理探査を得意とする後輩が、まず名指しで指名されました。しかし、彼の抱えている業務の都合で無理。私も同じ理由で無理。
結局、他に現場から解析までできる技術者がいないため、補助経験者に教え込む方針で落ち着いたようです。

末端には表面波探査が必要ということのみ伝わって、目的まで聞こえてきません。
経験だと、かけやで深度10m程度までしか良い精度のデータは得られないので、耐震上の基盤面までのS波構造を面的に捉えようといった目的には使えないでしょう。したがって、液状化関連の調査ではないはずです。盛土や堤防の崩壊といった、比較的浅い調査をするのでしょう。
災害ですから、数をこなすのかと最初は考えました。しかし、一人だと現地確認とデータ採取に解析が追い付かず、現場状況を忘れてしまう可能性があります。表面波などの浅い探査は、現地確認が非常に重要になります。解析時の異常が、「ああ、あれが原因だ」とか、現場で「これの影響がでるかもしれない」といった、リンクが重要になるということです。オペ2人が行って、解析とデータ採取を交互かつ同時進行で行けば数がこなせるでしょうが、当初からそういう人選ではなさそうです。被害の大きい、あるいは学術的に特徴のある現場をいくつか選択して、集中的に調査を進める方針でしょう。

ま、何にせよ肝心な時に役に立てませんでした。

Oxidation Rates

昨日より、Pyrrhotite をメインとする mine tailing で Oxidation Rates やO2の拡散係数を示した文献を読んでいました。
"Field determination of sulphide oxidation rates in mine tailings"
http://europa.agu.org/?uri=/journals/wr/96WR00487.xml&view=article

例の盛土の計算に流用できるかな?と思いつつ取り寄せたのですが、私には当たりでもなく外れでもないといった感じの文献でした。15年前の文献ですものね。
アブストだけ読んで期待して購入すると、当たりは1~2割です。(こちらの知識不足によるところも多々あり、後で重大な意味を発見し、眼がさめることもありますが。)凡人は多読、つまり量をこなすしかありません。

今回の文献では、「地下水位との相関で Oxidation Rates を示す方法は、説明方法として良いなあ」「体積含水率(エアーの量)を整理して示す必要あり」「材料の新旧も効く」などといった事項を再確認・整理できました。

面白いデータもありました。
①tailingで一般的な鉱物(gypsum CaSO4・2H2O, Jarosite KFe3(SO4)2(OH)6, Alunite KAl3(SO4)2(OH)6 )のSIをPHREEQEで計算すると、全て不飽和だったそうです。
②この site では、地下水位から40cm以上離れると Oxidation Rates が変化しないようです。不飽和浸透特性について一切触れられていないので、どのような土質なのかわかりません。想像するにθrに達したということでしょうか?
2点とも、重要な意味を持ちそうなデータです。

2011年4月16日土曜日

GEORAMA2011での走向傾斜

GEORAMA2011では、露頭やBTVで観察した地層などの走行傾斜を、平面・断面上で位置指定できる機能があります。モデリングすると、指定した地層や断層が、地表でどのように現れるかも描いてくれます。図学で入れていかなくても、計算し3次元で落としてくれるのです。当然、ボーリングなどで確認したした境界や、他地点との走行傾斜ともつないでくれます。

ただ今回、非常に苦労しました。
境界ポイントを指定して、境界面、地表の標高+0.00を選択し、走行傾斜を入力しても逆傾斜のサーフェスができてしまいます。水平ボーリングでの走向傾斜を断面で位置指定すると、走向も逆になります。かなり試行しましたがうまくいきません。あきらめて、サポートに問い合わせました。(他にも基本的なことをいろいろ問い合わせました。マニュアルに書いてないことが多いんですよね。)

結果、GEORAMA3.2(カーネル)のバグでした。
作業していた図面では東が道路の起点のため、北が下、南が上となるように平面図ビューを設定しています。世界測地系で図面を設定しているためオブジェクトの座標自体は反転していないのですが、ビューが逆になります。GEORAMAは座標を反転表示したまま拾うようで、その間違った座標を使って計算すると逆傾斜の結果が得られるというわけです。

今日、修正されたプログラムがCTCより送付されていました。対応、早いですね。

クライミング調査

他支店より、クライミング調査の依頼がありました。

仕事では10年ぶり2回目となります。フリークライミングの方も2年は壁に張り付いていません。ハーネスが入るだろうか?など最初は戸惑いましたが、とりあえずギアの新調にいくらかかるかを調べてみました。

ショップでギアを見ていると楽しいですね。基本は同じなんですが、いろいろ新しいものが出ています。ATCも形の種類がふえていますし、アッセンダ―やディセンダ―など仕事でしか使わない道具も妙にピカピカして、かつ機能的で、購買意欲をそそります。手に取ると使いたくなりますね。壁に張り付きながら使用している想像が広がります。
店員さんに話を聞きながら、あれも欲しい、これも欲しい、と手に取っていると、15万の見積もりになってしまいました。今回は現場の条件で100mロープが必須だったので、これが高くつきました。

ただ、多くが輸入品のため、すぐに手に入るかどうかわかりません。急ぎの現場であり、年間に数がある調査でもないので、プロに依頼するのが現実路線でしょう。

2011年4月13日水曜日

HP1の感度分析 その2

初期Eq_Phasesの鉱物設定が、初期pHに大きく影響することはつかめました。

今度はKineticで指定しているpyriteの比表面積を変えてみました。
結果、当たり前ですがモロに効いてきました。比表面積の設定は難しいんですよね。元文献ではフィッティングパラメーターになっていますし。

まずはlimestoneベースの簡易PRBデータが国交省で公開されているので、それを試してみましょうか。

2011年4月12日火曜日

ArcGIS

ArcGIS Ver.9.0。現行はVer.10です。
7年前に購入したまま未開封の状態です。誰が何のために購入したのかもわからないまま保管されているソフトでした。そういえば、GISがはやり始めたころでしょうか?

使いたい方がいらっしゃり、インストールしてみようと思い立ったのですが、古いソフトなのでWin7で動作するかどうかわかりません。調べてみると、9.3以降で動作確認がなされていました。結局、インストールサポート宛てにメールしました。
数時間後、返事がきました。「9.0はWin7+64bitOSの環境で動作確認をしていないため、サポートしていない」とのこと。よくある回答です。実際、動くかもしれませんが。


話を聞けば、LPデータを取り込んで地形解析を行いたいとのこと。地形解析といっても傾斜区分図の作成など。それならSurferやCivil3Dでできるじゃない?と話をすると、CADは使えないし、Surferだと固まってしまうとのこと。
で、GIS。贅沢ですね。ま、使わないまま置いておくよりはマシですが。64bitなら、Surferでも大丈夫なんですけどね。

少し調べてみましたが、地形解析できるソフトはあまりないですね。傾斜区分図までなら多くのソフトでできますが、土研資料「地すべり地における航空レーザー測量データ解析マニュアルル(案)」で紹介されている地上開度やウェーブレット変換ができるソフトは皆無でした。http://www.db.pwri.go.jp/pdf/D6183.pdf
Arcでも、スクリプトを組まないとできないようです。

深層崩壊で各セルの流域面積を求める必要があったり、スクリプトを組む能力があれば、Ver.10を買っても良いですが、地形解析のパッケージを合わせると100万しますからね。ちょっと手が出ないですよね。

2011年4月10日日曜日

スケール因子 その2

スケール因子の文献はまだ届いていないのですが、説明文や入力値を見ていくと、大凡理解できました。

入力値としては透水係数、体積含水率などに対する①標準偏差、②横方向と縦方向の関連性(異方性)の2種です。

地質屋さんは現場、地形図、コアなどを見て「均質な層」「比較的不均質」「互層状」「まだら状」といったような均質性に関わる表現をします。頭の中では地中での分布範囲、土層発達史、構成が描かれており、そういった記載に至るわけです。これをHYDRUSでは上記の2種のパラメーターとして数値化・表現する必要があります。

これ、難しいですよね。不均質な表現が簡単になった分、設定根拠が難しい。
②に関しては、各方向のバリオグラムモデルを作らずにそれぞれのシルを設定するようなものです。ただ、通常の業務では統計処理できるほどデータを得られることはまれなので、互層状なら「縦方向を横方向の1/10にした」というのでも通用しそうです。
しかし①は難しい。こればっかりは数が必要です。

結局、統計処理をしようとすると、スケール因子でもクリギングでもSISIMでも、すべて数が必要ということです。

水分特性曲線

今年度より、不飽和斜面の崩壊予知の研究に携わることになりました。

個人的にはあまり興味のない研究ですが、これがきっかけで好きになるかもしれません。日頃軽視している不飽和領域の水分挙動について、しっかり勉強する良い機会です。

せっかくですから計測方法や不飽和の水分挙動について頭の中を整理しておこうと、「SOIL PHYSICS with HYDRUS 」などを引っ張り出し、ポテンシャルと水分特性曲線について記載されている箇所を読んでいました。お気に入りの本です。数式や単位の記載が丁寧なので、追いかけやすい本です。追いかける過程であちこちページが飛ぶ場合もありますが。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/03/1.html

土壌分野においては、植物の成長が土壌の不飽和浸透特性と密接にかかわっているため、昔から研究されてきたようです。読んでいく中で分からない単語が出てきました。「PAW (plant available water)」「field capacity θfc」「permanent wilting point θwp」

PAW = θfc- θwp

θfc : -100cm for sandy soil; -350cm for medium soil; -500cm for clayey soil
θwp : -1500kPa (h = -15,330cm; pF=4.2)

permanent wilting pointはDNDCの時に調べました。pF4.2の体積含水率ですね。土粒子の表面積に影響されます。当然、粘土のほうが高い値(体積含水率)を示します。
field capacityは、large poreに保持される水です。粗い砂だと簡単に排水してしまうので低い値を示します。
PAWは重力排水が終わって(θfc)枯れ死するまで(θwp)の、植物が有効に使える体積含水率の範囲ですね。上記より、medium soilで値が大きくなることが分かります。水分特性曲線の寝てる部分(capillary region)がθfc~θwpの範囲にはまるとPAWが大きくなるということでしょうか。植物にとって良い土となるのでしょう。

古い文献ですが、pFについて土質工学会の講座がありました。一通り、頭に入れておきましょう。

2011年4月8日金曜日

すべり面のサーフェス2

今日は朝から柱状図を作成しつつ、すべり面サーフェスの続きをしてました。

柱状図を作ってXMLに変換し、GEORAMAで読み込む。位置を微調整して境界深度を与え、面の推定を行う。いくつか断面を切って修正作業と推定の繰り返し。
河川に削剥された、すべり末端部の細かい形状で手こずっています。無理な形状を押し付けるととんでもない推定をします。与条件のどこが間違っているのか理解するだけでも一苦労。

例えば断面と平面のブロック範囲が近接している場合、両方の境界指定が整合していないと、滑らかな結果となりません。断面同士が近接していても、整合性が取れていなければ波打った推定結果とないります。推定時のm2パラメーターを大きくすれば滑らかにはなりますが、まず与条件として与えた不整合個所を理解することが、自然なモデリングへの第1歩です。

GEORAMAでは2次元断面を作成していく中で、3次元サーフェスが自動で形成されるイメージですね。通常の断面作成を、アプリ側で3次元モデルを作りながらアシストしてくれる感覚です。逆に、地質断面(地層分布や構成順序)が頭の中にないとモデルが作成できません。地質屋さんにしか使えないツールだと思います。
AVS、MVSやSurferは離散データを取り込んで3次元サーフェス、ソリッドを作成し、そこから2次元を切り出すイメージでしょうか?GEORAMAとはモデル作成順序(頭の中での作り方)が異なります。

しかし、64bitのおかげか、今日は1度も落ちませんでした。安定しています。

2011年4月7日木曜日

すべり面のサーフェス

Civil3D+GEORAMAで、すべり面のサーフェスを作成しています。

今回は、測量、設計技術者が共にAutoCADを使用しているため、Civil3D+GEORAMAを使用しています。MVSで水平ボーリングを扱う手法を知らなかったのもあります。どうやるんでしょう?

GEORAMAでのサーフェス推定はかなり癖があるので、慣れるまでは一苦労です。SurferやMVSのように、どんな条件でも、なめらかな面を作ってくれるような楽なアプリではありません。
反面、与条件の間違っているところが推定結果より読み取れる場合もあります。地すべりの場合はブロック設定の甘いところでおかしな結果になるようです。地形の精度にもよるのでしょう。

また、CADで一貫して作業していますので、一度サーフェスを作ってしまえば、あとはどの方向であろうと、何面であろうと、自由に断面を切ってすぐに設計者に渡せるところが長所でしょう。全断面の整合性に気を遣わなくて済みますし、修正も簡単です。

あと、64bitになってから、圧倒的に落ちなくなりました。前が不安定過ぎたのもあるでしょうが、良い兆候です。あとはスピードアップですね。


余談ですが、作業中、図面単位のおかしいことに気付きました。いえ、印刷設定した時点で何かおかしいなあ?と感じていたのですが、断面ビューを表示させて詳細が理解できました。

メートルではなく、フィート設定の図面でした。

大手設計コンサルから頂いたDWG図面であり、小技満載でしたので慣れた方が作られたのだろうとすっかり油断していました。もう後戻りできません。このような解決法もあるようですが、頭の中で「これはメートルだ!」と思えば実害はないため、フィート設定のまま進むことにしました。
今後は間違えないでしょう。


2011年4月6日水曜日

cloudPEST

USGSがユニークなモジュールを公開しました。

cloudPESTです。
http://pubs.usgs.gov/of/2011/1062/
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)を使って、PESTを動かそうという試みのようです。
私はEC2を使用したことはありませんが、並列計算でコアを追加したい場合には使えるかもしれません。

今日は樫山先生の「並列計算法入門」を読んでいました。スペックについては少し古い感はありましたが、理論は今も変わっていません。というより、実務では追いついてないレベルでしょう。陽解法、陰解法での領域分割の仕方、差分法やFEMでの並列化の考え方など、今まで「もやっ」としていた頭が整理できました。
並列化を目指すには、MKLやHEC-MWなど、既に出ているモジュールを利用していくのが実用的なのでしょう。(まだGPUの使用を目指してますが。)

クラウドや並列化、環境は整っていますが、なかなか先に進みません。

新入社員研修

今日は新入社員研修がありました。

私の担当は地下水解析。「解析結果の精度を高めるには地質分布の推定精度を高めるのが一番重要なんですよ」ということを伝えたかったのですが、伝わったでしょうか?

いろいろと質問しましたが、基本中の基本、ダルシーの法則を知っていたのは少なかったですね。また、解析に水頭や透水係数が必要だと思いついた人も少なかった。大学で習った基礎知識が生きていないようです。いえ、今の学生は就活のほうが大事なのでしょう。

仲間が増えました。これから共に成長です。

2011年4月5日火曜日

Civil3D 2011

年度が変わり、仕事も落ち着いたため、Civil3DとGEORAMAを2011にVer.UPしました。
Civilは既に2012が出ていますが、GEORAMAは半年~1年遅れのリリースになります。

どちらもCivil3Dは64bit対応なので、大きなデータを扱う場合でも安定性は増しているようです。しかし、単コアしか使っていないため、大きなデータを操作する場合は非常に遅い!今の時代に64bit版でシングルは無いでしょう。2012では改善されているのでしょうか?

と、文句を言いながら、今日は等高線からサーフェスを作る作業をしていました。今まで、ポイントデータを利用していたので、等高線を扱うのは初めてです。
日本仕様(Jツール)で高さを与え、それらを選択してサーフェスを作成し、GEORAMAの作業領域指定でマスクする。慣れると非常に簡単です。手順は後日UPしましょう。ただし、道路の部分は手直しが必要。ブレークラインの利用でしょうか?
また、等高線間で局所的に窪みができています。これは測量屋さんが等高線を作るときに何か小技を利かせた結果でしょうか?解決法が分かりません。調べてもHitしません。誰かわかるかな?

明日以降の作業です。


2011年4月4日月曜日

スケール因子

HP1による感度分析ですが、かなり初期pHに影響されることが分かってきました。

これに関しては、それほど大きな問題ではありません。固液比を変えたバッチ試験を複数確認しておけば、盛土施工時の含水比を使って初期pHを計算できます。
今後はそれ以外の因子の感度を見ていく必要がありそうです。

今回、HP1を使っていて初めて触れる項目がありました。
「スケール因子」です。
説明を読んでいますと、要素試験をもとに現位置の水理パラメータの不均質性を確率論的にシミュレートする機能のようです。が、ほとんど理解できませんでした。理論は古いので、文献を探せばいくつか出てくるかもしれません。
明日はもう一度説明を読んでみましょう。