2011年8月30日火曜日

PFC3DとFLACのリンク

FISHでPFC3DとFLACのリンクが可能だそうです。

CTCさんから連絡があり、資料を頂きました。
マニュアルで気になっていたページでした。

FLACでの浸透流の結果を粒子を押す力に変換し、PFC3Dに持ってきて粒子を移動させることができるそうです。適当な間隙率-透水性の関係を作っておけば、粒子の移動による間隙の変化を透水係数の変化に置き換え、FLACへ返せるようです。そしてそれを繰り返せば、変形量とそれに応じた浸透流が計算できるというスグレモノ。

これ、斜面崩壊だけでなく、ポストグラウトによる変形なども再現できそうですね。
ただし、モデルを組む手間が2倍になるようですから、COMSOLの方が有利かもしれません。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/06/blog-post.html

欲しいですが、高いんですよね。
COMSOL+MATLAB+IPhreeqcよりもはるかに高額。
つまらない研究開発は仕分けして、買ってくれないですかね~



2011年8月29日月曜日

シラスとPFC3D

先日、シラスの崩壊の話を聞きました。

私、シラスを見たことがありません。他の火山灰層と同じようなイメージで聞いていましたが、急崖を形成する理由がいまいち分かりませんでした。表層が飽和したら簡単に崩れるのでしょうか?それとも、湧水で斜面下部の粒子が流され、残存した上の部分が落ちてくるのでしょうか?文献を探せばわかるでしょうが、やはり手で触って現物を見ないと、頭に入らないでしょうね。まだまだ知らない地質がたくさんあります。

シラスのように、少しの劣化や衝撃で粒子が簡単に分離しやすい(と言われていました)地質であれば、粒状体によるメカニズムの理解が良いのかもしれません。
斜面下部の粒子が流される>上部が落ちてくる、といったメカニズムを粒状体で再現できるのか気になり、ItascaのHPからPFC2D/3D、ついでにFLAC3Dのデモ版をDLし、マニュアルを印刷しました。6cm強のドッチファイルで4冊です。圧倒されますね。

まず、PFC3Dのマニュアルを見てみました。Getting Started を読んでいくうちに、ソフトの表情がだんだん見えてきました。そして内容を理解するにつれ絶句。このソフト!基本CUIですか!いえ、ソフト自体はGUIなんですが、モデル作成は基本コマンド(txtデータ作成と読み込み)のようです。CADのインポートもプログラミングでカバーしているようですが、もっと慣れないと使えそうにないですね。いえ、プログラミング言語を実装しているので、自由にカスタマイズでき、高機能であることはわかりました。そのため、使う側の習熟度をソフト側が求めているといった印象です。最初は簡易なモデルしかできないでしょう。実務で求めている3次元の地表面入力など、まだまだ先の話になりそうです。

もうひとつ。実務で使いにくいだろうなと思ったのは、境界線がでないこと。全体に粒の変位が現れますので、2次元LEMのすべり面のようなオン・オフ境界線になりません。設計者の発想の転換が必要でしょう。

また、example を読んで土-水連成も可能であることはわかりましたが、水による破壊、粒子の移動は、まだわかりません。奥が深そうです。とりあえず、来年まで置いておきましょう。


明日は本題のFLAC3Dです。説明書はこの倍でした。
どうなる事やら。

2011年8月26日金曜日

ひずみ軟化が難しい その2

結局、FLACを除いて残留強度に落とすことの可能なソフトを見つけることができませんでした。

SoilPlusを使用するなら、三軸圧縮試験などから相当応力をEXCELなどで算出し、ひずみとの関係を整理するしかないのでしょうね。それが汎用性のある手法なのかどうかはわかりませんが。

ダイレイタンシー角も含め、今回の件ではいろいろ頭の整理ができました。
結局は2次元LEMも3次元FEMも、ツールとして使用する技術者の感覚が重要なのでしょう。その感覚はPCの前ではなく、現場で養われるものでしょうから、古い技術者ほど有利なことは変わりません。

経験、もっと欲しいですね~。

吸着層の設計・施工例

国交省で重金属に対する吸着層の施工を実施していたようです。

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/press/pdf/2010020102.pdf
http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/press/pdf/20100225.pdf
「吸着層を敷設後トンネル掘削土を盛土しますが、盛土に際しては吸着層で捕捉可能な有害物質の量を超過しないように管理します。」
越えなければ良いというものでもないでしょう。補足するとは書かれていますが、離脱することは書かれていませんね。設計者にモデルコンセプトと計算手法を伺ってみたいものです。

もともと重金属の含有量は高くないので、後に吸着層から離脱してもさほど問題にはならないでしょう。あるいは吸着層がなくても敷地境界の地下水濃度は問題にならなかったかもしれません。
しかし、計算でそれらの担保を取るのが設計です。「超過しないように・・・」ということは、Langmuirでしょうか?計算していたとすれば、PDEを1回で解く、簡易なアプローチだと思います。

公開されている地下水の濃度は基準値以下ですし、施工も終わっていると思われますので、詳細なデータが学会等で発表されるのを待ちましょう。いずれにしても貴重なデータですから。

2011年8月24日水曜日

ダイレイタンシーと斜面安定度

注文していた論文が届きました。

ひとつはハズレ、もう一つはまあまあ、といったところです。
後者はダイレイタンシーと斜面安定度(いわゆる安全率ではなく、荷重が増えた場合にどこまで持ちこたえられるか、といった定義)の話です。同じ摩擦角であれば、ダイレイタンシー角が大きいほど斜面安定度が増すといった内容です。 非関連流れ則よりも、関連流れ則(ψ=φ')の方が安定度が高くなります。
Majid T. Manzari et al., Significance of Soil Dilatancy in Slope Stability Analysis, J. Geotech. Geoenviron. Eng. 126, 75 (2000)

過去の地すべり学会誌はJ-Stageで公開されています。さらに古い18年前の鵜飼 恵三ほか「モデル化された切土斜面の3次元安定解析と留意点」では、そのメカニズムも解説されています。そのもとになっているのが例の地盤工学会「土の強さと地盤の破壊入門です。」モールのひずみ円~流れ則のページですね。ただ、φmobと応力傾角μが区別されていない点と、不動層の節点を固定している点が気になりますが。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jls1964&cdvol=29&noissue=4&startpage=18&lang=ja&from=jnlabstract
この報告、関連流れ則でないとSSRによる2次元安全率がLEMと同じ値にならない点を(モールのひずみ円と応力円を念頭に)指摘しています。一方、関連流れ則では大きな膨張が生じるため、変形が現実的でないとも述べられています。非常に納得できる解説で、頭の中がすっきりしました。その後の論文も探して変更点がないか洗ってみましょう。

これらと似たような話は地盤工学会「地盤工学における数値解析入門」にも出ています。こちらは支持力の話です。FEMで地すべりや支持力など塑性化を取り扱う場合には、ダイレイタンシー角について注意すべきなのでしょう。

ダイレイタンシー角-変形量(塑性化領域)-安全率の3つを考慮する必要があること、適切なダイレイタンシー角(実務的には問題に応じて)やソフトを選定する必要があることがわかりました。

これで調査方針も決まりですね。

2011年8月23日火曜日

ひずみ軟化が難しい

いえ、低レベルな話です。

地下空洞の安定性や地すべりを扱う場合、破壊後にピーク強度から残留強度に落とす、ひずみ軟化の解析例をよく見ます。特に前者では当たり前のように使用されています。
先のダイレイタンシー同様、変形量やせん断帯の形成に効いてくるようですので、調査時にどの程度気にすべきかテストケースで理解しようとしています。FLACでは残留強度への切り替えを扱えることを、以前教えていただいたのですが、そのレベルに行くまでに使い方が全く分かりません。とりあえず手元にあるSoilPlusでどうなるかを試してみようと考えました。

が、SoilPlusではφ'rの入力ができません。ひずみと硬化・軟化係数、もしくは相当応力との関数としての入力だけです。イメージではわかるのですが、正確な表現手法がわかりません。止まってしまいました。変形のプロなら簡単なのでしょうね。昔、プロがたくさんいらっしゃった環境で、なぜ勉強しなかったのだろうと、今になって反省です。

今回、ひずみ軟化について過去の文献をあさっていると、剛性を落とすもの、cを落とすもの、cφ両方を落とすものなど、いろいろな提案があることに気付きました。また、残留応力状態への応力再配分の方法も、いくつかあるようです。何が主流で、どのように結果が異なっていくのか詳細がわかりません。まだまだ理論も含め理解の幅を広げる必要がありそうです。
地質や観測データから、こういう変形過程を再現したいので、こういう解析が必要(という方針を解析屋さんと話せて)、だからこういう調査が必要!というところまで、できるようになればBESTですが、まだまだです。

ここを乗り越えると、目処がつきます。
年末までには何とかしましょう。


2011年8月22日月曜日

変位ベクトルからすべり面の推定

櫻井先生の手法で、変位ベクトルから2次元のすべり面の形状を推定する方法があります。10年前の報告です。
http://ci.nii.ac.jp/els/110003969045.pdf?id=ART0005444346&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1314005472&cp=

2年前、櫻井先生の話を聞いて知ったのですが、この手法、非常に簡単でCADや手書きで推定可能です。3次元にも容易に拡張できそうです。最悪、地すべり縦断方向に複数側線分CADで書いて、ブロック境界とあわせて曲面を生成すれば出来上がりです。感覚的に地質屋さんの推定するすべり面に近いものが出てくると思いますが、なぜ流行らなかったのでしょうね。合わないのでしょうか?
後輩から教えてもらったのですが、最近、土研でも研究されているようです。
http://www.pwri.go.jp/jpn/news/2010/1126/04.pdf
こちらで引用されている論文は20年以上前ですね。

土研さんがマニュアルを出して流行るようであれば、使えるということでしょう。


2011年8月21日日曜日

Civil3D 2011 で 3Dメッシュ → 2D断面

Autodesk Photo Scene Editor で作成した FBX ファイルから Civil3D 2011 で2次元断面を作成してみました。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/08/autodesk-photo-scene-editor.html

FBX ファイルから、どうやっても「カメラ」を取り込むことができません。とりあえず2D断面を作るには必要ないので、置いておくことに。

作業の流れは以下の通り。

①FBX ファイルの取り込み

  • ワークスペースを「3Dモデリング」に設定
  • dwgファイルを新規作成
  • 挿入タブ-読み込みで、FBXファイルを読み込む
先日のデータを取り込み、斜め上から見た状況です↓


②断面オブジェクトの作成

  • ホームタブ-断面-断面オブジェクト
  • 作成したい断面位置の始点、終点を順にクリック

*ビューを上にしておくと設定しやすい。

③2D断面の作成

  • 作成した断面オブジェクトを選択し、右クリック-ライブ断面設定
  • 2D断面図/立面図のブロック作成に関する設定をオン
  • 背景の線-表示-いいえ
  • 切断されたジオメトリ-表示-いいえ
  • 曲線の接線-表示-いいえ
  • OK
  • 再度、断面オブジェクトを選択し、右クリック-2D/3D断面図を作成
  • 表示設定を聞かれるので各種設定を行う。
*最後の設定をすべてリターンでデフォルト設定にすると、↓のように2D断面が表示されます。




断面設定をしなければ、奥や手前側も表示されます。


3Dレーザースキャナー、写真測量に共通しますが、データの少ないところの再現性はよくないですね。通常の岩盤や法面、崩壊などを3次元化する場合には、へこんだ個所、ブロックや小段の上側からの写真も密にとる必要があるようです。

問題点としては、これも共通ですが、PCのスペックを要求されること。WinXP 32bit の Core2Duo E8500 + メモリ3.2GBでは時々落ちてしまいました。Win7 64bit の Core i7-980X では問題なく動きますが、断面の切り出し時に数分かかります。3次元を扱うには64bit必須でしょうか?
ちなみにメッシュは standard レベル、節点数約3.5万点です。Photo Scene Editor でのメッシュ作成時、さらに細かくすることができますので、へこみなどの精度の甘い部分はより改善されます。それとともに、2D断面切り出し時はより重くなるということです。

もうひとつ。サーバーにデータが残ることですね。4か月前のデータがまだ残っていましたので。情報漏洩の可能性は少ないと思いますが、自分のサーバーではないので、何ともできません。

いずれにしても、写真だけで簡単にこのような3Dメッシュや2D断面ができるとは、驚きの技術ですね。

========================================================
2011/8/22追記
CGのプロに相談したところ、3ds Max だとカメラ、画像もPSEと同じように取り込めることがわかりました。写真だけからモデルができる時代とは・・・すごい。



2011年8月20日土曜日

Autodesk Photo Scene Editor がすごい!

Autodesk Photo Scene Editor がVer.2.1になっていました。

このソフト、高機能です。(ただし、Autodesk製品登録ユーザーのみ利用可)
写真測量のような機能を有するソフトなのですが、他のソフトに比べ圧倒的に手間がかかりません。対象の写真を少しずつ動きながら何枚も撮っておき、それをサーバーにアップするだけ。カメラの位置や対象の形状を自動判別し、3Dファイルにして返してくれます。インターフェースも簡素で良くできています。ソフトの概要はこちら↓



以前、試しに作ったファイルです。
犬のぬいぐるみにお面を被せてみました。圧縮前は、結構きれいな画像ですよ。

video


以前は点群データしか返されなかったのですが、いつの間にかメッシュデータもできるようになりました。画像も載せることが可能です。


ただ、このメッシュデータをCivil3Dに取り込む方法がまだ分かりません。PSE側でFBX書き出しができますから、それをCivil側で読み込めば良いと思ったのですが、うまくいきません。週明け、CGのプロに聞いてみましょう。


このソフト、使い方によっては実務でも威力を発揮しそうです。例えば、以下のようなファイルを作り、ラップトップやiPadを協議に持ちこめば、お客様との情報共有がより円滑になりますよね。
使用した写真は膨大な量でしょう。ま、勝手に計算してくれるのですから、問題は無いですが。




以前、上司が3Dレーザースキャナーを使用し、文化財となっている石組を3次元化していました。100万以上したと思います。以下のような程度の3次元化なら、今後は無償でも良いくらいではないでしょうか?




個人的にはこんなのがヒット!



YouTubeには、いろいろUPされていますね。どんな技術なのでしょうね。画像のみから位置の判定をするのは、非常に高度な技術だと思いますよ。

多少の手直しは必要になる場合もありますが、手間は写真を送るだけなのですから、これはすごいソフトです!既知の長さをモデルに与えれば、未知の長さを測れるようになります。精度は分かりませんが、いままでの写真測量と同じくらいではないでしょうか?今までのソフトを使うのがバカらしくなりますよ。

-------------------------------------------------------------------------------
2011/8/21 Civil3Dでの断面作成法を追加しました。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/08/civil3d-2011-3d-2d.html

2011/9/17 水衝部の崩壊箇所モデルを追加しました。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/09/3_17.html

2011年8月18日木曜日

ベーン試験と土検棒

構成則の理解のために、地盤工学会の「土の強さと地盤の破壊入門」をところどころ読んでいます。

この本、前にも書きましたが、多彩です。弾塑性、カム・クレイ、塑性ポテンシャル、関連流動則、圧密、偏差応力、降伏、破壊などが、だんだんと線でつながってきました。特に、塑性ポテンシャルの幾何学的意味が理解しやすいですね。

パラパラめくっていると、ベーン試験に関する解説にひっかかりました。この本を購入した当時、ベーン試験機は壊れて既に廃棄されており、触ることもないだろうと読み飛ばしていました。恥ずかしながら、実物を見たことも触ったこともありません。
それでも、なぜ引っかかったかと言うと、p233のダイヤモンド型ベーンの形が、土検棒のベーンコーンに似ていたからです。

ベーン試験は圧縮と引っ張りの両方が同時に発生するため、盛土下のせん断モードと似ているそうです。これ、好都合です。計算式も簡単なモーメントの合計なので、説明しやすいですね。また、形状を変えることによって強度異方性も把握できるようです。つまり、τvとτHが分かるわけです。

とここまで読んで、気になったことが一つ。土検棒による砂質土(φ材)のベーンコーンせん断時、τvτH同時に発揮しているわけですが、こちらは拘束圧や自重を考慮しなくてよいのでしょうか?ベーンコーンを円錐コーンを抜く前と同じ深度にセットした場合(応力を戻した場合)、水平方向から土圧、鉛直方向からロッドの自重がかかっているため、σH≠0、σv≠0です。φ材の場合、τv成分はσH、τH成分は自重の大きさによって変化するはずです。そのため、σtanφ≠0であり、上から抑え込まずに(自重だけで)せん断しても、φ成分が出現する筈です。理想的な状態では同じφ材でも深度によって初期トルクに差が出ることになります。
マニュアルでは三軸CU3点と原点でR2=0.03(この値、一桁違いません?)ですから、初期トルク=c成分のみ、φ=0といった整理の仕方では、土検棒の結果とφに相関が認められないということなのでしょう。

どちらかと言うと、φ材の場合は同じ土層で深度別に初期トルクのみを集計し、相関を取った方が良さそうな気がします。この初期トルクをとる作業、案外難しいですけど。ベーンコーンを直接貫入してから回した方が良いでしょうね。現場ではコーンの入れ替え時に塑性化させたり、上方からの土砂の落下などにより、何を計っているのかわからない状態になっている可能性もありますから。機会があれば実践してみましょう。

でも、なぜマニュアルはCUなんでしょうね。こちらも、どの条件のcφと相関をとるかは、技術者が問題に応じ自由に決めることができるのでしょうね。ま、どの条件にしても、もう少しデータが集まらないことには、どの程度の精度で使えるのかわかりません。今後に期待です。

----------------------------------------------------------
2012/2/13追記
マニュアルで拘束圧は考慮されていませんが、自重は考慮されていますね。勘違いでした。

2011年8月17日水曜日

PFC3D

平成23年度の応用地質学会研究発表会の内容が応用地質8月号に載っています。

目を引いたのが、「67.粒状態挙動解析コード(PFC3D)を用いた堆積岩の力学異方性モデリングと透水シミュレーション」です。題からすると力学と水理の両方を扱われているようです。私は発表会には参加しませんが、CDは手に入るので今から楽しみです。

PFC3Dは知らなかったので調べたところ、CTCさんが販売していました。しかもITASKA。FLACと同じ会社です。画面を見る限り使いづらそうです。でも、強力なんでしょうね。

検索で、3年前の Rock Net Mail が引っかかりました。以下のような内容が書かれています。http://www.rocknet-japan.org/RNM/RNM_181.htm
今回のワークショップでは、個別要素法(粒状体・粉体解析)ソフトウェア「PFC3D」と流体連成シミュレーションを可能にする、CTC開発のアドオンソフトウェア「CCFD」もご紹介させていただきます。流動層、攪拌・粉砕、粒子輸送等の解析、あるいは地下水を考慮した斜面崩壊等の解析にも適用可能な最先端の粒状体・粉体と流体の連成解析機能をぜひご覧ください。
うっ!
3年前には粒状体で地下水を考慮した斜面崩壊ができてましたか!

どのような内容なのでしょうか?連続体やLEMではできない何が再現できるのか、知りたいですね。
とりあえず発表会を待つことにしましょう。

2011年8月16日火曜日

水-化学反応の連成

今月号の応用地質に、「天然火山灰吸着層を用いた掘削ズリからのヒ素およびホウ素の溶出低減」といった論文が載っていました。

思うところ、いろいろあります。が、問題点の指摘は今までの繰り返しになりますので、建設的な点だけ残しておきましょう。

こういったAsなどの溶出量を求められる問題はよくあります。が、解析的に解こうとする場合、この論文には無い以下のデータが必要です。
  1. 鉱物の定量結果
  2. Asの含有形態の把握(反応のコンセプトモデル構築)
  3. 現場での水理パラメーター(水理地質のコンセプトモデル構築)
  4. 吸着サイト数
1.に関してはRockJockである程度把握できます。研究職が頑張って、±5%以内に収まるように結果を出してくれました。縦型設置のXD-D1ですから、この程度は目をつぶりましょう。研究室ならもっと良い分析機器があるでしょうし、精度よくデータが得られるはずです。

2.については、反応が平衡状態にあるものと仮定すれば、反応計算のみでもコンセプトモデルを絞り込めます。ここ、重要ですね。Fe(OH)3に吸着しているのか、FeS2に微量成分として混入しているのか、有機物との関連はどうか、炭酸塩との関連はどうかなど、自由に計算し、実際に合うものを選べばよいわけです。海外の参考書にも例が載っていますし、検索で探しても引っかかります。

3.水-化学反応の連成(連結?)解析の場合、水理パラメーターが一式必要です。現場での降雨浸透を考えたモデルが必要です。これは、日本でも多くの参考書が出ていますし、実務でも多用されています。

4.吸着層を考慮するのであれば、その限界を知っておく必要があるでしょう。無限に吸着するわけではありません。解析的には吸着サイト数の把握です。これ、難しいですが、このモデル化の仕方によって結果が大きく変わります。
http://phreeqc.blogspot.com/2010/10/as.html
濃度によってはAsは吸着層から離脱し間隙水に戻ります。サイトからの流出が薄くなり、遅れたらOKという種のものでもないと思うのですが、設計者はどのようなコンセプトをお持ちなのでしょうか?私の知らない領域です。こういった思想を持つ技術者に会う機会があれば伺ってみましょう。


しかし、理論解でも数値計算でも同じことですが、今回のカラム試験では、出口側の濃度に関する境界条件の設定が難しいですね。濃度勾配一定条件を短い吸着層に適用可能でしょうか?でも、この条件で解くしかないのでしょうね。数値計算では2層に分けて解く方が無理のないモデル化かも知れませんが、BESTではないでしょう。もっとも、理論解では1層均質が前提のため、2層に適用した時点でOUTです。
もっとよい方法があるはずですので、今後の課題としておきましょう。

ところで、こういった問題は化学工学の技術者や研究者が介入すると、一網打尽にされるのではないでしょうか?反応や流体のソフトもお持ちでしょうし、熱力学データを取るのもお手の物でしょう。
仕事で既得権益を死守するのはよくあることですが、研究分野にも棲み分けがあるのでしょうか?

孔内水平載荷試験の再現 その3

CTCさんに変形量が変化しない点について問い合わせてみました。
すぐに回答がありました。

ダイレイタンシー角については大規模オプションのみ反映される項目で、ノーマルのソルバーでは値を入力しても反映されませんとのこと。

・・・マニュアルに書いておいてほしいですよね。

しかし、ここで疑問が。ダイレイタンシー角を入れないと、塑性ひずみが分からない筈です。どうやって決めているのでしょうか?これも回答がありました。

内部的にψ=φとして処理しているとのこと。
関連流れ則を採用しているようです。
MC-MC、DP-DPモデルは可能ですが、MC-DPモデルはダメです。

結局、現段階ではソフト上確認できないことが分かりました。
まあ、こんなものでしょう。他のソフトではどうなんでしょうね。
方針がダメだったわけではないので、いずれ確認しましょう。


2011年8月15日月曜日

孔内水平載荷試験の再現 その2

昨日の3次元モデルをダイレイタンシー角だけ変更して、試算してみました。

40分ほどで結果が出てましたので確認すると、変更前と全く同じ変形量です。設定を間違えたかなと思い、確認しましたが、ダイレイタンシー角はきちんと変更されています。
おかしい、もう一度と思い、S+を立ち上げなおし、再度計算。しかし、結果は変わらずでした。

以前、ダイレイタンシー角を変えることで変形量に差が出た2次元モデルをもう一度計算すると、確かに変形量が変わります。なんでだ?と思ってパラメーターを確認すると、材料値も変えていました。情けない。

それを修正して計算し直すと、3次元モデル同様、変形量に差がでなくなりました。適当なダイレイタンシー角を入れても、まったく変形量が変わりません。私の設定がおかしいのかもしれませんね。

まあ、効かないなら効かないで、お金をかけて調べる必要もないことが分かったわけですが、どうも納得できません。構成則、ちゃんと理解しないといけないですね。

盆明け、プロに確認してみましょう。

2011年8月14日日曜日

孔内水平載荷試験の再現

昨日思いついた孔内水平載荷試験の再現シミュをやってみました。

目的は、ダイレイタンシー角ψの同定です。
試験結果より得られたE,φ',K0,ν,Gを固定し、ψを変えて加圧に応じた変形量を求める方法で実施しました。この試験では、主に平面ひずみ状態での上記ψ以外の値を求めることが可能です。使用したソフトはSoilPlus2011です。

始めは、軸対称条件で、内圧をかけるモデルを作成し、実施しました。掘削過程やケーシングによる変形の制御も施工段階として取り入れました。ただ、押し出してきた地盤をケース設置時に削り取る方法がわかりませんでした。とりあえず載荷箇所ではないので0クリアで済ませましたが、プロはどう対処しているのでしょうか?
モデル自体は2時間ほどで組めたのですが、さあ、計算!となったとき、エラーが発生しました。
SoilPlusの軸対称モデルでは、鉛直方向の荷重しか扱えないようです。残念ですが、やり直しです。

気を取り直して、3次元でモデルを組み直しました。といっても、回転押し出しで済ませばよいので、それほど手間はかかりません。メッシュを切ると1万節点強のモデルになってしまいましたが、テストなので、まあいいでしょうと思い計算させてみました。が、古いPC(Centrino Duo T7500 2.2GHz)でやっているため、結果が出るまで40分強かかりました。モデルは↓です。



最初はψ=φ'-30=2.9°で実施してみました。
最終ステップの結果をみると、載荷箇所の周辺地盤が塑性化していることから、この点では合格です(実際の試験でも破壊させています)。局所安全率が1を大きく切っている箇所があることはどうなんでしょう?弾完全塑性で0.8とかありなんでしょうか。計算として不合格?これもプロに聞いてみましょう。
問題の変形量は樽型になっているので直接比較はできません。が、壁面付近は全体的に6mm強なので少ないですね。その倍は欲しいところです。(色はデフォルトのままですが、↓のような感じ。)


試験では均等に変形していると仮定して変形係数を算出しますが、理想的にはこのような樽形で算出すべきなのでしょう。キャリブレーション時のゾンデの膨れ具合をみると、もっと複雑な変形をしていることは容易に想像できますが。
この結果を検証するには体積変化しかないなあと思いつつ、それは後回しにしました。

先に、気になった未掘削部の対称軸付近の変な塑性化がno-tension解析で解消するかを試してみました。これは計算として不合格ですから。しかし、これがドツボの入り口でした。
計算が収束しません。no-tension解析だから収束しないというのはおかしいなあ、と思いつつ、それしか原因がないので元に戻し、ψ=32.9°で回してみました。結果、収束せず。その後、値を変えても、ソルバーを変更しても駄目でした。すべて載荷時で引っかかります。結局、何が悪いのか分からずに元の値に戻して計算しましたが、これも駄目。最後はソルバーすら立ち上がらなくなりました。

気を取り直してS+関連の生きているexeをタスクマネージャーから殺し、再度立ち上げなおすと、すんなり動くようになりました。
載荷時のステップを細かくとったのが良かったのか、収束計算対象を変位に変更したのが良かったのか計算も収束します。

今日1日は何だったのかと思いつつ、まあ、方針は悪くなさそうなので、明日も懲りずに試してみることにしましょう。

2011年8月13日土曜日

ダイレイタンシー角

お盆休みの間に、変形解析の実務上の(調査に関わる)問題点を拾い出しておこうと思い、先日よりSoilPlusで2次元変形の試算を行っていました。

弾塑性でも完全塑性、ひずみ軟化、硬化が選択できます。完全塑性でも、通常扱わないパラメーターが必要です。難しいと感じたのは、ダイレイタンシー角、硬化係数でしょうか?

ダイレイタンシー角ψは降伏基準としてMCを選択した場合に必要です。前に紹介した本には砂質土としてψ=φ'-30°の関係が掲載されていますし、一般的にはψ=φ'として計算されることも多いようです。粘性土ではψ=0が多いでしょうか?
ダイレイタンシー角ψは三軸試験でも得られますが、この試験ではε2≠0なので物理的意味は明確ではありません。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/08/blog-post_05.html
この値、結果に効いてきます。試算で使ったモデルでは、局所安全率が大きく変わってしまいました。(2011/8/15追記:材料値も変えていました。)
平面ひずみ圧縮試験でポアソン比とともに求める方がよいのでしょうか?もう少し、理解する必要がありそうです。

試算しながら思ったのですが、変形係数を求める際に実施する、孔内水平載荷試験の結果(繰り返し載荷)を再現してやれば、これらの値は同定できる可能性が高いのではないでしょうか?軸対象平面ひずみ状態ですが、上記の一般値よりは、ましな値が得られるのではないでしょうか?

既にどなたかされているかもしれませんね。文献、探してみましょう。

2011年8月12日金曜日

粒子法

図書館に行くと粒子法の参考書がありました。

越塚誠一「計算力学レクチャーシリーズ5 粒子法」です。連続体の構成則もまだ完全に理解していないのですが、つい、借りて帰ってきてしまいました。

とりあえず、CDに入っていたソフトを動かしてみました。1秒ほどの粒子の動きの計算でしたが、割と時間がかかります。まあ、当然ですね。結果を見て、粒子の動きを確認。ファイルの中身も確認しましたが、比較的単純な構造です。本書をパラパラめくってみましたが、意外にも理解できそうな内容でした。ここまでやると、なぜか落ち着きました。

まだ内容を理解していないので何とも言えませんが、感覚として崩壊はシミュできるかもしれません。地すべりはどうかなあと言うのが率直な感想です。早く理論を理解し、市販ソフトでどこまで可能か判断できるレベルにならないといけませんね。


2011年8月11日木曜日

ラスターの重ね合わせ(Civil3D)

Civil3Dで、切土法面の点検結果を整理しています。

基本的に、ベースが道路台帳(ラスター)なので手書きで十分なのですが、設計者がCADでないと困るようですので、CADで作成しています。手書きの方が個人的には早くできて楽なのですけど。

切土法面に岩級区分の色を塗っていて気がついたのですが、ハッチングをラスターの背面に持って行くと、ちゃんと透けて見えるんですね。道路台帳を1bitのtiffでスキャンしていたため、白い部分が透明になっているんです。

また、道路台帳に描かれていない範囲の地物を記入したいため、道路台帳の背面に空中写真を読み込んだところ、これも綺麗に重なって見えます。いい感じですね。ラスターにラスターを重ねる場合はPhotoshop を使っていたのですが、コンターや構造物を重ねるぐらいならCivil3Dで充分です。きっと昔のVer.でもできたんでしょう。

でも、SXFや他のCADへ持って行くとだめでしょうね。
ま、写真もたくさん張っているのでもSXFは無理として、あとは設計者に考えていただきましょうか。

2011年8月10日水曜日

BTV

他支店に貸していたBTVが壊れて帰ってきました。

修理しようと分解した状態だったのですが、急ぎのためそのまま持って出られ、現場で接続の仕方が甘く、孔内に落とされてしまいました。なんとか回収はできたものの、結果、修理代30万円也。
ま、直って良かったです。

最近では、全地連さんによる汎用型BTVによる孔壁観察の話題を耳にします。
比較的安価なカメラで展開画像が得られるようですので、コアの補足観察には良いですね。
画像のズレを解消していくことで方位を合わせるシステムをお持ちの業者さんもいらっしゃるようです。これで亀裂の方向が採取できるようになり、ソフトが販売されるようになれば普及するかもしれません。

私が注目しているのは、孔壁観察より濁度測定の方です。汎用BTVで濁水画像を撮影し、深度を音声なり野帳なりに記録しておけば、後で○○時の○○mの濁度を数値化できます。そうすると、濁水をトレーサーとした追跡試験も可能になるでしょう。


昨年の応用地質学会の発表では今年の5月ごろにはシステム完成予定となっていました。しかし、まだ販売されていないようです。今後の動向に注目です。

2011年8月9日火曜日

トンネルのDIとDII

地山等級のDIとDIIの差について、トンネル設計者のTOPに教えを請いに行っていました。

DIIは、変形余裕量を見込むこと、切羽が2D以上進行しても変形がおさまらないことから、膨張性地山を対象とするイメージを持たれる方もいらっしゃいます。施工実績が少ないようですから、確かに、そうなのかもしれません。

この点について聞いたところ、「膨張性地山とはどこにも書かれていない。地山強度比が2以上か以下か、内空変位が60mm以上か以下かしか書かれていない。」
後荷が来るイメージに対しては、「地山強度比が2以下で塑性化しているんだから、止まらないだろう」と。

納得です。

地山強度比に関しては、一軸圧縮ができるところ、言いかえればコアが10cm以上の棒状で採れる箇所、もしくはそれ同等の地質が分布する箇所での値であり、それ以上劣化した箇所の値は算出されません。地山強度比が書かれている箇所よりも、(その間を含め)書かれていないところの方が危険な可能性があるということです。

そのため、地山強度比が3前後の個所は要注意です。貫入岩の接触部や水がまわったところで劣化していれば2以下になる可能性があります。その場所を地質屋は知っています。が、設計者は帯に書かれた数字を主体に考えます。地質屋が総合判定で地山等級をDIIにしても、その根拠が明確でなければ、設計者は地山分類をDIに設定します。

DIとDII、先入観を持たず、挙動が明らかに異なる点で判定する必要がありますね。

2011年8月7日日曜日

AE

先日届いたISRMのnews letterに、AEの記事がありました。

一軸圧縮試験でAEも測定しているのですが、CI、CD値がきれいに出ています。ひずみを測るより精度が良いようですね。面白い。

なかなかAEセンサーを使用する現場はありませんが、岩盤崩落や地下空洞での使用は見たことがあります。詳しい分析方法は分かりませんが、①複数のセンサーを使用すれば岩盤中のどこで発生したのかが分かること、②初期地圧を推定できること(カイザー効果)、③破壊させなくてもCI値などから現位置岩盤の一軸圧縮強度を推定できることです。③はTEPCOさんの論文で詳細に報告されています。岩盤がピーク強度を発揮する前に強度定数を把握できることから、情報化施工による変形解析での利用に有利ですね。壊れてから真値が分かっても意味ないですからね。

圧縮試験に伴うAE測定のため、代表的コアを選定したことはあります。試験を見てみたい、岩と結果を頭の中でリンクできるようになりたいと考えながら選んでいました。どのような試験・解析でも共通しますが、自分の手を動かさないと、なかなかモノになりません。
今後、機会があればモノにできるようチャレンジしましょう。

2011年8月6日土曜日

トンネルと1.5D

トンネルには1~2Dといった距離が良く出てきます。

①坑口部は土被りが1D~2D。
②トンネル同士の離隔は緩み領域を考慮し2D(中心から1.5D×2)。
③トンネルと地すべりの離隔は2D
④設計時の弾性波の評価はトンネル計画高より1.5Dまでを考慮。

この中で、④だけが、天端からの考慮すべき距離が小さくなります。最も出番が多いはずなのですが。

基準には以下の記述があり、設計者は機械的に判定する傾向があるようです。
トンネル計画高より上部約1.5D(Dはトンネル掘削幅)の範囲が複数の速度層からなる場合は、弾性波速度分布図におけるトンネル計画高の速度層より上層(速度の遅い層)の速度を採用する方が望ましい。
しかし、このようにも書かれています。
頁岩、粘板岩、片岩などで褶曲などによる初期地圧が潜在する場合、あるいは微細な亀裂が多く施工時にゆるみやすい場合には、実際の地山等級よりも事前の弾性波速度によるものが良好に評価されることがある。
こちらについては、なかなか考慮されていないようです。

本来であれば、緩み領域は中心から1.5D、弾性波の評価は底盤から1.5D、などと区別する必要はないと思います。天端や側壁から剥落しやすいか、層理面の方向から弾性波が過大評価されていないか、などはBTVで亀裂の方向を整理しておけばイメージできると思います。基準があるので設計者は底盤1.5Dを適用しがちですが、過大評価にならないよう地山状況を適切に伝える、あるいは地山等級を判定した根拠を示すのが、地質屋の責任だと思います。

2011年8月5日金曜日

流れ則

10年くらい前、地盤工学会の「土の強さと地盤の破壊入門」を読んで、その多彩さに感動したのを覚えています。

モールの応力円、ひずみ円が丁寧に解説されており、土質力学を勉強中だった私は非常に助けられました。(今も勉強中ですが。)
ダイレイタンシーはそのころよく聞いていた単語です。せん断によって体積膨張する場合(ダイレイタンシーが生じている場合)にダイレイタンシー角νが正、収縮で負と覚えました。

流れ則( Flow rule )を再確認するため、再度読んでおりますと、いろいろ忘れていることがありました。

①平面ひずみ状態(ε2=0)におけるダイレイタンシー角関連の定義
  • 収縮・膨張のない面が、最も圧縮しているε1方向となす角度ε' 
  • その面上の要素が単純せん断で生じる変形モードの(収縮・膨張のない面となす)角度ν・・・p55、図2.20
  • 最大せん断ひずみ増分(  )によって生じる体積ひずみ()の率
    ここですっかり忘れていたのが、平面ひずみ状態であること。三軸圧縮試験ではε2≠0なので、上記で定義されたダイレイタンシー角νの物理的意味は明確ではありません。
②流れ則  Roweのストレスダイレイタンシー式 R=KD または、
  • 平面ひずみ圧縮 
  • 三軸圧縮     
    関連流れ則は図2-37のようにひずみ増分の生じ方(流れ則)が破壊条件に関連している現象を示すものでしたね。
なぜ、流れ則 と言うのかは、式がポテンシャル流れと同じ形だからだそうです。
なるほど。



2011年8月4日木曜日

検土杖

後輩がミニラムを実施しています。
換算N値と支持層の深度を知りたいようです。

サウンディングは補足調査ですから、換算N値や推定強度はあくまでボーリング調査(標準貫入試験、土質試験)結果を断面上で補間するのに利用すべきものです。ボーリングなしでもN値は推定できますが、それをそのまま設計に使うには精度が足りないでしょう。サウンディングだけでは土質もわかりません。結果は相対値として使用すべきですね。

土質が分かるサウンディングもあります。
検土杖というツールがNEXCOの試験法に記載されています。

もとは土壌分野のツールのようで、それが土木にも取り入れられたもののようです。WWWで検索すれば画像付きで引っかかりますし、市販もされています。個人的には重宝しており、堤防点検ではシルト質砂か砂質シルトかの判別によく使用していました。採取試料はこんな感じです↓


市販のものは土検棒の簡易法と同じで、手で押し込んで土層を調べるサンプリングツールです。軽い錘で叩き込むものも検索で引っかかりますね。
個人的に愛用しているものは、簡易貫入のヘッドに取り付けられるようになっています(部長様の改良です)。1mピッチの土質の採取が可能となるようにサンプラー部分も長くしています。鉄工所で安価に作っていただきました。

作業工程は以下の繰り返しです。
1m打ち込み > 引き上げ > 試料観察 > ロッド接続 > 再挿入

時間は簡易貫入(早い)と土検棒(遅い:ベーンコーン使用時)の中間程度ですね。実際に土が採取できて観察ができますので、得られる結果は両者以上です。ロッドやヘッドは簡易貫入と同じものが使えるようにしていますので、5kgの錘で叩き込めます。そのため、深度、適用土質は簡易貫入と同程度で、土検棒よりは深くなります。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/07/blog-post.html
砂礫地盤ではサンプリングできませんが、マトリックスの観察が可能です。

N値換算式はありませんが、簡易貫入と同じように叩き込むとNd値のような相対値が得られますので、補足調査にはもってこいです。孔がつぶれなければ細い水位計で水位も測れます。

問題点は・・・非常に安いため、利益が出ないこと。
ま、お客さまにとっては費用対効果の面で優れた補足調査となりますね。

2011年8月3日水曜日

RIR

RockJockの新規スタンダードの登録で、本店の研究職がまだ悩まれています。

水平設置型でないため配向を避けることが困難なこと、試料の混合法が適切でなかったことなどが分かってきました。今度はRIRです。

mix した試料を用い、RIR (厳密にはある範囲の積算強度)を測定してもらっているのですが、mix する鉱物によって RIR が異なってしまいます。しかも倍半分。 Kfs では算出するまでもなく、第一ピークの強度が大きく変わっていました。粘土鉱物やコランダムとの混合がまずいだけなのでしょうか?

Kfs単一試料で10回計ってもらったところ、倍半分どころか、3倍程度の差が出てしまいました。原因は押し方(配向)しかありません。XD-D1のような鉛直設置型ではKfsの定量は困難と言う結論になります。

試料水平設置型の機械がある研究機関まで出かけますか?

2011年8月1日月曜日

パイプ流のモデル化

本棚を整理していると、愛媛大学・地盤工学会四国支部「豪雨時の斜面崩壊のメカニズムと予測に関する論文集」が出てきました。

2001年8月ですから、ちょうど10年前です。
当時、このような論文集があるということで、コピーを送ってもらった記憶があります。
中を見てみましたが、技術レベルは何も変わっていないですね。停滞しているのか、再現や予測の限界なのか、興味のある方が少ないのか?

そう思いながら、中身を見てみると、当たりがありました。
ある論文の参考文献の中に、パイプ流のモデル化に関する資料が掲載されていました。以前、「再現できません」と書きましたが、やっている方が10年前にいらっしゃいました。
http://www.jsece.or.jp/event/conf/abstruct/2001/pdf/2001O119.pdf
http://www.jsece.or.jp/event/conf/abstruct/2001/pdf/2001O120.pdf
http://phreeqc.blogspot.com/2011/04/blog-post_27.html

論文になっていれば詳細な設定が分かるのでしょうが、この資料だけでも具体的なモデル化の方法は想像できます。結果も面白いですね。パイプがない場合、ある場合、閉塞している場合と分けて示されています。これ、表層崩壊のイメージに結びつきますよね。そのイメージを持った方がモデル化して結果を良しとし、発表されたのでしょう。実際は空気圧もかかるでしょうから、もう少し複雑なモデルになるのでしょうが、浸透流だけでも工夫すればモデル化が可能なことは分かりました。

あとはどう調査するかですね。
地下水調査のスケールを考えないといけません。ある斜面に対し不均質なモデル化をするために、不均質地盤を把握しないといけないのです。前にも書きましたが、難しいでしょうね。

もし、このモデル化で現象を再現できるなら、解析ツールは10年前にほぼ揃っていたということになります。停滞していたのは崩壊メカニズムの把握と解析ツールの開発ではなく、地質屋がそれを理解し、必要な調査をしてこなかったか、理解したけれども調査できなかったことに起因するでしょう。私自身、10年後、ある斜面の水みちを詳細に把握できるか考えると、難しいと思います。

スケール因子やSISimで透水係数場を確率論的に発生させ、複数ケース回して最も壊れやすい場所を選択するというのも一つの手かもしれません。地質屋さんなら、ある意味、敗北を認めることになるため嫌な手法だとは思いますが、答えが確実に出る確率論は実務では有利です。そうなれば、ある程度調査手法や数量も見えてきます。

いずれにしても、飽和・不飽和浸透と斜面崩壊の問題は、地質屋が努力し、さらに自然から学ばないと解決できない領域ということなのでしょう。