2011年10月9日日曜日

安定計算式を選ぶ責任

ところで、昨日記載したの講習会の教科書、技報堂出版「土の力学」に、安定計算解説個所への書き込みもしていました。

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円形


・簡便分割法・・・「スライス間の合力を0とする。」日本のみ。めちゃくちゃ。不経済。
・Bishop・・・円弧では最低限これを使え。
・Spencer
・その他

非円形

・Janbu・・・「合力の作用点を仮定。」
・Morgenstern・Price・・・「合力の傾きを仮定。」世界で最も使われている。
・Spencer・・・円形でもOK
・Sarma・・・オーストラリア・ニュージーランドで使われている。分割線が斜めでOK
・その他

・意味を分からずに使う時代は終わり。エンジニアは自分の考えを。
・円弧か非円弧か直線かは技術者が考えるべきこと。
「建設省の基準でやった」という言いわけは裁判で通らない。技術者の主義主張がなければならない。

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重いですね。講習会でメモったのは、11年前だと思います。
相変わらず、簡便法を使い続けていますね。どうすれば変えることができるのでしょうか?

ある報告では、排水効果を見るときに、Janbuよりも簡便法が危険とありますが、実際、そんなことはないと思います。
指針にあるFs=1.2は経験上培われた簡便法の目標安全率で、ヤンブーの目標安全率ではありません(この辺りの話は、今回の講習会でも講師より話がありました)。上記の場合、Janbu で簡便法の1.2を目指す場合には、簡便法より密な手当てが発生するといった解釈も可能で、cを同値とした場合の Janbu の目標安全率は簡便法より低くて良いということも言えます。もちろん、問題によりますが。

指針にないから実務上簡便法を使わざるをえないのが現状と解釈しています。FEMならどうか、3次元ならどうか、整理して出来るところから指針を変えてしまえばいいんですけど。研究者や権威のある方が講習会でなく、委員会で一言いえば、簡単に変わると思いますが。

変わらないからそれに甘えているというのも技術者としていけないですよね。ダメな場合は主義主張を持ってお客様に説明しないといけないのです。技術士の面接で出てきても良さそうな話です。いま問われたら、試験用の解答をするでしょうね。

ダメですね。考え方がサラリーマンになってしまっている。もっと追い込まないといけないですね。

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