2011年11月14日月曜日

設計者の提案

設計者より、土層強度検査棒の調査実績を教えてほしいと問い合わせがありました。

設計業務で提案されたそうです。この方、調査担当者よりも調査法に敏感で、狭い常識的な試験法を超え、色々と試されています。脱帽です。

残念ながら、私を含め、設計に利用した実績がありません。
マニュアルを読めば分かりますが、土検棒だけで設計に使えるc・φを得ることはできません(感覚的にはまだキャスポルの方が精度が出ると思います)。結局、土検棒の結果を設計に利用するには、その土を使った力学試験データが必要です。拘束圧のせん断抵抗力への寄与や、(現場計測)不飽和>(推定)飽和>(解析)不飽和もはっきりさせたいところです。まあ、こういった問題点はツールではなく必要とする精度や解釈上の話なので、個々の現場で技術者が考えてやりなさいよ、ということでしょう。

一方、設計者はそんなこと無関係で、加点のための提案のようです。当然、力学試験も多く実施します。内容は私以上に理解されていますので、割り切って使われる分には問題ないでしょう。逆に、今回は力学試験データとの比較を提供してもらいましょう。


反対に、その設計者から、3成分コーン(CPT)の実績紹介を受けました。
これ、数ヶ月前に見学の機会があったのですが行けませんでした。得られる結果は貴重です。間隙水圧(とその消散)を測れるところが特徴でしょうか?液状化の調査などでは威力を発揮しそうです。難点は大型であること。自走式ですがある程度スペースが必要です。斜面は困難でしょうね。OYOさんがミニラムに付ける間隙水圧測定オプションを開発していますが、まだ販売されていないのでしょうか?早く欲しいですね。
そういった難点を解決したいのは建築分野も同じようです。論文も紹介してもらいましたが、住宅メーカーが小スペースでも可能な自走式機器を開発、使用されているようです。

土木分野ではまだまだ汎用ツールとなっていません。
地盤工学会誌では2009年8月号でCPTを特集しています。完全に読み飛ばしています。設計者からの指摘があって初めて読み返すのですが、こういった指摘なら反省しつつも大歓迎です。

まだまだですね。

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