2012年6月4日月曜日

限界揚水量 その4

その2で記載した、レイノルズ数4の根拠を確認するため、引用文献を見てみました。
 口頭発表のようですね。
高坂(2000)井戸限界揚水量に関する考察, 第35回地盤工学研究発表会, pp.1545-1546

面白い内容だと思います。
この発表内容だと Sichardt の動水勾配を使用した限界流速は粒子移動の方ですね。うまく整理されています。しかし、その適用限界は飛んでいますね。また、レイノルズ数4の設定根拠も書かれていません。このままでは使えないですね。
引用されている古いテキストでは井戸近傍のレイノルズ数を測っているようです。これは参考になりそうです。ただ、古い本で市場に出ていないものもあります。大学の図書館で探してみましょう。

手元にあった同じ著者の本、山本荘毅「新版 地下水調査法」では、以下のように書かれています。
p20
地下水の場合、Reの値が1~10の間で層流となり、100を超えると乱流になることが実験的に示されている。ここで、実例を挙げて計算をする。
 計算では、平均粒径が用いられています。
p251
井戸の揚水量が非常に小さい時、地下水の流れは整流であるが、揚水量が少し増すと井戸の周囲の流れは渦流になる。整流から渦流に移る限界の流量は限界流量Qcと呼ばれており、このときのレイノルズ数は約10である。すなわち、R<10では整流である。
レイノルズ数は10が良いのでしょうか?もう少しその背景のしっかりしている方が説明しやすいですね。
仮にレイノルズ数4や10が正しいとして、さらに平均粒径を用いるのが正しいとすると、浸透流で流速を出し、平均粒径を用いてReを計算すると、それが制限となり限界揚水量(地下水低下の限界)を求められそうです。
 うーん。でも、すぐに乱流になりそうですが。

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