2015年8月16日日曜日

桜島とハザードマップ

PC版の地質図Navi を眺めておりますと、「火山ツール」という機能が下の方に表示されていました。

同じ産総研の「第四紀噴火・貫入活動データーベース」を利用し、プロットしているようです。興味を引いたのが、そこにある火砕流シミュレーション。表示された火山の中から計算したい山を指定し、経験的なパラメーターを入力すると、地形的に火砕流流の到達しうる範囲(H/L値)が示されます。優秀な地質図Navi ですが、ここまで重ね合わせができるようになっているとは知りませんでした。

ニュースになっている桜島で表示してみましたが、意外に北側中心の結果。避難勧告は東南地区主体であったのに、おかしいなあと思って見てみますと、どうも火山の位置が火口とずれています(現在活発な火口以外から噴出しないとは限らないので、それでも良いのですが)。
地質図Navi 上では火口を動かすことができないので、本家サイトへ。
http://g-ever1.org/quick/
本家サイトで南岳の火口をクリック、位置指定を行って計算。結果、南東中心の範囲になりました。この結果は kmz 書き出し後、Google Earth で 3D 表示可能です(不具合もあるようですが)。

桜島のハザードマップでは、危険なエリアが円表示になっています。http://www.city.kagoshima.lg.jp/shimin/kikikanri/kikikanri/kurashi/bosai/bosai/map/sakurajima.html
「事前に、火口の位置を予測することが困難」「火口は山頂を挟んだ両山腹にできる可能性が高い」「島内全体にわたって危険な状態」と書かれておりますので、被災の可能性としては全島を考えるということでしょう。
昨日の避難勧告は、まず被災の可能性が考えられた東南側自治体において、昼の間に避難できるよう出されたということでしょうか?今後、火山性地震が活発化すれば(昨日よりは落ち着いたようですが)全地区避難となるのでしょうね。

地質図Naviでは、観測位置が公開されています。火山性地震の発生回数は気象庁から発表されています。傾斜計やGPSの結果もどこかで公表されているかもしれません。いろいろな情報がネット等から得られるのですが、それらをどのように一元化、アナウンスしていくかは、土木分野共通の課題なのでしょう。


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