2016年1月26日火曜日

ボーリング柱状図作成及びボーリングコア取扱・保管要領

全地連さんのHPをのぞいてみると、 以下の要領が公開になっていることに気づきました。

「ボーリング柱状図作成及びボーリングコア取扱・保管要領(案)・同解説」平成27年6月
http://www.zenchiren.or.jp/koukai/kousiki_0928.html

半年以上前ですね。全く気づきませんでした。幸い、「地質・土質調査成果電子納品要領(案)」がまだ改訂されていませんので、大部分は適用になっていないようです(改訂の予定があるのでしょうか?)。ソフトの更新案内も着ていませんね。

内容を確認してみましたが、柱状図作成に大きな変更点はありませんでした。

増えたのはコアの取り扱い・保管に関する内容です。といっても、通常実施している作業が整理されているだけですので特に目新しいものはありません。コア箱に排水孔を設ける、コアを洗うといった一連の作業が追記されているまでです。

洗う道具として、刷毛や筆が紹介されています。これ、結構悩ましい問題です。
指や軟らかい毛を使えば、コアの乱れを抑えることができます。が、かなり時間がかかります。一方、ブラシなどの硬いものを使用すると、短時間で綺麗になるのですが、割れ目でコアが動いたり粘土が流れたりするなど、非常に乱れやすくなります。地質によって道具を変えてみるのですが、なかなかコレといった決定打はありません。
最近使ってよかったのは、洗車スポンジ。火山性軟岩を洗う際、最初にマッドケーキをあらかた落としてから、洗車スポンジを使用しました。ちょうど良い組み合わせだったようで、綺麗に落ちました。水を多く含むので噴霧器も不要です(噴霧器の水圧が強いとコアを乱してしまいます)。

 このあたりのノウハウが要領に記載されるようになった背景には、観察側の意識の変化は勿論、ボトムなどツールの変化や、オペさんの試行錯誤・尽力などの背景があるように感じます。近年、無水のコアはほとんど見ませんし、打ち込みですら「縮む」という理由で使わないオペさんもいらっしゃいます。お互い、良いものを求めていく姿勢の一端が、この様な形として表われてきたのではないかと感じます。

地質に詳しくないお客様にはほとんど気付かれない、仕事に対する姿勢の話になるのかもしれません。ただ、技術者と名乗り続ける以上は、このような姿勢を持ち続けたいものです。

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