2016年1月3日日曜日

崩壊・流下中のφの変化

土砂移動計算のソースを用意できたので、改変に取り組むことに。

発端は、LS-RAPIDで土砂移動を計算した際、尾根を越えるすべり面(岩盤滑り)では反対斜面へ流下するケースが出てきたことでした。
恐らく、計算開始と同時に尾根越え判定に引っかかってしまうため、内部せん断を計算したのでしょう。どうすれば良いかは明白で、内部摩擦に崩壊初期の岩盤の強度に近い値を入力してやればOK。

と思ったのですが、LS-RAPIDではダメでした。岩盤に近い強度を入れても反対斜面に流れてしまいます。カラム背後の土圧が効くのでしょうか?すべり面強度を上げて流さない様にするしか対策はない様です。イマイチ。
ま、仮に内部の摩擦係数を上げて反対斜面への流下を防いだとしても、本来流れる方向への流下も土砂としての物性が表現できませんので、ダメですね。

ということで、手元にあった他の土砂移動計算コードを改変。

以前に改変した体積変化に加え、内部の動摩擦係数も流下に伴い低下させるアルゴリズムを組み込む方針です。
コードの改変は容易で、前回の体積変化アルゴにφm及びtanφmの変更を含めるだけです。主要部分は1時間ほどで終了しました。半日ほどかけて出力を増やしたり、結果を可視化したりなど、チェックを終えて完了です。

早速、尾根越えすべりの計算!と思ったのですが、これも手元にモデルがありませんでした。仕方ないので尾根を越えない崩壊現場のモデルで計算。

結果は上々。
φの変化に応じ、徐々に崩壊・加速して最終的には一気に流れ出すような結果。岩盤が頑張って耐えている感じが見られます。以前のものは計算スタートでいきなり土砂となり、トップスピードへ向かうような結果でしたので、より現実に近づいたように感じます。


で、肝心の尾根越えすべりですが、モデルをひっぱり出して試してみました。
結果、イマイチ。やはり反対斜面にも若干流れます。改変前のコードと比べても流下範囲は大きく変わりません。パラスタが必要なのか、考え方が誤っているのかわかりません。残念ながらもう少し試行が必要でしょう。

ま、思わぬ効果が得られたので今回は良しとしておきましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿