2016年2月28日日曜日

発注者の実力

最近、洪積層の圧密沈下に対し、先輩から2件の問い合わせがありました。

といっても、関空のように大型構造物を載せるような問題ではなく、一般の軽量構造物に対し「なぜ洪積層の圧密は考えなくてよいのか?」といったような基礎的内容。それをお客様に納得いただけるよう、その方のレベルに合った資料・図書を探されていました。「洪積は圧密しない」と明文化した資料は探しても出てこないでしょう(逆はありますが)。

最近、ネット検索や辞書を引けばわかる用語の定義から、高校レベルの数学の解説まで、報告書への記載を求められることが増えたように感じます。また、上記の例に限らず、大学の授業で習うような基礎事項や基準書の記載内容を「私達素人にわかるように記載すべき」「説明責任の範疇」と認識されているお客様も少なからずいらっしゃいます(記載すべき内容もありますが)。たまに、「基準を持っていないので報告書に添付すること」と仰る兵も。
また、現場に来られないので苦労・価値を分かっていただけない、現場へ指示をしながら後で「費用は出せない」など、サラッと言われる方も。
その他、支払えないが検討結果の記載は残して欲しい、支払えないが基準が変わったので新しい基準を適用してほしい、etc.。ま、ヒトの世です。このヒトの世を強かに生き抜いている技術者、経営者の方々は、さらに兵といった所でしょうか。

数年前、日経コンストラクションにて発注者実力ランキングが掲載されていました。法令遵守は勿論、上記のように経済性管理?のみでなく、総合的なマネージメントに長けている行政や会社が上位に入っているのでしょう。何らかの競争原理が働いているのかもしれません。
良いものを作るためには、双方の力が必要だと思います。

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