2016年12月31日土曜日

藍鉄鉱

次は藍鉄鉱。

昨年度も粘土中に見られたのですが、今年度も見つけました。

淡水成の指標になるようです。

アーバンクボタ No.23 特集「海成粘土と硫化物」
https://www.kubota.co.jp/siryou/pr/urban/pdf/23/


大気に触れるとすると、青色になります。



乾燥が進むにつれ、水色っぽく見えてくるようになり、数も増えてきました。
綺麗な結晶ではないですし、水色っぽくなってきましたので、本当に藍鉄鉱なのか?と、ふと疑問に思い X 線にかけてみました。

結果は OK。藍鉄鉱のピークが出ています。Annabergite でも引っかかるのですが、ま、色からも組成からも前者で良いでしょう。


しかし、これ、なぜ淡水成の指標になるのでしょうか?先の資料にも以下のように書かれています。
この当時すでに,還元的な環境下にある内湾や潟の底泥中には,硫化鉄(FeS)やパイライト=黄鉄鉱(FeS2)が含まれ,一方,同様に還元的な環境下にあっても湖沼の底泥には,しばしば藍鉄鉱=燐酸第一鉄〔 Fe3(PO4)2〕が含まれていて,これらは,海成層と淡水成層を見分けるための有効な指標とされておりました.経験的には,こういうことはすでにわかっていたのです. 
検索では論文が引っかかってこなかったので、その根拠は分かりませんでした。

で、PHREEQC。
還元環境で Fe に S を入れると黄鉄鉱に飽和する計算結果が出ます。P を入れると、黄鉄鉱にも飽和し、藍鉄鉱にも飽和する結果となりました。共存は可能なようです(詳細は量比を変えて計算しないとダメですが、ま、この辺は既に調べられているはずですので、後で文献を探すことで対応した方がよいでしょう)。

どちらかというと、Sがあるか、Pがあるかの環境に依存する、といった所になるのでしょう。つまり、淡水にはSがなく、Pがあると。そのPは有機物でしょうか?で、点在すると。

うーん、先日の Hfo の P もそうですが、その由来については泥岩も含めて整理しないといけないですね。来年、意識しておきましょう。

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20170111追記
顕微鏡下では、pyrite もできていました。やはり共生するようです。
淡水成層に海進で海水が浸透すれば共生するのでは?などと考えていましたが、その可能性もあるということでしょう。P と S の起源、確認する方法はないでしょうか?


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