2017年4月23日日曜日

石灰岩のモデル化

石灰岩の支持に関する文献です。

清住真「空洞を有する石灰岩層上基礎の支持力特性」
http://tdl.libra.titech.ac.jp/hkshi/xc/contents/pdf/300246273/1

アカデミックな内容を期待しましたが、残念ながら数値実験で空洞位置と支持力の関係を整理されただけの内容でした。(先日の「地下水流動解析の高度化」の文献を思い出しました。)

石灰岩が空隙を有することは、地質屋さんにとって常識です。
ボーリング調査をしていると、亀裂の溶食、空洞化、流入土砂の充填などに遭遇します。が、断面図に岩線を入れて設計者に渡した段階で、そのイメージは通常の岩盤と同様に受け取られがちになります。設計者が石灰岩を知らない、現物を見ないといった理由だけでなく、地質屋が空洞の規模や配置を全て図示することができないといったこと(力不足)も一因でしょう。

空洞だけならまだ良いのですが、鍾乳洞の天井が落盤・埋没してしまうと、基岩深度に大きな起伏を生じてしまいます。5m程度離れただけで15m程度の落差を生じているケースもありました。さらに、落盤した岩塊が中途半端に残ったままでは、ボーリング深度を誤る可能性も生じます。
結果、上記の文献にもあるように、(特に若い)石灰岩を支持層としない、といったようなローカルルールが生まれるケースも出て来るのでしょう。

問題のウェイトは、空洞への対処法よりも、その位置・規模をモデル化できないことの方がはるかに大きいと思われます。これらを解決するために電気探査や微重力探査などが実施されているようですが、まだまだ経済的な設計に供する精度には追いついていません。おそらく、将来的にも困難ではないかと考えています。

では解決法はないのか?といいますと、あるでしょう。

地球統計学です。
SISIM と計測結果を使うなど、統計学的手法なら解決できると思います(苦手なので、ボヤッとした書き方ですが)。地質屋さんは敗北を喫したようで嫌がるかもしれませんが、現象を再現できるモデル化は可能かと思われます。
ただ、統計処理できる調査数がないとダメですよね。大きな現場でないと難しいでしょうか(小さな現場でも、数掘ればOKなのですけど)。

ま、機会があれば整理してみましょう。



2017年4月22日土曜日

機器の修理

昨年、McSEIS-SX が壊れました。

OSが立ち上がらず、リインストールも不可。プロンプトもままならない状態でした。HDDを換装すれば直るだろう程度に考えていました。古い機械ですので、一抹の不安はありましたが。

修理に出したところ、「HDD故障、在庫なし、修理不可」で帰ってきました。
SXW があるので弾性波は問題ないのですが、PS検層のソフトがこちらにしかありません。故障中は SXW で波を取って処理をしていたのですが、やや手間です。

昨年倉庫にしまった98の在庫がたくさんありますので、何とかなるでしょう、と分解してみました。が、ダメ。特殊な形状のソケットで接続されていますし、ドライブも特注品のようです。もったいないですが、諦めるしかないようです。部品取りに使えるかもしれませんので、寝かせておきますが。


もう一つ。TV のチューナーが壊れてしまいました。

ネットで調べてみると、この機種の病気みたいなもので、100円程度のトランジスターの交換で直るとのこと(直接の原因は設計仕様にあるため、数年たつとまた同じところが壊れるようです)。
メーカーでは修理不可で新機種との交換になるとのこと。1万円以上かかるそうですので、自分で部品交換することにしました。

2mm×3mmのトランジスターに端子が6本出ています。基盤についている壊れたトランジスターをはがし取り、新しいものを取り付けます。非常に細かい作業になるのですが、取引先の方が精密機器用のコテ等一式を貸してくださり、なんとか作業は完了しました。

電源を入れると、復活!直りました。不細工な出来でしたが、嬉しいですね。


PS、エラスト、湧水圧、BTV、LLT 等の古い機械を、部品交換やメーカー修理で使い続けています。それらの修理は現場でも必要に迫られることがあります。動かない、測定できない、で現場を止めるわけには参りません。そのためには機器修理の知識・経験を身に付けておく必要があります。中には失敗する経験も必要でしょう。
また、予備の部品を準備し、修理道具とともに携帯しておく必要があります。状態が良くない場合には、レンタル品を手配しておき複線化の手も打つ場合もあります。

機器を1部品の故障で捨てるのはもったいないですし、ユーザーの能力不足のようにも思えます。今後、壊れていく機器に対し十分な能力をもって「廃棄」と判断できるよう、ユーザー側も努力しないといけないでしょう。

2017年4月16日日曜日

不明瞭な H/V スペクトル

微動 H/V の結果に引っかかっていました。

なぜ綺麗なピークが出ない個所が多いのか?単純に構造物に近い影響?それ以外の原因は?
なぜ、浅めの結果が出たのか?

日本建築学会「建築基礎構造設計のための地盤評価Q&A」には、下記の様な指摘があります。

微動H/Vから地盤の固有周期を評価できる条件
・地盤が概ね水平構造
・H/Vピークがどの地層を基盤層として反映しているかが既知であること。
・基盤層と堆積層のS波速度コントラストが概ね3倍程度以上。

微動H/Vから工学的基盤の傾斜が分かる条件
・傾斜が概ね10度以下(それ以上になると、ピークが不明瞭となる)

上記を勘案すると、今回の現場でピークが綺麗でなかった理由として、まずは岩盤の傾斜が10度以上で不規則であったことが挙げられるでしょう。ま、それはそれで有益な情報です。

もう一つ。深度が浅めに推定された理由として、岩盤直上の玉石層より上位のピークを反映されている可能性が考えられます。が、玉石層より上だけなら水平構造なので、ピークが明瞭でない事と矛盾します。中途半端に複合するのでしょうか?

PS検層結果から レイリー波基本モードの H/V スペクトルを図化できるようですが、私は知識を有しておらずできません。これができると、後者は解決し、もう一歩前進すると思うのですが。クリアーしなければならない課題です。

さらに、不規則地盤の H/V スペクトルと数値解析の逆解析を用いて、2次元S波速度構造を求められるようです。これができると、前者も解決します。課題ですね。

微動結果から支持層深度や傾斜を求めるためには、このような計算・評価手法を身に付けないとなりません。
方針は見えました。あとは己次第でしょうか。
この分野の基礎力のない私には、遠い道のように見えますが、一歩ずつ進めましょう。


2017年4月12日水曜日

簡易揚水試験

先日実施した簡易揚水試験の結果を整理しています。

簡易揚水試験については林野庁「治山技術基準(地すべり防止編)」に記載があります。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/sekou/kizyun/gijutu_kijun.html

実施上の細かな点は、新潟県の仕様書等に書かれています。

新潟県林業土木業務委託標準仕様書
http://www.pref.niigata.lg.jp/rinsei/1289250084702.html
(簡易揚水試験)
第2152条 簡易揚水試験は設計図書又は監督員の指示により掘進中のボーリング孔を使用して行うものとし、一定のボーリング区間ごとに掘進を止めて測定するものとする。
2 試験層厚(試験区間)は、5m毎に行うことを標準とするが、設計図書又は監督員の指示により5m以下で行うことができるものとする。
3 ケーシングパイプは無水掘で挿入し、孔壁に密着させて上層からの水の流入を防ぐものとする。
4 試験区間を5mで行う場合は水位を孔底から6mに保ち、40分間揚水を継続する。ただし、6m以浅の試験孔又は水位が孔底より5m低い場合はこの限りではない。
5 水位回復測定は、揚水後ただちに開始し、水位回復約10cm毎に所要時間を測定し、80分間継続して測定するものとする。
6 試験区間が8m以浅の場合は、ポンプを使用しそれ以深はベーラを使用する。
7 水位測定は電気的な触針式水位計を使用し、測定間隔が密に測定できるものとする。
8 試験の結果は、水位回復曲線を作成し、各区間の透水係数を求め、地質柱状図に揚水量と透水係数を表示して取りまとめるものとする。
この簡易揚水試験ですが、いくつか問題点も指摘されているようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls2003/42/5/42_5_421/_pdf

式が統一されていないとのことですが、林野の場合は治山技術基準、それ以外で地盤工学会の揚水試験を準用(Jacob式)になるでしょうか?

揚水試験結果の整理ソフトは、現在の支店にはありません。回復だけならEXCELでもできるでしょう、とネットで探してみたのですが、案外ないですね。ま、全国的には流行っていないということなのでしょう。

海外では USGS のサイトに一式揃っていました。さすがです。
https://nevada.usgs.gov/tech/excelforhydrology/listing_and_description.htm

今回はその中から Pumping_Cooper-Jacob_RECOVERY.xls を使用。単位を自由に選択できるところが良いですね。
これで整理すると、OK。
相応のデータが得られました。


2017年4月11日火曜日

溶存ガスを利用する際の採水

地盤工学会の基準書には、溶存ガスを利用する地下水流動調査における採水の留意点も書かれていました。

中でも、温室効果ガスについては「USGS によって詳しく検討されている」とあります。
覗いてみますと、その通りでした。非常に有用な情報が数多く掲載されています。知らなかったことも多くありました。もう、脱帽。
https://water.usgs.gov/lab/
https://water.usgs.gov/lab/sf6/sampling/tips/index.html

  • Label the bottles with the environmental sample collection time and a sequence number on each bottle in the order it was collected, 1-4 for CFCs, 1-2 for SF6. Results from the lab will list each bottle. The lab will offset the sample times by adding the sequence number to the environmental sample time. Record headers will have to be created for each bottle for entry into NWIS. Bottle #2 collected at 1000 will have results with time 1002.
  • Do not fill and cap the SF6 bottles under water. It is important that water NOT enter the area behind the cone seal in the SF6 cap. The area behind the cone seal allows the water to expand as it warms up to room temperature without breaking the bottle.
  • Store and ship the CFC bottles upside down, and ship them weekly to the CFC lab in Reston, VA; holding times for the CFC and gas samples is limited and they need to get into the sample processing queue. Do not store or ship SF6 bottles upside down.

シーケンス番号で時間を補正するほど精度があるとは思えないのですが。ま、これからは書いておきましょう。CFCs は逆さまで、SF6 はダメというのは、どのような理由なのでしょうか?蓋のシールに関係するのでしょうか?

https://water.usgs.gov/lab/chlorofluorocarbons/sampling/bottles/
CFC sampling photos. Note that outer beaker does not have to be glass. Outer beaker can be glass, metal or plastic.
外側の容器は気にしなくても良いとのことですが、ふたを閉める際に汚染されそうです。やはり、念には念を入れたいところです。


溶存希ガスは、扱ったことがありません。サンプラーに関しては、銅管で両端にコックが付いたものを使うようです。先日のサンプラーですね。レギュレーターがなぜついているのか?と思っていたのですが、圧力調整用のようです。完全に、知識不足です。
http://www.panasiatec.com/sample_cylinder.html


まだまだ知らないことだらけ。地下水調査の質を落とさないよう、もっと基礎知識を身に付けないとなりません。

2017年4月10日月曜日

地下水のトリチウム濃度

地盤工学会の基準書を眺めていますと、「第7編 地下水調査」の最後に、「同位体による地下水の流動調査」について記載があることに気づきました。

恥ずかしながら、ここまで読んだのは初めてです。
基準化には至らない、近年の動向についてまとめられているようです。先日利用した温室効果ガスの利用について触れられていますし、δ18Oの解釈例についても掲載されいます。後者のような利用法があるとは知りませんでした。今後の参考にしましょう。

「(3)評価 a)温暖化ガス」の中に以下の文言があります。
特に近年では降水中のトリチウム濃度が低下しており、トリチウムによる定量的な滞留時間の評価が困難となってきているため、トリチウムと同程度の滞留時間を評価できる方法として期待されている。
トリチウムが使えなくなってきていることは、数年前に書き残しています。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/06/dating-of-groundwater.html?m=0

理由として、この文献の図が分かりやすいと思います。
Plummer, L.N., Böhkle, J.K., and Busenberg, Eurybiades, 2003, Approaches for ground-water dating, in Lindsey, B.D., Phillips, S.W., Donnelly, C.A., Speiran, G.K., Plummer, L.N., Böhlke, J.K.,
Focazio, M.J., Burton, W.C., and Busenberg, Eurybiades, Residence times and nitrate transport in ground water discharging to streams in the Chesapeake Bay Watershed: U.S. Geological Survey Water-Resources Investigations Report 03-4035, p. 12-24.
https://water.usgs.gov/lab/chlorofluorocarbons/research/chesapeake/gwdating.pdf

トリチウム濃度については、福島の原発事故でどうなったかな?と気になっていたところですが、調べてみると↓にありました。変化ないですね。
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Top2/849/123/H26nenpou2,0.pdf


トリチウムに替わるのが温室効果ガス。
自然の地下水流動を守るために、ヒトの汚染物質を利用するというのは、なんとも皮肉なものです。

2017年4月9日日曜日

支持層確認のための微動探査

3月の残務も終わり、さあ休もうか!といったところで、お呼びがかかりました。

現場で基礎杭を打っていたところ、予定より深く掘削しても岩盤(支持層)が出てこないとのこと。
事前調査は他社さんですが、すぐに現地を確認し、ボーリングを段取り。この時期で良かった。

で、思いついたのがコチラ↓支持層深度の変化を微動探査で推定するアイデアです。
https://phreeqc.blogspot.jp/2015/12/blog-post.html
(残念ながら?)日曜日の全休日に探査をはめ込むことができてしまったので、実施してきました。

得られたデータはあまり綺麗とは言えませんでしたが、結果は長周期領域と短周期領域に綺麗に分かれました。既設構造物に近いか遠いかで別れているようにも見えますが、基盤深度の反映であれば面白いと思います。
S波速度と1/4波長則で求めた基盤深度は、事前調査で確認されていた深度より浅目になりました。まだまだ考えないといけないところがあるようです。

正解はすぐに得られます。チェック・修正し、次の基礎に備えましょう。
今後、このように困っている方々の役にたつ手法にまでたどり着けると良いですね。


2017年4月8日土曜日

観測孔の作り方

後輩とオペさんが水位観測孔設置のためのボーリング掘削径について話をしていました。

後輩「φ116mm 掘削の仕様となっている」
オペさん「5 インチ掘りになるけど、4 インチではダメ?」

設置時の施工性の観点からは、径の大きな方がありがたい。
一方、掘削の手間・時間・費用を考えるとできるだけ小さくしたい(清水掘り、玉石層、etc.)。
個人的にはφ66 オールコア、4 インチ追い込み、φ86 浚いのパターンが多いと思います。φ66 であれば、孔壁崩壊に対し 3 インチで十分なのですが、周囲の充填が困難になります。お客様の積算上はφ86mm ノンコアとなるでしょう。

管は VP50 相当(ねじ切り)を選択します。VP40 相当としても良いのですが、パージ時の孔内ポンプ等の挿入を考えると 50 相当の方が都合良いと思います。

このあたりの決め事については、地盤工学会基準に示されていません。お客様・技術者の経験則で実施しているところでしょう。

地温調査研究会では、幾つかの知見をマニュアルとして整理されています。全地連さんのHPで公開中です。https://www.zenchiren.or.jp/geocenter/

「地下水調査のための観測孔の仕上げ方マニュアル(案)」 Ver. 2015. 8 月

これによれば、VP50 の場合はφ86mm 掘削 or 4 インチ相当挿入となっています。通常は孔壁崩壊防止のためのケーシングが必須ですので、4 インチ挿入が標準となるのでしょう。

歩掛りも設定されていますが、こちらは感覚的に少し高いように思われます(請求しやすくはなったと思いますが)。冒頭に以下の経験談が書かれていましたが、こちらは極端な例でしょう。
聞くところによると、保孔管にはフィルターを巻いていないようで、保孔管を振るとザラザラと音を立てて地盤を構成している砂が孔内を降下している。
~中略~
どうも、保孔管にフィルターを巻いたり、間詰の材料や、それを投入したりすることに関わる費用をボーリング施工業者に支払っていないため、彼らはボーリングの孔を決められたとおりに掘削すると、80m分保孔管を挿入して引き上げてしまったようだ。 
充填する豆砂利についても少し触れられていますが、こちらはさく井の指針の方が詳しいですね。
充填砂利は均一で丸い(充填時の有効空隙率が高くなる) 洗砂利(6~9 ㎜)や硅砂(0.8~6.0 ㎜)を使用する。また、その粒子径は帯水層を構成する地層の粒子径の 4~5 倍を参考に選定する。
また、以下のような経験談も書かれています。
環境計量士でありながら、地下水採水のための、ボーリングの掘削方法や洗浄方法に関しては殆ど関心を持っていない状態である。採水に関しては神経質すぎるほどの気配りをして行っていたが、そのベースとなるものについては、全くと言っていいほど無関心である。地下水水質試験を行うのであれば、ボーリング掘削方法、使用する掘削流体の成分などに、もっと神経を使うべきではないか?これでいいのか?という疑念を抱かざるを得ない。 
これはどちらも何方かと。
水質や計量に無関心な技術者は、鉛フリーでない材料を使ったり、接着剤を使ってソケット止めにしていたりします。採水方法や前処理を深く検討せず、出てきた electrical balance にも配慮していない結果を見かけることもあります。計量も現場も、精度向上には両方の知識が必要と感じています(自省も込めて)。

地下水調査に関しては先日の様な数値実験も有用ですが、それだけでは精度向上を望めません。まずは基礎知識を身に付け、次にノウハウ・経験則を継承・発展させることが重要だと思われます。



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20170410追記

現場に、3~5インチのケーシングと VP50 の切れ端がありました。
既に5インチが使用されていたため、残っている 3、4 インチで写真を撮りました。

3インチにVP50 (2 インチ)。これでは豆砂利は、途中で詰まります。

4 インチに VP50 。これなら十分入ります。


VP50 は内径 51mm ( 2 インチ)、外径 60mm。φ66 コアチューブと似たような大きさですので、孔壁崩壊防止の観点からは 3インチのケースで問題ありません。が、観測孔設置・豆砂利充填の場合は 4 インチまで拡孔する必要があります。

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20170412追記

5 インチに VP50です。


これだけ大きいと豆砂利充填の面では安心です。が、玉石層では掘削が大変です。


2017年4月7日金曜日

観測孔と採水

穏やかな天気の下、採水に行って来ました。

観測孔において、パージ&採水を実施できるように入念に計画したのですが、いきなり失敗。どの観測孔も透水性が低く、すぐに水位が下がってしまいパージになりません。aquifer materials が粘性土や軟岩主体でしたので妥当な結果ではあるのですが、掘っていた時は、もう少し回復の速い孔があるように感じていました。感覚は時間に弱いですね。

採水はあきらめ、孔間応答確認、簡易揚水試験(といっても揚水継続は短時間)のみに切り替え。こちらは綺麗なデータが取れました。準備しておいてよかった。

翌日、採水の仕切り直し。採水の際に大気に触れさせないようにするのが比較的容易な位置のみを選択し、実施。最初はやや時間がかかりましたが、最終的には計画通り問題なく終わりました。


観測孔からの年代測定用の採水は、次の機会に持ち越し。早くリベンジしたいと思います。


2017年4月1日土曜日

VR ヘッドセットの利用

昨日、納品・検査がすべて終わり、仲間内でお疲れ様会。

その前に電気屋さんに寄って VR ゴーグルを試着。千円~1万円までの4種です。

老眼が入っているためか、レンズからスマホまでの距離のやや遠い物が良好に見えました。
千円くらいの cardboard では、距離が近く大きく見えるのですが、やや焦点を合わせるのが困難。調整もできません。若い方なら問題ないのでしょうか?

コンテンツは自作とBIMサンプル。
自作は先の例に従い Infraworks から Navis 経由でパノラマ化していました。それを iPhone に表示して装着です。

結果は歴然。建築の方が作り込まれている分、3Dやゴーグルの効果が出ます。
土木は大味。構造物自体が建築ほど複雑でないこと、山林の木々を1本づつモデル化していないなど作り込み程度が建築に比べて低いということ等が原因でしょう。Infraworks 自体が、3ds max のような精巧なモデルを作ることができないソフトですので、その影響も出ていると思います。

2次会で、PlayStation VR のある店に行こうとしましたが、既に閉店直前でダメでした。PS VR は人気で品薄になっているようですね。Resident Evil 7、やってみたかったです。


今日、建通新聞をみていたところ、以下の記事が目に留まりました。
https://www.kensetsunews.com/archives/39836
西武建設と岩崎は共同で、VR(仮想現実)技術を活用した安全教育システムを開発した。ヘッドマウントディスプレーを装着するとVR空間上でクレーン災害や重機との接触災害などをリアルに体感でき、現場に潜む危険への気づきを得られる。体験を基に災害原因や対策を議論することで、安全意識の向上につなげるのが狙いだ。今後は、さまざまな職種から意見を抽出して改良を重ね、9月をめどに西武建設の実現場への適用を目指す。
こういった使い道は、まさに王道。ゲームに近い操作が必要なものほど、効果を得られるでしょう。が、FPS や PS VR を使う世代に利用させるとなると、少し躊躇しますね。先の Infraworks のモデルなど、目も当てられないと思います(見回すだけで動けませんので)。

遅れていることを認識しながら、得られる効果と作り込むバランスを考える必要があるでしょう。広範な範囲を詳細にモデル化するのは割に合いません。そこはAR の出番でしょう。地上レーザーによる、XYZRGB データの加工でも良いと思います。
VR の利用に限ったことではないですが、立ち位置を見失わないよう配慮しながら進める必要があると思います。


2017年3月28日火曜日

観測孔の遮水

以下の文献を読んでいました。

白石「地下水調査と地下水流動解析の高度化に関する研究」

簡単な数値実験をもとに、水位観測データの解釈をされています。
特に興味を惹かれる内容はなかったのですが、1箇所だけ脅された文章がありました。

「5.1.1 地下水位観測の高度化」にて、単孔式の地下水位観測孔の注意点が示されています。その中で、背面遮水は「全層遮水が望ましい」とあります。塩ビと孔壁間の遮水を全区間行った方が水位への影響が少ないといった内容です。根拠は 5m 程度の観測孔をモデル化した数値実験でした。

最初は驚きましたね。今まで気付かないうちに失敗していたのかな、と。

よく読むと、遮水部の長さに偏りがあります。計算ケースは0.1、0.6、1.1、4.9m の4種。で、1.1mでは10cm以上の水頭差があるので、全区間遮水(4.9m)がお勧めという結果。なぜ、1.5、 2.0、2..5 と続けて刻まないのでしょうか?
しかも、水頭は地表以上になっています。つまり、ストレーナー上部で遮水をいくらしようが、地表付近を遮水しない限り観測値に影響が出るモデルなのでしょう。自噴する井戸の遮水を考える場合にどうするか、ということを前提とされていたのかもしれません。脅かされました。

地盤工学会の基準では遮水区間 50cm 以上です。個人的には施工時の安全率をかけて 1~2m 程度設けています。ま、先の結果を見る限り、1~2mで十分なように思えます。

砂利やペレットを現場で綺麗に充填するのは、結構難しい作業です。そのあたりの検討や経験・ノウハウの公開の方が、地下水調査の高度化に直結すると考えます。
単純な解析も必要ですが、それだけでは高度化は望めないでしょう。


2017年3月27日月曜日

VR / AR

後輩より相談

「VR ヘッドセットを購入するが、何か使い道ありませんか?」

後輩はシミュレーション結果を表示するために、展示会などでヘッドセットを使っています。コンテンツが大がかりですので1式レンタルしていたのですが、そろそろ購入するとのこと。ただ、用途がそれだけだともったいないので、他に何か使い道はないか?という意図でした。

ないですね。
今まで、住民説明用に Infraworks でモデルを作成したことがあります。思いつくのは、これをVRデータとして取り込む程度です。が、これは本来は設計者のプレゼンの場でしょうし、3次元設計が前提です。音も不要です。

後輩が言うには、Navis からでも VRデータを吐き出せるとのこと。
具体的には以下のリンクにあるように、データをクラウドでレンダリングしてパノラマ表示にしているだけのようです。FBX 経由で Infraworks のデータも、対応可能となっています。Navis 系のテクスチャ―ですので、3ds Max 経由だと飛んでしまうでしょうね。
残念ながら定点のみで、BIMx のようなウォークスルーはできません。やはり、BIM は CIM より一歩進んでいます。

私の仕事以外では、重機の遠隔操作に利用できそうです。無人重機の操作において、備え付けられたカメラを見るより、ヘッドセットの方が見たい方向をすぐに見ることが可能ですし、音も聞けて操作しやすいと思います(30分ほどで酔うかもしれませんが)。私が知らないだけで、既に開発済みかもしれません(と思って調べてみますと、ありました)。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11989150S7A120C1TJM000/
基本、ゲームが出発点ですので、こういった利用法であれば現段階でもいくつかあるでしょう。そういえば、塗装の訓練に利用しているニュースも見たことがありますね。

将来的には VR でなく、CAD 段階の計画構造物を AR データとして利用することが主流になるでしょう。現位置にデータを綺麗にはめ込むにはコツが必要でしょうが、 それも GPS とマーカーの併用、アルゴリズムの改善等で解決されると思います。

ま、3次元設計、測量、調査が先ですね。VR へ流用する技術や環境は既に整っていますが、業界のヒトにとっては、まだまだ遠いかもしれません。


2017年3月26日日曜日

コールドロンと火砕岩岩脈

後輩から「岩石名が分からない」と、写真が送られてきました。

コアの数10cm区間が、破砕状になっています。その部分の名前が分からないとのことでした。
固結した破砕部ですので、岩石名を付ける必要はないとは思いましたが、成因を知りたい=岩石名が決まるということのようです。
よく見ると、破砕岩中に異質の岩石が取り込まれていました。破砕岩の周りは結晶片岩なのですが、破砕岩中には深成岩片が取り込まれています。
1.ゼノリスのように深部の母岩が取り込まれた岩脈か、2.上部の礫が落ち込んだ割れ目区間かしか思いつかなかったのですが、周辺の地質を知りませんので判断できませんでした。

コアが分析者の手元に送られてきました。それを見た限り、特に上記のどちらかで問題はないようでした。が、新人さん曰く「タフダイクではないか?」と。
タフダイクってなんだ?と思って聞いてみますと、コールドロンの形成にかかわる文献によく出てくる名称とのこと。
調べてみますと、違うようでした。液状化のサンドパイプのような成因に対しタフダイクという言葉が使われています。コールドロンでは「火砕岩岩脈」「貫入性角礫岩」でした。これらを言いたかったのでしょう。

と言っても、火砕岩岩脈という言葉にも違和感があります。火砕岩は地表での堆積起源であり、深部から圧入した「岩脈」とは成因が異なるイメージを持っています。
コールドロンの文献では、火山活動に伴う流動物質で母岩片を取り込むものや、火砕物を供給する火道跡にて固結した岩石(およびその後のドレインバックによる圧縮・溶結、せん断)などといった成因を指して命名しているようです。火道に火砕物を供給する、という表現にも引っかかりますが、ま、現物を見ないと何とも言えません(見ても納得できないかもしれませんが)。

コールドロンについては、近年、複数個所でその可能性が示されているようです。それらの文献を読み進めながら火山岩の分布域を見てみると、コールドロンのない地質図の方に疑問が生じると思います。今後、コールドロンといった現象を重力探査で裏付けされたものが広域の地質図に反映されだすと、それに伴う地質(特に岩脈や破砕部)の成因について考慮する要因が増えることになるでしょう。土木上も、その成因がトンネルなどの計画に影響するのかどうかを見極める必要が出てきます。
広域の特徴を押さえた上で、ローカルの議論を進める視点がより重要になるということです。


2017年3月16日木曜日

油圧ショベルで試料採取

今日は同僚の現場で CBR 試料採取のお手伝い。

ミニユンボを積んで回送し、現場で降ろして掘削です。

油圧ショベルを扱うのは2年ぶりでした。特別教育以来のペーパードライバーです。その分、作業は身の丈に合うよう慎重に、安全に。

自分で掘ってみると、土質の変化や硬軟、水の付き具合の変わり目がよくわかります。それが面白く、また全く体力を使わないこともあり、集中して掘っていたように思います。ボーリングのオペさんもそのような感じなのかもしれません。

掘るのは楽しいのですが、段差にブリッジをかけて降りるのが怖かったですね。「慣れ」と言われますが、2年に1回では慣れません。気疲れしました。重機オペさん尊敬です。

今日の作業は順調にいき、3箇所の試料採取が終わりました。配合試験をするため1箇所につき10袋ほど取りました。約800kgです。掘るのは楽だったのですが、この積み下ろしで腰に来ました。

明日は残り2箇所。
事故を起こさないように、慎重に作業しましょう。

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20170318追記

何度かブリッジで乗り降りし、コツがつかめた頃に作業終了。次に使う頃には、また振り出しに戻りそうです。

2017年3月15日水曜日

採水

ひと段落したら、地下水の年代測定をおこなうため、採水に出かけようと考えています。

結果の整理や、それを使った検討を行ったことはありますが、年代測定用の採水に出かけるのは初めてです(所謂、使えないヤツです)。

今回は溶存ガスを測定したいので、採水の際に大気に触れさせることができません。どうやって採ろうかと悩んでいます。
いえ、湧水なら容易なのですが、ボーリング孔の深い位置からの採水が悩み処です。孔内ポンプは羽の部分でエアをかむのでダメ。ベーラーでもプロなりの工夫はあるようですが、幾つかのステップを要するため一人での実施は困難。
他支店の経験者に聞いて見ましたが、「ボーリング孔からの採水は難しいので計画しない」と言われていました。

で、ネットを見ていると、このような文献が。
https://www.researchgate.net/publication/277573322_Groundwater_Ages_of_Confined_Aquifer_in_Mishima_Lava_Flow_Shizuoka
止水弁(ベーラーの玉?)が上下に2個ついて、その間にコックが2個ついているタイプの様ですね。見た目はこのような形でしょうか?
http://www.panasiatec.com/sample_cylinder.html
なかなか良いアイデアで欲しくなるのですが、採水箇所分のサンプラーを準備する必要があります。また、オールサスで申し分ないのですが、その分お高いでしょうから数をそろえるのは現実的ではなさそうです。

で、思い出したのがコチラ↓
https://youtu.be/pd-wG0ej5b0
後輩が買ってすぐに他支店に貸して、そのままでした。ゆっくり上下させれば気泡の心配はないでしょう。これだと一人で採水できます(何かしら、人力以外の動力を組み込めないでしょうか?)。

採水ひとつでも、わからないことや教わらないとできないことがあるようです。この歳ですが、まだまだ経験させてもらいましょう。


2017年3月13日月曜日

岩石薄片図鑑

本屋さんで綺麗な図書を見かけました。

青木正博「岩石薄片図鑑」

薄片写真が大きく掲載された図書です。見開きで掲載されているものもありました。図鑑というほど多くの種類は載っていませんが、蛇紋岩化初期の橄欖岩や(一般的な)スカルン鉱物が載っていて興味をひかれました。

デジカメのマクロ機能で撮れるのだそうです。カメラには詳しくないので説明を眺めても、どうやって撮っているのかわからなかったのですが、その手法で移された大きな写真に魅入ってました。先日の顕微鏡写真も驚きましたが、偏光顕微鏡写真を対物レンズなし?で撮れるのにも驚かされます。低倍率ですが広範囲の写真が撮れるため、非常に見やすくインパクトがあります。

購入しましょう、と思ってしばらくの間手に持っていたのですが、そういえば「薄片でよくわかる 岩石図鑑」も買ってなかった、あれも買ってなかった、これも、と思い初め、最終的には中断していた「Fault-Related Rocks」を読み切ってからにしましょう、と思い直し書棚へ戻しました。

読まないといけない文献もたまり始めています。
早く読まなくては。


2017年3月11日土曜日

重心深度と見かけ比抵抗

表皮深さの1/2を空中電磁探査の深度として利用している文献がありました。

長谷川ほか「ヘリコプターを用いた空中物理探査データの再解析」
http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/search/servlet/search?5042189

ここからたどり着いたのが、こちら。
B. Siemon (2001) Improved and new resistivity-depth profiles for helicopter electromagnetic data
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0926985100000409

あるモデルでは表皮深さの1/2を深度として利用する手法がよくあいました、といったような内容です(あわないモデルもあるようです)。あう、あわないといっても、机上の話です。現地で確認しました、電気検層と対比しました、といったような内容ではなく、説得力を得られません。
1/2の理由はさらに先があり、その文献を取り寄せても、さらにまだ先がありました。ただ、この文献ではあわせこみパラメータとも取れる内容でしたので、深追いはしていません。


空中電磁探査での見かけ比抵抗等の求め方を詳しく知らなかったのですが、複数の方法があるようです。そのうち、表皮深さを用いた方法は Siemon による以下の2通りがメジャーなようでした。それ以外にも、√2で割る方法がありました。

1-1. R,Q→Da→da→Zsim

A = √(R^2+Q^2)
γ = s/h
A'^(1/3)=A^(1/3)/γ
Da = s(A'/A)^(1/3)
Zsim = da + p/2

s: sensor horizontal distance
h: sensor height
p: skin depth

1-2. h,p→ρsim


2-1. calculating phase ratioε

ε=|Q/R|

R (real) ppm
Q (quadrant) ppm

2-2. log(ε)→log(A'^(1/3))→Da→da→Zsim

2-3. log(ε)→log(δ)→ρsim


R,Q,h を 測定し、ρsim と Zsim を求める際に p (と係数)をパラメータとして導入しているように見えます。たとえ1/2や表皮深さの導入に理論的背景があったとしても、測定対象と整合しなければ他の方法を選択できるというのは、理論がまだ確立されていない、推定するのは難しいということなのでしょう。
それに、以前にも書き残していますが、実際に磁場が到達しているのかどうかは確認しないとわかりません。また、1つ目の文献のように、得られた信号がノイズレベル以下になっていないかどうかもチェックが必要でしょう。
そうなると、現段階では電気検層など他の手法と空中電磁探査結果の対比、その補正が必須となります(物理探査ですので、当然なのですが)。見た目の綺麗な断面図に惑わされがちですが、別の物性値と対比がなされているか、推定式の妥当性は確認されているか?といったステップを踏まないといけないのでしょう。


2017年3月8日水曜日

DualSPHysics future

今後のリリース予定がマニュアルに書かれていました。
16. DualSPHysics future
An update to DualSPHysics will be released as v4.2. The updates planned for this release include:
 [Adami et al., 2012] boundary condition
 Local Uniform Stencil (LUST) boundary conditions [Fourtakas et al., 2014].
 MultiGPU with OpenMP.
The new version DualSPHysics v5.0 that will be released in the future will include:
 Multi-GPU implementation [Dominguez et al., 2013b].
 Variable particle resolution [Vacondio et al., 2013; 2015].
 Multiphase (air-water) [Mokos et al., 2015].
Other features that are planned to be integrated into the DualSPHysics solver that are now under development:
 Wave absorption system [Altomare et al., 2015a].
 Incompressible SPH (ISPH)
 Inlet/outlet flow conditions.
 Coupling with SWASH Wave Propagation Model [Altomare et al., 2015b].
 Moorings [Barreiro, 2015].
 Coupling with MoorDyn library (http://www.matt-hall.ca/software/moordyn/).
 Coupling with Chrono-Engine library (http://chronoengine.info/chronoengine/).

流入境界については、まだ先の話のようです。残念。
ネット情報では Blender での可視化プラグインも開発中とのことでしたが、ここには載っていません。これは早く欲しいですね。

DualSPHysics、流体に関しては威力を発揮するソフトだという印象を持ちました(土砂を扱えなかったのはとても残念ですが)。
メッシュレスのため、計算に取り掛かるまでの時間が FEM 等に比べ圧倒的に短いというのは、粒子法の利点でしょう。メッシュを切るのに時間をかけるのがもったいなく感じます。

まだまだ実務で使うには足りないところもありますが、継続して開発が進められていますので、今後に期待しましょう。

2017年3月7日火曜日

堰堤が受ける力(DualSPHysics Ver.4.0)

砂防えん堤のCADデータ取り込みは問題なし。

えん堤上流側に圧力の観測点を鉛直方向に8つ配置。
それとは別に、鉛直壁面を別途作成し、そこにかかる力の合計を得ることにしました。
ポイントの座標を記載したファイルを用意し、バッチファイルを編集して、計算!

流速と流体力に関しては問題なく抜き出せました。
観測点での圧力は、XYZ成分への分け方がわかりませんでした。forum を見る限り、方向(プラスマイナス)を加味して抜けるようですが、説明書には書かれていません。

えん堤にかかる流体力の合計は以下の通り。


Z方向がマイナスなのは、土砂が流下して下向きの力がかかっているからでしょうか?観測点から抜いた流速のz成分は全てプラス方向なので矛盾しているように見えます。
流速がマイナス方向なのは、X成分のみでしたが、力の合計はX成分がプラス。Y成分は両方プラス。観測点が少ないのが原因でしょうか?よくわかりません。


観測点にかかる圧力です。おおきな値です(入力単位を間違えたかな?と確認しましたが、あっていました)。
最初、堰堤にぶつかり圧力が上昇し、越流しながらやや降下しているように見えます。
一番下の観測点はほぼ0。これは、地表に近すぎたのが原因です。地表からも1.5h 離さないダメでした。2つ目も、影響を受けているようです。
最初、マイナス値は引張り方向かと思いましたが、よく考えてみると軸の負の方向をあらわしているだけでしょう。←これは違うようです。

そもそも、内部の応力なんて取り扱っていないと思われます。あくまで得られるのは、堰堤にとって外力(静水圧、流体力、衝撃力)のみです。堰堤内部の応力を見たいのであれば、別途、弾塑性を扱えるソフトで、この結果を時刻歴として入力し、計算するしかないでしょう(ここまで来てようやく気が付きました)。それには、この部分だけ解像度を上げて計算したいですが、粒子間隔は部分的に変更できません。部分的に切り出して粒子間隔を小さくして計算するにしても、境界条件が対応できません。あくまで流体の挙動を見るソフトですので、この辺は適用外と考えましょう。

深層崩壊を題材にし、そのモデル化と力・圧力・流速を抜く、といった一通りの手順を確認しました。残念ながら、圧力等の解釈、特にプラス・マイナスについて、まだ理解ができていません(ポスト処理に関するツールにも、解説を付けて欲しいところです)。
dynamic boundary 特有の性質も理解を妨げている一因でしょう。この辺は次期リリースで新しい境界条件を導入するとアナウンスが出ていますので、もう少し簡単になればありがたいです。

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20170308追記

流速と圧力について、2次元モデルでチェックしてみました。

導水管を配置し、管の中で上昇流しか起こらない個所を作成。ついでに、噴水のように噴出した水流が池の中に落ちてたまる箇所を作成。その2箇所に観測点を配置し、水圧と流速をはかりました。

まずは管内の上昇流。これは2次元ですので流速のY成分は0。X方向もほぼ0。Z方向はプラス。OKです。圧力はZ方向で波打つように変化し、時々マイナスになっていました。水中でマイナスになる理由が分かりません。壁が近すぎるのでしょうか?

たまった水の中に落ちてくる方は、流速のZ成分がマイナス。これはOKです。
一方、圧力はプラス。これは水圧がかかっていますのでプラスで問題ないでしょう。観測点に関しては、流れの方向は関係ないと思われます。



2017年3月5日日曜日

CADデータの取り込み(DualSPHysics Ver.4.0)

CADで作成した地形の取り込みは、あっさりクリアーできました。

XMLファイルに関する説明書を読むと、以下の流れが記されていました(以前のVer.にも添付されていたのですが、見落としていました)。

1. STL、VTK ファイル等の閉じた形状を boundary、fluid として読み込む。
2. fluid の中の座標を1点指定。
3. 粒子を発生させる範囲(BOXの基点座標と、大きさ)を設定。

基本はこれだけ。3の範囲を fluidの範囲 よりも大きくしておくと、その中が粒子で満たされます。
これで3次元の計算準備が整うのですから、メッシュレスの威力、半端ないです。


今回の題材は、以前、土砂移動シミュで作成していた深層崩壊。
範囲は3km2。
地形とその上に分布する土砂の2つのソリッドを Civil3D から書き出し、2つのSTLファイルを作成します。それらを input ファイルで boundary、fluid として指定するだけで読み込むことができました。

少し引っかかったのが、マイナス座標を扱えなかった点。マイナスの付いた公共座標のまま書き出すと、fluid、boundary が自動で (X,Y) = (0,0) を原点として持つように移動されます(当たり前なのかもしれませんが、知りませんでした)。複数の構造物は、それぞれ原点に移動されますので相対位置がズレます。
これについては、モデル全体の基点をプラス領域に移動してから、各々をSTL 書き出しすれば、OKです。

で、計算実行!

粒子が1億個以上発生し、GPUのメモリーオーバー!

ま、予想されていたことです。

GeForce GTX480 だったのですが、GTX660 を SLI で2基連結したマシンではどうか?と思い試してみました。が、なぜかこちらもシングルでしか動かず、メモリーオーバー。

で、粒子間隔を変更しつつ、動作するレベルを探っていきました。
結果、数百万粒子までは計算できそうです。粒子間隔が2mだと、GTX480 で3日となりました(なぜか、GTX660では4日。クロックでしょうか?)。

テストケースとして粒子間隔 4mで実施。これだと 87万粒子(実際に動く粒子は17万個)、120秒間の計算で約5時間程度。

結果を確認すると、おかしな動きをしています。発散したようです。


今度は粘性を上げて計算してみました。

OK。うまくいきました。
と言っても、斜面の上から水を流すように流れるだけで、土砂の動きではありません(この点は、Multi-Phase で承知しています)。
粒子の動きが落ち着くと、天然ダムを形成せず、谷を長く埋める湖の様なフラットな形状ができあがりました。粘性をさらに上げると、それらしい形状になりましたが、おそらく時間の問題でしょう。流体ですね。ま、現段階では仕方ないと思います。
また、これだけ間隔をあけても良いのか?と疑問でしたが、問題ないようです。ま、見た目違和感ない粒子配置でした。


とりあえず、CADデータの取り込みや粒子配置は容易、ということが分かりました。
今度は砂防ダムを作って、それにかかる圧力を見てみましょう。


2017年3月4日土曜日

Dam Break (DualSPHysics Ver.4.0) その2

圧力の抜き出し方に関しては、説明書に記載されていました。

面白いことに、壁面での計測はダメで、スムージング長の1.5倍の位置で計測するのがお奨めとのこと。dynamic boundaryを使っているから、という理由らしいのですが、これ、理解していませんでした。

あらためて説明書の dynamic boundary の箇所を読み直すと、以下のように書かれています。
When a fluid particle approaches a boundary and the distance between its particles and the fluid particle becomes smaller than twice the smoothing length (h), the density of the affected boundary particles increases, resulting in a pressure increase. In turn this results in a repulsive force being exerted on the fluid particle due to the pressure term in the momentum equation.
壁面からスムージング長の2倍以内に流体粒子が入ってくると、壁面の(粒子?)密度を増加させ反発力をもって対抗する、壁面位置では応力が±0となり、壁面粒子の位置は動かない、という造りのようです。そうすると、壁面での圧力の抜き出しを避けなければならないというのは納得です。
等値面を表示させた際に、壁面近傍で液面が窪んだ形状になるのが気になっていたのですが、これもこの境界条件によるものなのでしょう(FAQにギャップの話が出ていますが、この現象のことかと思われます)。

検算してみますと、サンプルファイルのスムージング長hは
h=cofh√3×dp
 =1×√3×0.085
 ≒0.01472

壁が x=0.9 の位置でセットされていますので、
0.9-1.5×0.01472=0.87792

X=0.8779 の位置に観測点を置けば OK ということです。あっていますね。

結果も説明書通りに抜き出せました。kgで入力しているのに、Paで書き出されるのは、書き出し時に変換しているのでしょうか?入力単位が分かりにくいですね、このソフト。

input ファイル内で、壁面のみ別の marker value  (mk 番号)を持たせて作っておけば、その値を指定するだけで壁面にかかる力を合計してcsv にしてくれます(1.5hを考慮してくれているのでしょうか?)正しく抜けているとすれば、上記の機能とあわせ、実務で大いに使えると思います。


とりあえず、粘性の入れ方による安定性の違い、圧力の抜き出し方法については理解できたように思います。



2017年3月3日金曜日

Dam Break (DualSPHysics Ver.4.0)

次に手を付けたのは、よくあるダムブレイク問題。

偶然、同じモデルを FEM で解いていたツワモノがいました。どうやって解いているのか、最初は全く想像がつかなかったのですが、話を聞くうちに見えてきました。凄いですね。

同モデルの実験値が載っている文献を頂いたのですが、著者はSPHysics 関連の文献を発表されていた方でした。狭いもので、戻ってきました。

サンプルケースは問題なく動きました。



結果を動画にして FEM の方と2人で見ていたのですが、2人とも同じ感想。

「ネバい」

1.5秒ほどでほぼ動きが止まります。粘性が強すぎるのでしょう。

inputを見てみますと、人工粘性が選択されていました。
これを水の動粘性係数になるよう変更し、再計算!

結果は全くダメ。
発散し、全粒子が空中に飛散します。これはSPH特有の問題なのか、粒子法共通なのか、それともアルゴリズムに依存するのか?わかりません。容易には受け入れ難い結果です。人工粘性の方が安定する、柱にかかる圧力を実験値と一致させやすい、などの理由でこのセッティングなのかもしれません。

続きます。


2017年3月2日木曜日

DualSPHysics Multi-Phase その2

手始めに、2次元でモデル化。

題材は越流破堤だったのですが、inputファイルを作成中に、以下の制限に気づきました。
  • 水位固定や、定流量の様な境界条件を設けることができません。
    今回は横にタンクを付けて代替えとしておきましょう。
  • 現段階で2相以上の取り扱いはできないようです。それは良いのですが、基礎地盤と堤体の構成材料を区分した場合に3相と認識されるようでエラーがかかります。
    仕方ないので土は1層にしました。
いきなりですが、これら2点で実務への適用性はグッと低くなってしまいました。
ま、何ができるかの確認も必要ですので、先へ進めることに。

土砂のパラメーターを c=100kN/m2、φ=30°、γ=18kN/m3 とし、Drucker-Prager の破壊基準で input ファイルを作成し実行!

結果はダメ。
堤防が流体のように自重でグニャっと変形してします。そういえば、内部消費などは構成式に含まれていませんでした。粘性を高めることで対応する考え方でしょうか?その点、同じNS方程式を出発点とした LSFLOW はよく考えられていると気付かされます。
そもそも、自立する材料としての視点ではなく、土粒子としての視点で N-S方程式を適用しているのでしょうから、LSFLOW のように式を加工しないとうまく再現できないのでしょう。河床変動の様なモデルに最適なのかもしれません。

文献値に示されている通りに土砂の粘性を高めてみてもダメでした。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0309170816300926
The fluid dynamic viscosity was 0.001Pa. s and sediment viscosity was set to 150Pa. s with the HBP m and n parameter set to 100 and 1.8 respectively. The value for the exponential growth m parameter value was chosen to approximate a Bingham model as closely as possible with a minimal pseudo-Newtonian region and the power-law exponent n to resemble shear thinning materials as shown in Fig. 3.3. Finally a small amount of cohesion was given to the sediment phase of c = 100 Pa to stabilise the interface and control the scouring near the dam gate. 
この粘性も、dynamic で入力するのか kinematic なのかは示されていません(通常版では kinematic と示されています)。さらに水の重量が kg で入力されていますので、c も kg/m2 で入力すべきなのでしょう。が、そのあたりも書かれていません。コメントや説明書に単位ぐらい示しておいて欲しいものです(私が見つけていないだけかもしれませんが)。


今度は D-P の破壊基準を使用せず、一定値で降伏するような設定にしてみました。これ、先日の文献にも使われていた手法のようですが、それっぽくはなります。が、越流前に水圧で堤体全体が若干変形してしまうのは避けられません。壊れるまでは不透水ということ、流体ベースということが効いているように思えます。また、越流直後、堤内側の斜面を削剥しながら流下する結果もイマイチ。岡山大学の文献では、堤内側にも越流した水もモデル化して計算されていましたが、こういった現象を防ぐコツなのでしょうか?




水頭差を小さくしたり、人工粘性でなく水の動粘性係数を入力したりしましたが、結局、納得のいく結果は得られませんでした。


Multi-Phase Ver.3.4β の結果を整理すると、以下の通り。

・境界条件の設定が困難。
・土砂を1層しか取り扱えない(区分できない)。
・パラメーターの単位について不明な点が残る。
・現行の支配方程式では、堤体の様な自立する土構造物をc・φで特徴付けることは困難。

最後の点は、今後、ソースが公開された時点で LSFLOW に似せれば解決するでしょう。

とりあえず、その能力は掴めました。


2017年3月1日水曜日

DualSPHysics Multi-Phase

Multi-Phase 関連で示されている文献はコチラ↓ 浸透力については以下の通り。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0309170816300926
For simplicity, it is assumed that the water does not flow in the un-yielded region and seepage only acts at the interface of the un-yielded –yielded regions and the interface (see Fig. 3.1 ). Also, the soil mixture is assumed to be isotropic and fully saturated under drained conditions. Although the assumption that water does not flow in the un-yielded region is not strictly correct for the accurate representation of the seepage forces in the soil body, Darcy law forces are approximated in the on the yield surface which is our point of interest with this article. Other SPH practitioners ( Bui et al., 2007, Sakai et al., 2009 ) modelled seepage forces using Darcy law, by using a two SPH particles layers approach to superposition the liquid and soil layer. Unfortunately, this technique tends to be cumbersome and memory intensive. GPUs are memory restricted and such a 3-D model would not be feasible with the current tech- nology.
浸透力の取り扱いは境界面のみといった簡素化をされているようです。粒子法での間隙水のモデル化は負荷が大きすぎてダメ、というのは理解できます。モデル化も現段階では難しいでしょうね。
これだと越流浸食は計算できるかもしれませんが、パイピング破壊の計算はできません。ま、こちらは現行通りFEMで十分でしょうか。
https://www.kkr.mlit.go.jp/inagawa/safe/prevention/pdf/dike_mechanism.pdf

粒子法による越流浸食の簡単なモデル化について調べてみると、他にもありますね。
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press28/press-161216-9-1.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsidre/84/1/84_I_31/_pdf
http://committees.jsce.or.jp/seibu_s01/system/files/0424tousaka.pdf

個人的には、ある閾値をもって破壊とみなすといった3つ目の文献は、分かりやすいと思います。が、土質であれば、拘束圧に依存した破壊基準を導入している方がしっくりきます。この点に関しては、計算する技術者が土質ベースか、流体ベースかで異なってくるかもしれません。

天然ダムの破堤のように、越流浸食が問題となる現象では、その視点で利用できるかもしれません。
早速、試してみましょう。

2017年2月28日火曜日

DualSPHysics Ver.4.0

以前、試したことのある DualSPHysics を確認。

Ver. が上がっています。現在は Ver.4.。機能の内、以下の内容が目に留まりました。
http://www.dual.sphysics.org/index.php/news/
 • Coupled SPH & DEM.
The Discrete Element Method (DEM) allows for the computation of rigid particle dynamics, by considering contact laws to account for interaction forces. The coupled numerical solution, based on SPH and DEM discretisations, resolves solid-solid and solid-fluid interactions in broad range of scales [Canelas et al., 2016]. The source files of DEM implementation are released in version 4.0. Examples: CaseBowling and CaseSolids.
 • Multi-Phase soil-water.
The DualSPHysics code has been validated for multi-phase simulations involving water and sediment for fully saturated flows [Fourtakas and Rogers, 2016]. This has been released in v4.0 as executables with the source code to following v4.2. Example: CaseTwoPhases.
確認してみますと、VTK ファイルを読み込むサンプルファイルがついていました。以前は、地形などを読み込む方法が分からなかったのですが、参考になりそうです。
https://phreeqc.blogspot.jp/2014/02/dual-sphysics.html

で、早速動かしてみました。

が、動きません。GPU のエラーが出ます。最新のドライバーにしてみましたが、ダメ。
他のサンプルファイルは GPUに載せても動きますが、これだけはダメ。残念。
サンプルファイルを読み込んだ段階で書き出される、粒子配置を記載した VTK ファイルを ParaView で確認してみますと、おお、しっかり粒子が配置されて計算できる状態にはなっています。
HP には表流水の流下の様子がUPされていますので、地形の取り込みも可能なのでしょう。まずは簡単な形状の取り込みから始める必要がありそうです。



Coupled SPH & DEM のサンプルファイルは CPU でも GPU でも計算できました。剛体を SPH で計算するのか DEMで計算するのか選択できるようです。同じ質点系であれば、容易かもしれませんが、そこはどのようなアルゴなのか理解できていません。後ほど、ですね(使うことがないかもしれませんが)。
計算自体は GPU を使っても思ったほど早くなりませんでした。結果は以下の通り。Blender でのレンダリングについては、まったくやり方が分かりませんが、プロに聞いてみれば大丈夫でしょう。同様のシミュレーションで、ブロックにかかる圧力を抜いている文献がありますので、まずはそちらを理解したいですね。


video


もう一つ。
Multi-Phase のサンプルファイルの中を見てみますと、土砂のcφを取り込んでいました。破壊基準は Drucker-Pruger (円錐)を選択できるようです。
流体の種類をいくつか選択できるようですが、理解できていません。以前、ビンガム流体としてτを導入している文献を見たことがありますが、同じような組み込み方なのでしょうか。わかりません。
土砂の単体は飽和での値を入力するようです。これだと間隙水の考慮ができないなあ、と思っていましたが、よく考えると FEM と同様ですので連成させないとダメですね。このあたりは文献に詳述されているようです。土砂の取り扱いに関しては LSFLOW の様な支配方程式を組み込むことも考えていましたが、これ、使えるでしょうか?
現在のところ Ver. Multiphase_3.4β ということで、説明書は添付されていません。今後のリリースで理論や計算式、解説などが公開されるかもしれません。期待しましょう。


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20170302追記
レンダリングについてプロと話をしました。
回答としては、何らかのスクリプトを組まないと大変、とのこと。
手順の公開に期待しましょう。


2017年2月26日日曜日

SPH粒子法の基礎と応用講座

粒子法について復習していました。

先日、SPH研究所「SPH粒子法の基礎と応用講座」全3冊を購入しました。
時間のある時に読み進めていたのですが、これ、読みにくいと思います。

まず、誤記が多く、正誤表もわかりにくいという点。正誤表は1冊目のみで、2冊目、3冊目はついていません(問い合わせても回答なしでした)。1冊目も2章は誤記が多いので総入れ替えということで、プリントアウトした紙がホチキス留めでついていました。
誤記が多いと、理解できない数式を信用してよいのか迷ってしまいます。

exe とソースもついていたのですが、内容が異なるようです。実行形式で読み込むサンプルファイルのパラメーター記載順序・種類と、ソース内での読み込み順序・種類が異なっています。
また、実行形式の解説もついていたのですが、そこの説明にないパラメーターがサンプルファイルに記載されています。これらについても問い合わせをしましたが、まだ回答ありません。ま、大学発ベンチャーのようですので気長に待ちましょう。

ま、自力で組んでいくことも考えましたが、やはり、ネックはプリポスト。ポストは良いとしても、プリは労力が必要ですし、面白くないところです。そう思うと、SPH や MPS の基礎理論を理解しておけば(まだ残っている部分はありますが)、個々のソースまで理解する必要はないかと思い直し、他の書籍も再読することに。

で、基礎理論に関する復習はOK。なにか良いソフトはないか、探してみましょう。


2017年2月25日土曜日

トンネルの事前調査・施工時調査

トンネルの事前調査のコアを分析していた方と話をしていました。

「今まで見たことがないくらいスメクタイトが出ている」とのこと。

ま、見た目からして大丈夫そうな岩なので、バルクでかけると「微量」という判断になると思われます。バルクでも目立てば岩石の吸水膨張試験や浸水崩壊度試験を実施すれば良いでしょう。
そういえば、昨年8月にトンネル標準示方書が改訂されています。膨張性の指標の一部が変更されたそうですが、未確認でした。確認してきましょう。

先日、災害科学研究所「トンネル技術者のための地盤調査と地山評価」 講習会に参加してきました。同財団3冊目のトンネル関連の図書です。前2冊が先進的でしたので期待していたのですが、残念ながらあまり多くの知見は得られませんでした。
今回の図書では、事前調査と施工時の調査に大きく分かれているように思えます。前者については総括的な内容でしたが、後者については執筆に力を入れられたようでした。トンネルの事前調査には限界があり、今後は施工時の調査を併用してリスクを低減させる、といった大きな流れが読み取れます。

勿論、事前調査でも得られるものはありました。
弾性波探査や比抵抗探査を実施しても、検層で検証・補正されていない例が多いとのこと。確かに、速度検層は実施しますが、電気検層は実施していないですね。指摘を受けて改めて気付きました。反省。

トンネルの事前調査の件数自体、昔より減ってきていると感じます(維持管理のための点検・調査業務は増えています)。事前調査の経験や知見を授受できる機会が減ってきていますし、それに係わる技術者数も減少傾向にあると感じます。私を含め、その質も落ちているように思います。経験等を AI にストックさせるという体制も現段階では整っていませんし、今後、施工時の調査へ場がシフトしていくのであれば、事前調査の経験等の伝達はより困難になるでしょう。ま、時代の流れ、と言ってしまえばそれまでかもしれません。

施工時の調査が施工に有益かつ効率的なのは私も実感していますし、維持管理段階で有用なことも理解しています(自身、施工時の調査を実施していた時は、事前調査をほとんどあてにしていませんでした)。
今後は事前調査の経験等を失わないようにする一方、維持管理を見据えた施工時調査の拡大に努めなければならない、という見解にようやくたどり着いたということでしょう。


2017年2月20日月曜日

地形・地質の3次元モデルとルーチンワーク

今日は2件の簡単なヘルプに応えました。
どちらも三次元絡みです。

内 1 件は 10 本強のボーリングから 3次元地質モデルを作成するといった内容。お客様から求められた内容に対し、無償提供可能な範囲で応じたいとのことでした。
地形を作って、ボーリングを読み込んで、適当なレベルで3次元モデルを作成し 3D_PDF で返しておきました。得られた地層面の妥当性を判断する過程以外はルーチンワークなのですが、それでも3時間かかりました。

もう1件は地形の作成。こちらは基盤地図情報の 5DEM LP からコンター図を作成したいとのことでした。こちらは完全にルーチンワークです。
が、欲しいエリアに 5DEM のないことを確認。数分で終了でした。
そういえば、5DEM祭りから既に5年が立とうとしています。


振り返ってみると、今年度、土質・地質断面図を作成するにあたり 3 次元をベースとした業務が 100% になりました。いえ、昨年度までのように、ガッツリ3次元可視化を行った業務はありませんし、3 次元が仕様に入っていたものもありません。単に、「楽だから」そうなったということでしょう。

勿論、全ての地層を3次元でモデル化しているわけではありません(これをすると、労力が半端ないですから)。表層の盛土部などは、切り出した後に2次元で入れていますし、色を塗るのも切り出した後です。メインの地層面だけ PC に描いてもらい、それを 断面図の「素材」として利用しているというレベルです(2次元、3次元の良いとこどりをしているイメージです)。
5年前に↓のようなことを書き残していましたが、今はこの手順がデフォルトになりました。
https://phreeqc.blogspot.jp/2012/04/23.html


この5年間で、このような流れに変化しました。
ルーチンワークが多いので、次の5年間ではパートさんレベルでやっていただきたいなあと、思うところです。いえ、2次元CAD屋さんもいない現状では高望みしすぎでしょうか?


2017年2月19日日曜日

段階載荷と定ひずみ速度載荷

段階載荷の圧密試験では、荷重増加分比 1、荷重範囲 10~1600KN/m2、8 段階(Pc の前後 3 段階)が標準となっています。勿論、土によっては荷重範囲外を選択しても良いのですが、旧来の試験室では、5kN/m2 くらいからしか準備されていないでしょう(大きな試験室ではさらに大きな荷重、あるいは定ひずみ速度載荷装置をお持ちです)。

そうすると、難しくなるのが表層部と深部の試験。

例えば、先日の「表層部の簡易CU」と同様に、試料の中心がGL-1mとすると、有効鉛直応力(土被り圧)16-10=6KN/m2、正規圧密で同程度の Pc を想定した場合、1.25、2.5、5kN/m2の軽い側3点の載荷が必要になりす。未圧密であれば、さらに軽い側が必要となります。が、荷重を準備されていない試験室では対応できません。地盤工学会の基準書にもあるように、浚渫粘土などの表層部では、(理屈では)定ひずみを選択した方が良いものと判断されます。

一方、実際に定ひずみ速度載荷を実施するのは、洪積粘土のような硬質粘土が多いようです。段階載荷では重い側 3 点の荷重をかけることができない、あるいはPcを精度良く求めたいのに荷重が飛び過ぎて対応できない、浚渫粘土の様な超軟弱土では、シンウォールから抜いた瞬間に乱れる、自立しない、などといった経験からのようです。
沖積粘土でも GL-20m以深でN値 3 程度あれば、過圧密となっている場合に重い側で3点取れない、などの経験があります。その場合、結果的には定ひずみ速度載荷のほうが良かったなあ、ということになるのですが、なかなかうまくいきません。

現場条件や既往調査のPcを確認し、試験室で対応できるかなどを判断してから調査計画を立てないと、理想的な結果は得られません。ま、逆に言えば腕の差が出てくるところ、と言えるのでしょう。


2017年2月18日土曜日

ひずみ・応力の種類

粒子法のテキストを読んでいると、「相当応力」が出てきました。

破壊基準の種類を学んでいたころに知ったと思います。単純に検討できるよう、一軸引っ張り試験の主応力 σ1 に相当する応力に変換したものだったでしょうか?手元の図書を読み返してみると、ミーゼスのせん断応力√J2に帳尻合わせとして√3をかけたものとされていました。

以前、連続体力学を学んだころ、多様な応力名称が出てきました。これは破壊基準絡みでなく、基準配置・現在配置に関与する応力の命名が多かったように思います。例えば次の通り。
コーシー応力σ:現在配置、真応力
第1ピオラ-キルヒホッフ応力P:ツーポイントテンソル、公称応力
第2ピオラ-キルヒホッフ応力S:基準配置

ひずみに関しても同様でした。
微小変形理論では⊿t が微小であれば変位uも微小で、基準配置と現在配置を区別しなくてよくなる、とのことでした(定ひずみ速度載荷による圧密試験でも、関連した内容が基準書で触れられています)。その場合、有限ひずみ E(ラグランジュ - グリーンのひずみ:基準配置)≒e (オイラー - アルマンジのひずみ:現在配置)≒ε(微小ひずみ、工学ひずみ、公称ひずみ、ビオひずみ、コーシーひずみ)とみなせる、でしたね。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/07/2.html
おおよそ、各ひずみが 10%程度までは、概ねその差が小さいとみなせるようです。(ex.土木学会編「計算力学の常識」p99、地盤工学会「地盤の連続体力学入門講習会テキスト」)
伸び変形1%で各ひずみの差が 2.5%程度、というのも上記リンク(「よくわかる連続体力学ノート」p113)に書き残していました。
いずれも、ひずみの定義による相違といった視点と、材料特性の相違といった視点の2種をもって理解すべきなのでしょう。

土質試験では、1軸や3軸圧縮試験で応力:第1P-K もどき、ひずみ:工学ひずみの組み合わせでしょうか。微小変形を前提とした、公称応力-公称ひずみの組み合わせと解釈したいところですが、ここまでは地盤工学会の基準書に明記されていません。
(港湾関係で「破壊時のひずみが 10%以上は棄却」という慣例は、偶然ですがなんとも都合良いですね。)

一方、圧密試験では、地盤工学会の基準書にひずみの名称・区別が明記されています。こちらは大変形を扱いますので、公称ひずみではなく、自然ひずみと記載されています。1次元圧密で直径が変わらないためか応力に関する注記はありません。が、共に現在配置で真応力-真ひずみをイメージされているのだと思います。
(ちなみに、基準書によればテルツァギーの1次元圧密の式に出てくるεも現在配置の自然ひずみ(真ひずみ)だそうです。)

そうすると、dε=mv ・dσ' などの mv を使う関係は、すべて現在配置:真応力-真ひずみで揃えないといけないのでは?などと思うわけです。

そうすると、土質工学会「地盤工学における数値解析の実務」p118 の図-4.8 に示されているように、E50 から推定した E と、mv から推定した E を同一に扱ってよいのか?という疑問が出てきます。
https://phreeqc.blogspot.jp/2016/07/2.html
以前、講習会で示された圧密試験の例では、公称ひずみと自然ひずみの差が20%程度異なっていました。当然、それから算出する mv、E も20%程度異なっていると考えられます。ま、図4.8では材料のばらつきに埋もれそうですが。

取り留めないの無い話になってしまいましたが、応力・ひずみの定義は種類が多く、まだまだ理解が足りない、具体例ではよくわからない箇所がある、といったところが正直な感想です。

2017年2月12日日曜日

粒子法 (SPH) の基礎

図書館に本を返却しに行った際、新しい本を見つけました。

矢川元基・酒井譲 「粒子法 基礎と応用」岩波書店

SPH に関する基礎理論と適用事例が載っていました。先日購入していた SPH 研究所の「SPH 法の基礎と応用講座テキスト」の第1回を中心に取りまとめたような内容です。

基本的に、既に理解していた(つもりの)内容でしたので、一気に読み終わりました。が、理論の解説箇所で一部理解できていない式を発見。このような式は以前読んだ図書に書かれていたかな?などと思いながら導出を試みましたが、結局ダメでした。テキストでも、ネットで探した関連文献でも同じ所が飛ばされています。他の方が書かれた発表予稿では添字も違っており、最後は何が正しいのか?などと悩む始末。うーん。比較的重要な式なのですが。

このブログを顧みると、粒子法での解析事例を知ったのは、おそらく2010年11月。
6年以上経っていますが、私の中で大きな進展はなく、寝かせたままです。周りが進展しないことに甘えています。
最近ではチラホラ解析事例や、学会誌上での講座を見かけますが、未だに積極的に利用しようとするいる動きはありません。ソフトが高かったことも業界標準に至っていない一因でしょうか?

理論は FEM に比べ簡素なので、計算部分は自作できるかもしれません。が、プレ・ポストや CUDA まで対応しないと実務で使い物にならないでしょうし、そこまで時間をかけるなら市販ソフトを購入した方が良い、という結論になります(が、迫られていないし高価なので購入許可は出ません)。

ま、そのようなことを言っていても技術者としての進歩はありませんので、一人でできることは進めてみましょう。


2017年2月5日日曜日

表皮深さ その3

昨日、図書館に出向き、電磁気学の本をいくつか借りてきました。

午後にそれらを読んでいたのですが、分かりやすかったのが、以下の図書です。

新井宏之「基本を学ぶ電磁気学」オーム社

表皮深さの導出はp133~138。
正弦波を仮定し、マクスウェル方程式を書き下した後に平面波として導出していました。幾つか引っかかっている部分は残っていますが、思ったほど難しくはありませんでした。

この表皮深さの式は近似解でした。
厳密解に対し「金属は導電率が大きい」として一部の計算を省略されています。ま、金属のεを0やマイナスにすると、割れなかったり虚数が出てくるので、そうせざるを得ないといった背景もあるのでしょう。

では、岩石のような導電率が小さい物質でも近似解で良いのでしょうか?
どの程度の差が出るか気になったので計算してみました。周波数は NETIS (http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Search/NtDetail1.asp?REG_NO=KK-000014)に示されている5つ、それに対応する測定値(岩盤の比抵抗)は手元の図書から適当に数ケース設定しました。文献では比誘電率の幅が大きかったのですが、センシティブでなかったので7程度で固定。銅は便宜的に0に近い値として設定しました。結果は以下の通り。



案外、差が出ないですね。近似解を岩盤に適用する点は、数字上は問題ないでしょう。


残る疑問は以下の通り

①銅線の様なμmオーダーの話と、岩盤の数十~数百mオーダーの話を同じ式で扱ってよいのか?
② NETIS でいう 150m の探査深度は、ハードの制約?解像度の問題?
③深度 150m までだと、深度方向の解像度が粗すぎるのでは?上記の試算では、砂岩・泥岩などの低比抵抗を示す岩種で深度方向に2~3点、花崗岩の様な高比抵抗だと1~2点しかデータが得られない。
④地形の影響を受けないのか?

通常は、空中電磁探査で得られるセンサー毎の生データ(ppm)は示されず、そこから深度と見かけ比抵抗を推定し、さらにそれらを補完した断面図や平面図、数mメッシュのグリッドデータのみが成果として扱われているようです。断面では補間の手法の選択が大きく結果に影響することでしょう(平面はかなり密にデータがあるため補間は必要ないでしょうが)。

これまで、補間後の断面上の値をグリッド化し、差分等で解析されている文献を見てきましたが、本来は補間前のデータに対して検討すべきなのでしょうね(数が少なすぎて、できないのかもしれません)。どちらかというと、断面はおまけ程度と考え、表層部の平面データを利用する手法として割り切る方が、評価を誤らないと思われます。

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20170311追記

表皮深さを半分にして深度と比抵抗を求めた事例・手法がありました。
https://phreeqc.blogspot.jp/2017/03/blog-post.html
上記計算は端折りすぎですね。それ故、疑問点が的を得ていない物もあります。

①合わせ込みパラメータの節も見受けられますので、実務上は問題ないでしょう。
② 2つの文献の測定・計算結果を見る限り、両方の制約があるようです。理論上、用意された比抵抗モデルとNETISの周波数では、100~200mが限界となっています。これだとハードの制約になるのですが、測定例においては 900Hz、385Hz の測定値がノイズレベル以下となり、その2点の結果を定性的解釈に止めるよう強調されています。定量的解釈では3つの周波数しか使えていませんので、こちらは解像度の問題となります。
③上記の通り、理論では用意した周波数をすべて使える可能性がありますが、実際は3つしか使えず、深度方向の解像度が粗くなる例もあるということです。やはり、生データまで戻って確認する必要があるのでしょう。

2017年2月3日金曜日

表皮深さ その2

続きです。

空中電磁探査に用いる周波数-深度変換で、図書や文献に載っている式は以下の通り。

d= 503√(ρ/ f )

私が見た地球物理のすべての文献で、この式の導出は省かれていました。が、おそらく次の通りでしょう。

The skin depth d (meters) = √(2/ωσμ )=√(2ρ/ωμ )

 ω = 2πf、非磁性体はμr≒1より、

d= √(2ρ / 2πfμ )
 = √(ρ/ πfμ )
 = √(ρ/ πf(1*4π×10^-7) )
 = √(10^7*ρ/ 4π^2*f )
 = √(2.53*10^5*ρ/ f )
 = 503.3√(ρ/ f )

 σ : conductivity
 ρ : Resistivity
 μ : magnetic permeability =μrμ0
 f : frequency


この係数 503 を半分にして使われている方がいらっしゃいました。今まで、その方以外で使われているのを見たことがありません。その出典や適用範囲、制約条件などを聞いても、返答はあいまいでした。

そもそも、この表皮深度の式を使えばこれ以上入らないと言った最大深度は出ますが、実際にその深度まで交流磁場が届いている保証にはなりません。その点が空中電磁探査結果の説得力の弱い一因に思われます。ま、他の手法と組み合わせて真実に迫るという点では、他の物理探査手法も同じですが。

とりあえず、まだ電磁気学をマスターしていない身です。それ故、上記の考えは私の誤りかもしれません。d=√(2ρ/ωμ )までの導出もまだ理解していませんので、とっとと補強して土俵に上がりましょう。

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20170311追記

表皮深さを半分にして評価している事例・手法がありました。
https://phreeqc.blogspot.jp/2017/03/blog-post.html



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20170325追記

物理探査ニュース「わかりやすい物理探査」電磁法3)にて、表皮深度の説明があります。
http://www.segj.org/letter/%E7%89%A9%E7%90%86%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9-06.pdf
電磁探査を実施する際に、概略の比抵抗とターゲットの深度が分かれば、その深度までの探査に必要な周波数が推定されます。
これが本来のあり方なのでしょう。

John M. Reynolds 「An Introduction to Applied and Environmental Geophysics, 2nd Edition」 p413には以下の記述がありました。
A realistic estimate of the depth to which a conductor would give rise to a detectable EM anormaly is ≈δ/5
根拠は描かれていませんが、おそらく経験則でしょう。


2017年2月2日木曜日

表皮深さ

空中電磁探査の周波数→深度変換式を調べておりました。

どうも文献や図書と若干異なる式を使われているようで、どうしてそのような式になったのか、その式の適用範囲(深度)はどの程度なのか?と疑問に思い、1950年代の文献まで遡って追っていました。

で、たどり着いた(というか元に戻ってきた)のは「表皮深さ」。
以前、VLF の理論を調べた際にも出てきたことを思い出しました。電磁気学をベースとした理論式のようですが、引用文献には導出も適用範囲(深度)も書かれていません。
そもそも、電磁気学を理解できていません。いい加減に理解しておかないといけないでしょう。

ということで、大学の物理の教科書を引っ張り出して見ていたのですが、なかなか読み進めません(興味があれば既に大学時代にトントンと理解していたでしょう)。

で、ネットに分かりやすい解説は転がっていないかな?などと思い探しておりますと、(本題とは異なりますが)面白いページに目が留まりました。最も基本的なマクスウェル方程式のイメージについてユニークに説明されています。高校生でも理解できるのではないでしょうか?

表皮深度の式までたどり着くには時間がかかりそうです。が、避けては通れないようです。週末、補強に取り掛かりましょう。


2017年1月31日火曜日

表層部の簡易CU

水底より 2m 程度の薄い飽和粘性土に対し、設計者から簡易CUの実施を求められました。

確かに、砂分を多く含む粘性土ですので一軸だけでは心もとないでしょう。が、難しいでしょう。

層の中心でサンプリングしたとすると、土被り1m、粘性土の飽和単体が16kN/m3とすると、有効土被り圧が6kN/m2になります。拘束圧はその 2/3 で 4kN/m2。小さすぎます。
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/11/blog-post_2830.html
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/11/2.html

先輩は2mからのサンプルで”厳しいながら”実施したこともあると言われていました。が、それなりの準備をしないと、正しい評価は難しいでしょう。

試験一つにしても、多面的に検討し、提案しないといけません。難しいですね。

2017年1月30日月曜日

ロッド自沈を計上?

先輩より「液塑性限界試験で NP の場合、試験数量として計上しているか?」と聞かれました。

私は基本計上しています。「見ただけでわかるでしょ」は通じません。お客様や設計者は土を見ませんので。それで良いとも思えませんが、そのような試料であったことを伝えることも、この御時世、求められているのかと。

これについて歩掛で何か触れられていないか?と確認しておりましたが、特に記載は見つかりませんでした。が、他の種目について触れられていたものがありました。
「港湾土木請負工事積算基準」では、標準貫入試験の計上方法について細かな取り決めが書かれています(恥ずかしながら初めて知りました)。概要は以下の通り。

・ロッド自沈は計上しない。モンケン自沈は計上してよい。
・貫入区間内で層変わりしている場合、本打ち区間で厚い方の土質で計上。(予備打ちは含まれていません)
・同層厚の場合は上層で計上。

あくまで、モンケンでたたく行為について代金を支払うといった考え方のようですね。サンプラーの上げ下げの手間は考慮されていないように読み取れます。

シンウォールサンプリングについても記載があります。
これまで試料の脱落したものは計上していませんでしたが、計上しても良いとのこと。

技術論とは無関係の細かなルールですが、覚えておくとつまらないところで躓きません。
忘れないようにしましょう。


2017年1月29日日曜日

風速10m

悪天候による作業中止は、山の中ではあまり発生しません。しかし、海上ボーリングなどでよく発生します。

労働安全衛生規則では、悪天候による作業中止項目が多く決められています。
このサイトが比較的よくまとまっているでしょうか?規則は度々改正されますので、時点での決まりを確認する必要はありますが。
http://isabou.net/soft/petit/common/PipeStage/Staging/ReferBadWeather.asp

通常、「風速 10m/sec 以上」で判断したり申請したりすると思われますが、この数値は労働安全衛生規則には出てきません。「強風」と書かれているだけです。
その根拠は通達によるのですが、これも改廃が繰り返されています。
最新では林業関連で更新されおり、以下に掲載されています。

厚生労働省労働基準局 基発0115第4号 平成26年1月15日

足場やクレーン関連では、これのようです(古い通達で内容を見たことがありませんので、誤っているかも知れません)。
基発第101号(昭和 34年 2 月18日)
基発第309号(昭和46年 4 月15日)
http://www.to-gisi.com/magazine/51/doc05.pdf


吹き流しを警戒船などに配置する理由は、風速10mの判断を分かりやすくするという目的があるように思います。真横に吹き流され続けると、10m/sec を超えているとみなすとか。
ただ、風速6m位になると真横を向き始めるので、風速計によるチェックも必要でしょう。最近は UAV が流行ですので、お持ちの方も多いと思います。

いずれにしても、安全に対する学習・予測・準備は怠らないようにしましょう。

心配

危険な現場や、海上ボーリングなどモロに自然の影響を受ける現場では、夜も一抹の不安を抱えています。いくら対策をしていても、自然相手に完璧ということにはなりません。ま、できる対策は実施していますので、あとは仕方のない領域になるのかもしれませんが。

昨日、そのような心配も終わり、遠方からやってきた仲間を含め遅めの新年会をしていました。
が、そこでまた大きな心配事が発生。飲んでいても心から楽しくなく、今も胸の一部を支配しています。

受け入れざるを得ないのですが、なかなか、スッキリしませんねえ。

2017年1月17日火曜日

淡水性と海成粘土

海成層かどうかの判別には、経験的に以下のものが使われているようです。

・貝殻片、ウニの針、有孔虫、珪藻等
・黄鉄鉱や石膏などの硫化鉱物
・電気伝導度やpHなどの化学特性
・CNSの比や含有量

先日、有孔虫かな?と思って生物のプロに写真を送ったところ、正解でした。海~汽水性の種だったようです。これも一つの指標になり得ますが、残念なことに私にはそれらを判別する能力がありません。学びたい!

黄鉄鉱については、淡水性の指標と言われる藍鉄鉱とも共生します。後で海水が浸透したのか?と思いましたが、このような現象について詳細について調べられた文献は見当たりませんでした。見つけたものは「海水の浸透の影響があったのだろう」とか、「今後の検討に委ねたい」とかで終わっています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssj1972/35/35/35_35_77/_pdf

そもそも、津波の影響で土壌や地下水の塩水化が問題になっている場所があるにもかかわらず、数百年~数千年も海の下に位置して、その影響を受けない方が不思議です。
硫化物については、ある程度の量が得られて初めて海成と判断するべきなのでしょう。


これも先日、新たな判別要因の1つとして、XRF を使ってみました。これだと、直接的にSやClの含有量を得られます。乾燥させて測るだけですので、お手軽です。

結果、S 含有率は海成で高く、淡水性で低くなりました。Cl も同様でした。
当たり前の結果なのですが、なんだか釈然としません。海水浸透の影響はあまり出ていない、堆積環境がよく保存されている、と解釈すべきなのでしょうが、うーん。
こうなると、生物学的アプローチの方が明快で有利ですね。

簡単なようで難しい。このような基礎的事項でも、まだまだ学ぶべき箇所は多く残っているようです。

2017年1月16日月曜日

dextral & sinistral

英語は苦手な方で、専門書以外はあまり読めません。

その専門書も随分狭い範囲しか読んでいないようで、少し範囲を超えると途端にわからない単語が出てきます。

先日も、わからない単語が出てきました。

dextral strike-slip fault (右横ずれ断層)
sinistral strike-slip fault  (左横ずれ断層)

strike-slip fault については十数年前に感銘を受けた書物で触れていました。当時、地下水を専門にする方から「strike-slip fault ってこの現場にある?」と聞かれた事に対し、よくご存じだなあと驚きながら返答したことをよく覚えています。
が、「dextral」「sinistral」は知りませんでした。辞書を引くまで、何か主応力軸に関係する用語かと思っていました。このような、基本的な単語を知らないのは、マズいですよね。

「dextral」「sinistral」は、どうもラテン語から来ているようですね。貝では右巻き・左巻きの説明で使われるようです。地質では、横ずれ断層で特徴的に使われる単語のようです。
normal (dip-slip) fault, gravity fault, low-angle reverse fault などはそのままですので、読めます。右横ずれも right-lateral fault と表記されていたら容易ですが、「dextral」「sinistral」も覚えておかないといけません。

そういえば、NHK ラジオの語学番組を聞かなくなってずいぶん経ちました。そろそろ復活しないといけないと言われているような気がしてきました。

2017年1月14日土曜日

人工の滝

今日はホテルで朝食を摂りました。

人工的に造られた庭園に滝が流れていましたので、その前で頂くことに。

が、なんとも言えぬ違和感。

原因は、自然ではありえない石の配置と滝の形成。極端に表現すると、岩海の表面に滝が流れているような配置と構造でした。

滝の最上部に人工のオブジェがありましたので、設計された方は厳密に自然を再現しようとされたのではないと思います。が、わかっていても気持ち悪い。おそらく、そのような感覚を地質屋さん以外は感じえないのでしょう。

あまり見続けて感覚が覚えてしまってはいけません。明日は違う席にしてもらいましょう。




2017年1月12日木曜日

デジカメで顕微鏡写真

実体顕微鏡でコアを観察をしてみると、いろいろなものが出てきました。

見逃していた火山灰。

藍鉄鉱と黄鉄鉱の共生。

球状黄鉄鉱。

生物遺骸。


写真に残しておきたいのですが、顕微鏡に接続している一昔前のカメラではピントを合わせるのが一苦労。後輩に「苦手だ」と話していると、「iPhone をくっつけると撮れますよ」と言いながら iPhone を持ってきました。
それは凄い!と期待しながら見てましたが、残念ながらうまくいきません。私も試しましたが、ダメでした。

ネットを見てみますと、確かに、iPhone やデジカメを 接眼レンズに付けると手軽に顕微鏡写真が撮れるようです。コリメート法と言い、双眼鏡や望遠鏡を使う野鳥観察などで使われている手法のようですね。接続キットも販売されています。

試しに、手元にあったデジカメ「オリンパス TG-4」を接眼レンズにくっつけてみますと、ちょうどレンズリングが接眼レンズのゴムにぴったり合って、外から光が入りません。カメラ位置を上下左右に動かして光軸をあわせてみますと、おお、鮮明な画像がカメラの液晶モニターに映ります。ズームすると、ばっちりです。
White バランスを「蛍光灯」モードに切り替えて肉眼に近い色合いにしてから撮影!
出来ました。やや肉眼で見るよりピントの甘い感じがしますが、以前の写真や手軽さを考えると上出来です。
デジカメを固定できれば、Wi-Fi 経由でiPhoneからリモート撮影できますね。ま、肉眼の方が視野が広く観察しやすいので、固定しない方が良いかもしれません。

うーん、これ、地味にスゴい。感謝です。

2017年1月9日月曜日

やり残し事項 2017

今日は貯めていた雑務処理。朝から始めて15時までかかりました。

今年度の実績をまとめたところ、個人売り上げは例年に届いていませんでした。が、それでも部内では2番目。全体に仕事が少なかったのかな。そういえば、皆さん休日は休まれていたように思います(おかしな表現ですが)。
新人を抱えた先輩方の苦労も数字に出ていました。ま、長期的な視野で見ると、新人・若手が育って2馬力、3馬力となりますので、今は我慢の時でしょう。その繰り返しで企業として存続するわけです。
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/12/blog-post_28.html で激高していた上司は、私の1/8 程度。その世渡りスキルを見習いたいですね。


昨年のやり残し事項は以下の通り。
今年は、手を付けなかったコードの一つを減らしましょうか。

道具
帯磁率計(携帯型)
ガンマ線測定器(携帯型)
振動三軸

技術
動的解析(耐震、液状化)
斜面設計

資格等
・技術士(あと1つ)

コード
・DtransuのCUDA化・・・100万で購入可。
・粒子法コード作成・・・OpenMP、CUDAの実装は200万で購入可。
・剛体(DEM)+粒子法のカップリング(900万で販売されている)
・DtransuとPhreeqcのカップリング(500万で販売されている)Phastでも十分。


5年単位の中期目標については、3月で達成できるかもしれません。その場合は1年前倒しになりますが、4月以降に新たな中期目標に移りましょう。

Fault-Related Rocks

ようやく、心身ともに解放されました。

で、昨年末に購入していた図書を読み進めることに。
Arthur W. Snoke 「Fault-Related Rocks」
写真が多く載っていますので、楽しめそうです。

まずは18ページまでの導入部分を読みました。
図版集かと勝手に思っていましたが、
「塑性」「粘性」
「温度」「圧力」
「溶解」「沈殿」
「透水性」「流体圧力」
「せん断剛性」
などといったキーワード出てきて、ちょっと驚き。

先日、「なぜ直下型地震は深さ 10km 位が多いのか?」といった質問を受けていたのですが、これを読んでいたらもっと詳しく答えられていたでしょう。断層と地震は関連があり、それは温度・圧力・鉱物種・剛性などに関連し、ひいては断層岩のでき方にも当然かかわります。当たり前ですが、これを読むまではつながっていませんでした。

本編までたどり着いて、今日は終わり。
ゆっくり楽しみましょう。


2017年1月2日月曜日

ミス流出リスクへの対応

先月の29日に以下のような文言で始まるメールが、例の部長様からやって来ました。

「本年もよろしくお願いします。」

最初は何のことかわかりませんでしたが、ちょっとして気付きました。ああ、メールを読むのが年明けと思っていらっしゃるのね、と。ほとんどの方は瞬間に PC や手元のデバイスに届いてしまったと思いますが。


本題は「ミス防止」のようでした。
どこかの部署で書類記載にミスがあり、他部署も巻き込んだ問題に発展したようです。
が、まず、部長様の文章ではどのようなミスなのか具体的な内容が伝わってきません。もともと、誤字・脱字が多く、文字間に無意味な空白の多い読みにくいメールだったので推測しながら読むことが多かったのですが、最近、本当に推測も理解もできない文章になってきています。ちょっと心配です。


ま、リスク対応とすれば、以下のように切り分けて考えれば十分でしょう。

1.ミスを作らない
2.作ったミスを見逃さない
3.フレームワークの改善


1.ミスを作らない

記載間違いであれば、人が記載しないようにしてしまえば良いわけです。製造業でいうと、製品安全とか、フールプルーフの視点での対策です。

例えば、グループウェア内に入力済みの情報は、文書に記載済みとなって書類が発行されるようなシステムにしてしまえばOKです。


2.作ったミスを見逃さない

これは、根が深い問題でしょうね。
通常、書類の決済や確認は、executives 5人くらいで行います。ヒューマンエラー対策も含まれています。が、全く機能していません。

なぜか?

簡単です。
誰も細かいところは見ていませんし、それが原因で大きな問題に至っていませんし(バイアス)、たとえ問題になっても個人で責任を取らなくてよいからでしょう。

対策は簡単で、権限と責任を明確化することです。
本当に必要な方に絞って責任と権限を与える。当然、ミスを見逃せば責任を取らされる。人事考課と連動したり、大きな問題に繋がれば減給を伴う降格であったり。
責任を取れる人は昇格や給与面での優遇を受ける、責任を取りたくない人は自ら降格を願い出る、そういった実力主義への移行です。

ただこれだけのことですが、実行するのは難しいようですね。基本、成果主義でなく年功序列の事なかれ主義ですので、そのデメリットの側面が出てしまったと言えるでしょう。ある程度のミスは許容する深層心理があるのかもしれません。


3.フレームワークの改善

これは、1.2.と関連しますが、現状のフレームワークを作成した方々にも責任があります。フレームワークの改善を PDCA サイクルの一環と言ってしまえばそれまでですが、簡単に考えられる1の様な対策を怠るのは、マネジメントとして稚拙。ミスを見逃した責任者と同様に、ある程度の責任を取るべきでしょうね。


1.3.の対策を講じなかった言い訳とすれば、「お金がかかる」といったところでしょうか。品質第一が、コスト第一にすり替わる瞬間です。
あるいは、大事に至らないのでリスクを保有しておいても良いといった判断だったのかもしれません。この場合、結果として問題になったわけですから、リスク特定に抜けがあったと言わざるをえないでしょう。

ま、メールの文章がよくわからないので、回答できない方が多くいらっしゃると思います。そもそも、管理職が聞いて回る様なレベル・内容でもないと思いますので、私もしばらくは様子を見ましょう。