2017年10月17日火曜日

谷埋め型大規模盛土造成地の安定計算式

宅地防災マニュアル には、以下の記述があります。
http://www.mlit.go.jp/crd/web/topic/pdf/takuchibousai_manual070409.pdf
谷埋め型大規模盛土造成地の安定性については、二次元の分割法により検討することを標準とする。
「2次元分割法」とは幅広い記載に感じますが、基準独自の定義があります。具体的な計算式は「宅地防災マニュアルの解説〔第二次改訂版〕」「大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドラインの解説」に掲載されています。
http://www.mlit.go.jp/common/001089011.pdf

先日、この式を使おうかと式を読み始めたのですが、非常に不可解。いえ、複合すべり(谷埋め型)の直線部分にモーメントが使われているようです(現行のガイドラインの図中では「円弧の場合」となっていますが)。
通常、モーメント比は円弧、力の比は複合や直線すべりでと考えていましたが、この式はそうなっていません。直線部分のモーメント原点(任意点O)はどうやって決めるのか?円弧部分のモーメント原点と一致しないが良いのか?導出や出典がないので追いかけられない、と途方に暮れていました。
式の形だけを見ると、おおざっぱにはモーメント原点が分割片の上方に離れるほど Rti が大きくなり、安全率は高くなりそうです。水平に離れるほど、Rwi や Rri が大きくなり、安全率が低くなりそうです。一意に決められない直線部分の原点の取り方次第で答えが変わりそうというのはすっきりしません。安全率が低くなる原点を探索せよ、ということでしょうか?

PowerSSA(Ver.5.5、五大開発)と斜面の安定計算(Ver.12、FORUM8)はこの式に未対応です。COSTANA(Ver.18.1F、富士通エフ・アイ・ピー) だけがこの基準に対応と謳われていましたので、試算してみました。
結果、やはり原点の取り方によって安全率が変わります。傾向も、まあまあ想定に沿っています。

これ以上の理解は困難なので、COSTANAにおけるモーメント原点の決め方についてサポートさんに確認してみました。が、明解な回答は帰ってきません。(SEさんなのか、ソフトの使い方には幾分慣れていらっしゃるようですが、力学の基礎理論を御存知ないようでした)。
五大さんとFORUM8 さんにも確認してみましたが、両社ともあえて実装していないように受け止められました。(富士通さんとは対照的に、FORUM8さんは技術的な回答でした)。
ただ、実装している富士通さんも悪くはないと思います。基準通り計算されているようですので、設計通りなのでしょう。もともと安全率の定まらない計算式なのか、2次元の0.01にこだわる業界がおかしいのか?

結局、解説で定義される「2次元分割法」を使うのをやめました(2社もこのような判断だったのかもしれません)。
標準以外にも簡易ヤンブーや 3次元計算などが紹介されており、基準の中で比較的自由に泳げますので、すっきりしない式は使わないことにしました。

それにしても、この谷埋め型大規模盛土造成地の安定計算式、どのようにして生まれたのでしょうか?ひょっとすると、直線部分の原点の決め方が出典に書かれているのかもしれません。
今後、何かしらの情報に触れる機会があるかもしれませんので、その時を楽しみにしておきましょう。

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マニュアルの解説では、盛土の安定計算箇所の全応力式と有効応力式の「間隙水圧」の書き方が曖昧。2巻の軟弱地盤ので箇所ではきちんと書かれていますので、担当者が別なのでしょうね。


2017年10月14日土曜日

吸水膨張試験

岩石の吸水膨張試験ができないか?と問い合わせ。

できません。その設備、ありません。

トンネル業務で膨潤性を判定する際には、スメクタイト含有量を XRD 結果から推定し、利用しています。吸水膨張圧まで測定したことは個人的にありません。その先の計算を見据えて興味を持ち続けていますが、残念ながらナシです。

あらためて地盤工学会基準を見てみますと、以下のように書かれていました。
  • 吸水膨張試験は地山の膨張性を判定する指標の一つとして取り扱われているに過ぎない
  • 結果を設計施工に積極的に利用している例はわずか
  • その理由として、膨張応力や膨張性を利用した設計手法・解析手法に関する研究・検討事例が極めて少ないことなどが挙げられる。
  • しかし近年、変状事例が各地で顕在化してきており、設計条件を決める場合に試験結果を利用している例がある。(近年といっても、古いと思います。)
  • 14例のうち、13例がトンネル、1例が切土アンカー

興味を惹かれ、切土アンカーの文献を読みました。が、ピースの試験長と膨張圧の関係に着目されておらず、イマイチでした。要素シミュでパラメーターを求め、数値解析に持っていく、という流れが BEST でしょうか?web 上にはこのような文献もありました。

A Study of Swelling Behaviour in a Tunnel Using Finite Element Methods

他には、線膨張係数を使って見かけの E を変更している文献もありました。おそらく、分子シミュでも扱われているのではないでしょうか?

土木の場合、純粋な鉱物学的「膨潤」のみを指して膨張性地山とは呼でしょう。塑性化後の押出しを区別しにくいのか、「○○cmの押し出しが発生した」というように結果のみが示されます。観測だけでは区別していない(できない)ため、試験の定量的利用が難しいのでしょう。

まずは正攻法でも、そうでなくても良いので、数値解析を利用し現象を理解する材料を作る必要があるでしょう。解析例を蓄積しすれば一部の会社の特殊技術ではなくなり、設計・施工法も標準化されるでしょう。地質屋さんのモデル化もより正確性を求められます。
皆で進めると、近い将来、難しい問題ではなくなるように思われます。

2017年10月13日金曜日

COSTANA

今日は1日 COSTANA で安定計算。

普段は PowerSSA を使用しています(こちらの方が断然、操作性で優れています)。
今回は同じモデルで DECALT を使用する予定があり、仕方なくデータを共有できる COSTANA を選択しました。

が、やはり入力が面倒。
EXCEL からのコピペはできません。代わりに DXF を用意していたのですが、こちらも読み込んでくれません。読み込みにコツがいるのを覚えていたのですが、今回はそれを試してもダメ。結局サポートに問い合わせました。
が、サポートも若手のようで、返答がイマイチ。返答の是正、是正でようやく正解を得られました。コツは 2007 形式の DXF で、レイヤーに 2byte 文字の使用はダメ、でした。地層をくるっと囲む形で作画しておくことは、前回学習した通りです。

読み込んだ後の計算時にも、安全率が0を示したり(円弧の探索方向(大→小)を逆にすると正しく計算してくれました)、異常に小さかったり(ダミーで設定していた下側の土層の値を読んでいた)など、戸惑うこと多し。

で、計算終了。軟弱部分に対策を打たないと持たない結果となりました。したがって、 DECALT の出番なしです(ま、ある程度は予想していましたが)。やはり、最初から PowerSSA でやればよかったかな。

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20171014追記
結局、機能が足りなかったので、PowerSSA でやり直しました。
もっとソフトの詳細を調べてから取り掛からないとダメですね。


2017年10月10日火曜日

アクティベーションできない Civil3D 2018

日曜日からアクティベーションできない状態が続いていた Civil3D 2018。

症状はコチラの方と同じ。調べてみると、過去にも同様の報告があります。
https://forums.autodesk.com/t5/autocad-ri-ben-yu/akutibeshonkodoga-ru-lidekinai/m-p/7163715/highlight/true#M3057

私が管理者なのですが、入れません。
アカウント内で情報を確認すると、AEC に切り替える前の IDS が紐づいたまま。このあたりがあやしい。

連休明けの今朝、販売店のプロに確認したのですが原因不明。すぐにAutodesk に問い合わせていただきました。
結果がわかったのが夕方。Autodesk のサーバー側の不具合でした。時々あるとのことです。

あるなら公表しておいてほしいですね。解決するまで3日かかりました。


QGIS で 走向傾斜 その3

dip のラベル位置についての備忘録。(QGIS 2.14 )

(strike・dipの表示はコチラ↓
 https://staff.aist.go.jp/t-yoshikawa/Geomap/QGIS_memo.html

(@map_scale *0.003  * cos( "strike" *  pi() /180)) ||','|| ( @map_scale *0.003 * sin( "strike" *  pi() /180))

「0.003」は offset の調整。適当に変える。
https://gis.stackexchange.com/questions/174145/how-to-set-position-of-label-around-a-point-in-qgis-according-to-a-field
https://groups.google.com/forum/#!topic/qgisshitumon01/FeD38t6N8P4





2017年10月9日月曜日

要素分割の勘どころ

世間が3連休になると、心なしか余裕が出てきます。

久しぶりに、1冊読みました。
岸正彦「有限要素法・要素分割の勘どころ」

実務では 力学の FEM を手掛けておらず、忘れそうだなあと思っていたところでした。良いタイミングで、この本に目が留まったと思います。
内容は、機械工学分野における FEM の要素分割数に関する話題でした。どの程度密に、あるいは粗にメッシュを切れば良いかの目安が提示してあります。当然、扱う形状や目的によって異なるのですが、まあ10分割程度で良いでしょうという目安は重宝すると思われます。

地下水の場合はあまり気にしなくて良い要素選択についても触れられていました。6面体2次要素が万能と思っていたのですが、題材によってはそうでもないようです。

特異点についても書かれています。
昔、メッシュを細かく切れば切るほど地下水の流速が上昇する現象について宿題を出されたことがありますが、これは力学も共通です。特異点だということを弁えておれば、評価を誤りません。

降伏判定でのミーゼス応力の評価も当たり前のように書かれていますね。機械工学の分野では当たり前に使われているのでしょう。
応力の種類については、以前、連続体力学の講習会でも触れられていました。「表示している応力が何応力なのか解析者がわかっていればOK」といったような内容を言われていたと思います。


頭の中の、この辺の知識をブラッシュアップできたと思います。
さあ、明日から頑張りましょう。


2017年10月6日金曜日

QGIS でルートマップ

QGISでルートマップを作成しています。

実際に手を動かしてみると、作業はCADより早いと感じました。

走向傾斜は数字と種別を入力するだけです。それだけで記号が回転し、傾斜の数字を表示してくれます。圧倒的に速い。

露頭は太線で表現しました。こちらは属性に硬さや亀裂間隔、コメントを入れておけばラベルとして表示してくれます。こちらも、速い。

写真はEXIF情報から撮影位置をプロットできます。撮影方向も属性として取り込めますので、それを使って記号を回転させ、撮影方向を表現できます。後に両者の微修正は必要ですが、それを踏まえても走向傾斜と同様に、圧倒的に早くなりました。
プロットされた記号にカーソルを合わせると写真を表示するようにも設定できます。GIS上で位置・方向の修正はもちろん、不要な写真の削除が行えます。最初に全部の写真を読み込み、空間的なバランス・重要性を確認しながら写真を選別する工程が1つの画面上で実施できるようになり、効率が良くなったように感じます。その後、連番を振り直し(属性値として入力)、それをラベルとして表示してやれば完成です。
属性として写真ファイルのフルパス、ファイル名も含まれています。この属性が収められている dbf ファイルは EXCEL で読めますので、それらを利用して採用した写真のみコピーし、さらに連番でリネームするマクロを組みました。コメントを属性として入れておけば、マクロだけで写真台帳まで作れそうです。

あと、コンポーザーを使えば凡例も作ってくれます。CAD ではモノが増えるたびに修正や位置調整を行う必要があったので、地味に時間がかかる作業でした。QGIS ではほぼ自動です。やはり、速い。


短所もあります。
やはり地質の3次元分布推定は QGIS では無理。Civil3D +GEORAMA でボーリング結果も踏まえて実施したいですね。そうするとQGISの DXF 出力の不完全さがネックになります。一応、 PDF 出力で解決していますが、座標が合わせは出力枚数が多いと面倒。将来的には DXF 出力が使い物になるレベルまで改善されることを期待したいと思います。


GIS とルートマップ、案外相性はよさそうです。手を動かしてみないと、わからないものですね。

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20171009追記

短所の追加です。
近年のソフトにしては珍しいと思いますが、まれに落ちますね。データ保存をこまめに実施する必要があります。

あと、2-byte文字に完全対応していない点も残念。データの取り込み等で対応していないプラグインがあるようです。データ保存もうまくいかない場合があります。
お客様には日本語表示しないとダメですから、やはり QGIS でなく、Arc を使用すべきなのかもしれません。


20171010追記
属性データをコピペできないのは残念。
写真番号を1つ飛ばしていた箇所があり連番を振り直さないといけなかったのですが、コピペができないので悩みました。属性の結合も考えましたが、面倒。結局 EXCELでdbfを開いて連番を振り直し、ArcGIS にて該当箇所のみコピペで修正しました。

2017年10月5日木曜日

Windows10 クリーンインストール?

初夏から続いていた現場がひと段落。
荷物を整理して、メンテナンスを行いました。これから月末まで、じっくり内業です。

先日、AEC が使えるようになったとアナウンスが来ておりました。この機会に Civil3D と GEORAMA を 2018に上げ、ついでに Windows10 のクリーンインストールも済ませておこうと考えていました。長年使っていた Win7 でいくつか取れない不具合が残ってしまっており、一気に片付ける計画でした。

が、すんなりいきません。
4月ごろに作っていた インストール用 DVD では、インストール先のドライブが表示されません。古かったかな?などと思いながら MS のサイトからツールを使ってインストール用 USB を作り、再度進めてみました。が、こちらも同じ結果。データ保存用のドライブは出てくるのですが、Cドライブ(システム)は表示されません。

このCドライブ、SSD 2個で RAID0 を組んでいたのですが、それが原因でしょうか?少なくとも、Win7は起動しますので BIOS 等の設定は問題なしです

Cドライブ以外の SATA ケーブルを抜いてもダメ、新しく作った DVD でもダメ。ドライブ選択画面でドライバを読み直すと、そこでエラーがかかり振り出しに戻されます。

お手上げ状態でしたので、MSのサポートに聞いてみました。が、こちらでも解決せず。同様の事例はあるようでしたが今回はダメ。USB でなくDVD からの起動や、他のドライブを外すなどした場合に RAID0 を認識する事例があるとのことでしたが。

結局、7 を起動した状態で DVD からインストール。
設定を引き継がない「なにもしない」を選択。インストール後に、残ったごみを色々捨て、クリーンインストールっぽくしました。ま、このあたりで妥協しましょう。

起動は 7 よりも早くなりました。すっきりしたようです。
ある程度整理した状態でバックアップを取っておけば、1年毎にクリーンな状態に戻せるでしょうか。それが済んでから、AEC等大物をインストールすることにしましょう。


2017年9月27日水曜日

地盤沈下観測等における衛星活用マニュアル

「地盤沈下観測等における衛星活用マニュアル」 平成29年3月 環境省水・大気環境局

SAR を使った広域観測に関するマニュアルです。実務に取り入れられるのはまだ先かと思っていましたが、すでにマニュアル化されていました。私のような初心者にもちょうど良いレベルになっています。ありがたい。
意外と内容が面白く、一気に読んでしまいました。以下、備忘録です。
p27
ALOS-2 は、非常に高い精度で軌道の調整を行っているため基線長は 500m以下に抑えられており十分に短く、どの組合せでも高い干渉性が得やすいため、ほとんど全 ての観測された衛星データで干渉 SAR解析を行うことができる
p28
ALOS-2 の場合、1ペアの干渉 SAR 解析の2つの 衛星データの間隔は、3 年未満とすることが望ましい
p28
解析に用いる衛星データの選定にあたっては、データ観測時間帯の気象条件、特 に降雨データ(X バンド降雨データ)などを確認し、降雨が確認されれば解析対象デ ータから除外することが望ましい。また、用いる場合は解析精度が悪化しやすいこと に注意する必要がある。
p37
ALOS-2 では、処理レベル 1.1 データ(SLC:Single Look Complex)を入手
p65
ALOS-2 と Sentinel-1 を地盤高の観測に用いた場合の長所・短所

雲の有無に左右されないと聞いていましたので、降雨にも大きく影響されないのではと漠然と考えていましたが、そうではないようです。マニュアルに書かれていますので、やはり経験上よくなかったのでしょう。(先日、データを購入したのですが、確認すると1シーンのみ数時間前に降雨がありました。)

Sentinel-1 に関しても書かれています。
実施例では C バンドにもかかわらず、意外と変位量を把握できているように見えます。沈下は都市域の問題だからでしょうか?
esa のサイトでシーンを検索てみました。が、ALOS2 と同様に2014年以降しか引っ掛かりません。古いデータが安価で手に入ると、過去の変動を多量に処理して把握できるかと思ったのですが。残念。ま、近年のデータがあれば、ALOS2 との比較はできます。山中や広いグラウンドなど、都市域以外でどこまで把握できるか知りたいですね。

あと、InSAR は初歩で、そのスタッキング処理、2.5次元解析までの実施がマニュアル化されています。これ、重要ですね。
試行したことがあるのは 最初のステップのみ。スタッキング処理、2.5次元解析までできて当たり前、といった感覚なのでしょうか?早急にスタッキング処理だけでもクリアーしたいですね。

InSAR では多くの実施例を見かけるのですが、すべて広域です。七五三掛の例でも1km弱。解像度は3mと十分に高いので、色のつながりを見るにしても、もっと狭い範囲の変動を把握できないかと期待しています。
今後の動向としては、3次元解析はもちろん、過去にさかのぼったり、上記のように狭い箇所に着目したりする、などでしょうか?
今後の動向に着目しながら、早く現状に追いつきましょう。


2017年9月24日日曜日

ジオリファレンサーで位置合わせできない QGIS2.14

QGIS で踏査結果をまとめようとして、また躓きました。

踏査で使った地図をラスターで貼り付けたいのですが、できません。ジオリファレンサープラグインでラスターを読み込み、位置を「マップキャンパスより追加」するのですが、まったく違う位置に張り付きます。

違う PC でもダメ。
手法を変えてもダメ。

晩ご飯を食べた後、もしやと思い画像を反転させてからポイントを追加してみると、、、
できました。
移動や拡縮は容易にできるようですが、回転は得意でないのでしょうか?今回、ほぼ180度回さないといけなかったので、うまく機能しなかったようです。北が上になるように画像を調整してからジオリファレンサーで位置合わせ、といった手順になります。今まで使ったソフトに比べてクセがありました。

使っていると、まだまだ出てくるのでしょう。ひとつづつ、クセを覚えていきましょう。

2017年9月23日土曜日

air lift method

簡易索道を張ってもらった若い助手の方にコンプレッサーを借りていました。

それを使って、エアリフト法による孔内洗浄をテストしました。結果は上々。
15mくらいの孔内水位でも汲み出すことができました。

その結果を助手の方に報告していたのですが、横からオペさんが「昔はよくやっていた」と入ってこられました。

2人で「え?!」と驚き。
「エアリフト」という言葉は知っていましたが、その知識と映像、具体的手順が結びついたのがつい最近。しかもUSGSのサイト。「海外では豪快な洗い方をするなあ」と思っていた程度です。
https://www.usgs.gov/media/videos/usgs-groundwater-monitoring-well-redevelopment-using-air-lift-method
https://water.usgs.gov/ogw/video/gwpd.html

オペさん曰く、日本でも「さく井では昔から実施している」とのこと。昔は会社でも井戸掘りの仕事を多く請け負っていたそうで、大型のコンプレッサーを持ち込んで実施されていたそうです。圧をかけすぎるとVPが割れるので注意が必要とか、VP100を入れるべきところをVUを入れてしまい、割って掘りなおした先輩がいるとか、教えていただきました。
この応用で、「エアリフトポンプ」といったものがあるということも御存知でした。井戸掘りを多く請け負っていた支店では複数台所有していたとのこと。もっと早く知りたかったですね。

伝承が途切れていた技術でした。危ないですね。
ひとまず、ノウハウをお持ちの方が身近にいたというこがわかりました。

2017年9月22日金曜日

簡易索道 その2

簡易索道でボーリング資材を搬入していただいています。

ポイントとの通りに良い立木がなく「難しいかな?」と思っていたのですが、オペさん「楽勝です」とのこと。

実際見てみると、三又などをうまく活用して搬入されていました。確かに、難なく作業されていましたが、私には無理。何度も経験してノウハウを身に着けていないと、現場で「楽勝です」なんて言えないと思います。感謝です。

若い方々は見たこともないでしょう。そうなると、計画もできません。災害対応もあるので現場に引き連れてくる時間はありませんが、今回の搬入方法を写真や動画で残しておき、あとで教育に使うことにしましょう。

とにかく、オペさんに助けていただき、感謝、感謝の1日でした。

2017年9月21日木曜日

ReCap Photo

台風18号による被災写真を Recap (photo) に投げ込みました。

できたモデルを表示しようとすると、以下の情報が表示されました。

写真プロジェクトの作成は処理機能が強化された新しい ReCap Photo ™ に移行します。 詳細は、ここをクリックしてください。

3か月くらい前に使用した際には表示されていなかったように思います。

内容を見てみると、いくつかの変更点がありました。気になったのは以下の2点。
・使用できる写真が1000枚に増えた
・ReCap pro のサブスクリプションにバンドルされる
長い時間・コストをかけて実用に耐えうる機能を実装したので、有料にしますよ、ということでしょうか?

従来の Recap (photo) でも、細々した仕様変更がありました。
e-mail で招待し、モデルをシェアできるのは以前からでしょうか?知りませんでした。

一般的な測量でも UAVが 使われだしています。SfM の精度向上を求め、メーカーさんは努力されていることでしょう。
まだまだ仕様変更は続くと思われます。ついていきましょう。

2017年9月18日月曜日

QGIS で 走向傾斜 その2

QGIS で 走向傾斜のシンボルを DXF へ変換した際、歪んでしまう件の続きです。https://phreeqc.blogspot.jp/2017/08/qgis.html

新たな情報を探しているうちに、以下の情報が引っ掛かりました。プリントコンポーザにて SVG や PDF 出力に対応しているとのこと。
https://docs.qgis.org/2.14/ja/docs/user_manual/print_composer/overview_composer.html

そういえば、Civil3D も 2017 から PDF のジオメトリ読み込みに対応していました。
試してみると、DXF 経由ではないので座標やスケールは飛びますが、読み込み自体はOK。歪まずに Civil3D へ取り込むことができました。(Civil 側にて取り込み時のスケール設定はあるのですが、まだよくわかりません。)現段階ではこのあたりが落としどころでしょう。

GIS を使って少し作業を進めると、ラインの表記が楽になったと気づきました。これ、Arcを使われている先輩が、大昔に言われていました。
遷急線や flow line 等のラインが折れていても、等間隔で破線や進行方向のマーク(マーカーライン)を表示してくれます。小崩壊頭部の ┬┬┬ マークも綺麗に並んでくれます。欲を言えば、┬┬┬  のケバが自動で崩積土の範囲まで伸びてくれたら大きな崩壊にも使えるのですが。ま、これはCADと同様、手作業です。

当面は QGIS でルートマップを作成し、Civil3D + GEORAMAで 3次元分布を考慮した地質図を作成することになるでしょうか?
もう少し触ってみましょう。


2017年9月17日日曜日

縦断図 測点間隔の変更(Civil3D 2017)

弾性波探査で、逆解析に遠隔の情報を取り入れたいと考えました。

地形は広域の3次元データ(LP)になっているため、任意のピッチで地盤高を把握することができます。探査測線上は既に Civil3D で線形を設定し、縦断を切っていますので、あとは遠隔まで線形を伸ばし、5mピッチで高さを表示させるだけです。

計画も現地盤もサーフェスから縦断に取り込んでいますので、レポート機能が使えません。今回は以下の手順としました。

①既存の線形を複写し、端部を 50m 延長。
 この時点で縦断図も複写され、延長されます。
②開始測点を-0+50に設定。
 線形を選択し右クリック - 線形プロパティ - 測点 -0+50
 縦断図で複写前の地盤高と見比べる。ずれていなければOK。
③縦断図の測点表示を5mピッチに変更
 縦断図を選択し右クリック-縦断ビュープロパティ
 「情報」タブ - オブジェクトスタイル - 現在の選択をコピー、リネーム
 必要により表示する標高を「標高」タブで変更
 右クリック - 縦断ビュースタイルを編集
 「水平軸」- 副ティックの詳細 - 間隔:5.00m

サーフェスから作成した縦断の測点毎の地盤高を、テキストに吐き出す方法までは思いつきませんでした。ひとまず、これで先に進みましょう。


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おまけ1
 線形に測点ラベルを付ける場合
 線形を右クリック-線形ラベルを編集
 主測点 追加:100m
 副測点 追加:5m

おまけ2
 測点ピッチにかかわらず、縦断図内の地形や計画ラインの折れ点で高さを抜きたい場合は以下の通り(235の技の125番目に詳細が書かれています)。安定計算などではこちらの方が良いでしょう。
 縦断図内の地形線等を選択し右クリック - 「縦断ジオメトリを編集」
 縦断レイアウトツール - 縦断グリッドビュー


2017年9月16日土曜日

異なる座標系の重ね合わせ ( Civil3D 2017 )

後輩君たちが GPS をもって踏査に向かいました。

帰社後、トラックデータを CAD に取り込みたいが「わからない」とのこと。私も数年前に悩んでいた事項です。座標系、覚えましょうね。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/12/exifcad.html
https://phreeqc.blogspot.jp/2016/08/civil3d-2016.html

数か月前、基盤地図情報GML を Civil3D 2017 で取り込む際には、以下の手順としました。

①座標系の確認
 DL したファイルの座標系を確認します。この時は JGD2011/(BL) でした。
②「計画と解析」ワークスペースに切り替え
③「挿入」タブ-「マップを読み込み」でXML指定
 入力座標系を LL-JGD2011-ITRF94 or 2008 に指定
  http://club.informatix.co.jp/?p=998
 ※プロファイルを保存しておけば、次から楽です。

最近は GIS でも CADでも、座標系を持っているデータをもらったり扱ったりすることが多くなりました。データが座標系を意識して作成されていると、位置合わせの手間が省けます。楽です。
中には座標系を持っていない、わざと外しているデータ(設計データが多い)をもらうことがあるのですが、「わざわざ面倒なことを」と思ってしまいます。座標系を扱えない CAD を使い続けていらっしゃるのかもしれません。

後輩君たちも、座標系や GIS について学ばざるをえなくなったと思ったようです。CIM の基礎・基本でもありますので、身に着けておきましょう。

2017年9月13日水曜日

VisualSPHysics

DualSPHysics の miner update が夏ごろ、と記憶していたのですが、一向に上がりません。

記憶違いだったか?などと思いながらHPを見ていて気付きました。
VisualSPHysics が公開されています!!!(ついでにGUIも!)
http://visual.sphysics.org/

Blender のアドオンで、結果の取り込みができるようになったとのこと。期待していた機能です。

早速チュートリアルを、と思ってページを追いかけると、まだ準備中。11月のワークショップ向けて準備されているのかもしれません。

それでも簡単な使い方は掲載されていますので、試してみることに。
http://visual.sphysics.org/wiki/doku.php?id=how_to_use_visualsphysics
Windows 版はバイナリが配布されていますので、DL した ZIP を Blender から指定するだけです。これでアドオンとして認識されます。
計算結果の取り込みは、VTKを一つ指定するだけ。タイムステップのの最初と最後は自動で認識してくれます。取り込む際に以下の項目を設定するように書かれていますが、Blender が何を欲しているのかわかりません。素人ですので。
  • Object Type select Fluid Object for fluid isosurfaces and Other Object for floating or static objects.
  • Smooth Shading enable or disable the smooth shading.
  • Validate Mesh enable it if you detect artifacts on the fluid surface.
  • Transfer UV Maps enable it if you use textures for the floating objects.
オブジェクトとして取り込んだ後は、適当にマテリアルを触って動画にするだけ。情報は web 上にあふれていますので、すぐに手順はつかめました(私の環境だと動画にする際になぜか落ちますが)。

結果がこちら。8番目のサンプルの計算結果を動画にしたものです(画質は落としています)。

video


うーん。
レンダリング時に飛沫まで描いてくれたらラッキーなどと思っていたのですが、甘くないですね。指定した最低限のことを忠実に返してくれました。
Blender に慣れていないと、光と影のつけ方、水の透明感や反射など、細かな設定はできないですね。というか CG に関して素人なので、どのパラメータが何に影響して、どこをどの程度触ればよい、などといった基礎知識・ノウハウ共に有していません。素人には手に負えない分野です。

Max に書き出せば、CG部門の先輩に頼めるかな?と思いましたが、エラーで書き出せませんでした。やはり Blender を勉強しないと、そこそこの CG はできないようです。
うーん、ひとまず保留。

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20170918追記
泡沫をつけました。
https://phreeqc.blogspot.jp/2017/09/adding-foam-in-blender.html

VisualSPHysics のチュートは、昨年のワークショップの PDF に入ってますね。私が公開を見逃していただけかもしれません。
http://dual.sphysics.org/2ndusersworkshop/2016/Crespo_PPT_2ndUsersWorshop_POST_2PDF.pdf

20171001追記
関連文献を読みました。DualSPHysics の結果(形状)に応じて粒子(泡や飛沫)をBlender内で発生させ、動画にされています。python で制御するか、開発中?の"DualSPHysics foam Simulation" を待たないと、Youtubeにアップされているような動画は作れないようです。

2017年9月11日月曜日

Geotechnical Module for Civil 3D 2018

GEORAMA 2018 の Ver.UP案内がやってきました。

最近は設計者からも「地質はGEORAMAをつかうのでしょ?」と言われるくらい、CIM 試行で有名になったようです。

個人的には GEORAMA を使い続けていますが、「仕方なく」といった状況です。
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/12/georama.html
未だに線形に曲線部分があると断面は作成できませんし、簡単なバグや不具合が見つかる状態です(2018でいくつか改善されましたが)。使い勝手も良いとは言えないのでお勧めできるソフトではありませんが、これしか CAD ベースの3次元地質分布推定ソフトを知らないため、仕方なく使い続けている状態です。

先日も GEORAMA 脱却を目指し、代替ソフトはないかな?などと探していたのですが、どれもイマイチ。ないですね。
ちょうど月末に IDS-P から AEC-C に乗り換えようかと思っていたところですし、仕事もひと段落するので、このタイミングですべて 2018 にアップしましょう、と腹をくくりました。

Civil3D 2018 の新機能を見ていたところ、Geotechnical Module for Civil 3D にて機能追加があったようです。Fence Diagram ができるようになりました。
https://forums.autodesk.com/t5/autocad-civil-3d-forum/may-17-webcast-what-s-new-in-the-geotechnical-module-for-autocad/td-p/7062538


動画を見る限り、GEORAMA で対応していない平面線形の曲線部分に縦断を配置できているようにみえます。これ、可能なのでしょうか?直線を細かく折り曲げているだけのようにも見えますが、これができるとなると、こちらを使いたくなります(面生成は相変わらず粗いままですが)。
また、ボタン一つでパネルダイアグラムに厚みを持たせてくれるようですので、3Dで出力するだけで Infraworks に取り込めるようです。この機能もいいですね。上物とパネルダイアグラムの組み合わせが、きれいに見えます。

お客様の要求レベルはこちらが思うより低いことが多々あり、目的によってはこの程度の面の粗さでも納得される場合があります。そうなると、GEORAMA でなくGeotechnical Module for Civil 3D で十分です。
2018をインストールしたら、こちらのモジュールも試してみましょう。

2017年9月10日日曜日

CIM の費用

最近、CIM(Civil Information Modeling) に関心を持たれたお客様から、費用についての問い合わせが増えました。

お客様の中には、初めて実施する、漠然と流れに乗る、詳細はあまり理解されていない、といった方が多くいらっしゃいます。3次元可視化 = CIM と思われているお客様や技術者もまだまだ多いと思います(地質の場合、解析に供する場合を除き、現段階では可視化だけとみなしてもあながち間違いではありません)。
手持ちのデータを示していただき、利用目的をお伝えいただければ容易に費用を回答できるのですが、なかなかそうはいきません。そういった方々に確認している点は、以下の通りです。

①目的(精度の確認)
・設計施工に使うのか?(mmオーダー)
・住民説明会などで見せるだけ(可視化だけ)か?(数10cm~mオーダー)
当然、設計施工に利用する方がグッと手間になります。

②時系列(モデル作成数)
・施工段階を区分して作成するか?
・完成形のみでよいか?
掘削段階などのモデル化は数値計算と同様です。数を増やすだけ手間です。
仮設の数量、施工での取り合い等を考える場合には、設計者の協力が必要です。

③既存データ
a)地形
・高さを持ったデータはあるか?(DXF、LPデータなど)
これらがなければ現状の2次元図面から起こします。山中はコンターに高さを与えるだけなので楽なのですが、街中なら既存構造物のモデル化に時間を取られますので、場所や範囲の確認も必要です。

b)地質
・地質縦横断図CADデータ
・地質平面図CADデータ(ルートマップ、踏査写真含む)
・柱状図XMLデータ
地質平面図がない場合が多いですね。パネルダイアグラム作成までなら地質平面図は必要ないですが、サーフェス・ソリッドモデルを作成するなら必要です。不足している場合は、地表地質踏査が必要になります。見せるだけなら踏査せず、適当に作ることも可能です。
既存柱状図もXMLでなく、紙だけとか断面に張り付けられているだけとかの場合が多いですね。その場合、データ打ち込みが必要になるのですが、数が多いと手間です。

なお、これまでの経験では、地質平面・縦横断図の整合性が取れていない、とれていてもおかしな3次元形状(すべり面が波打つなど)になる場合が100%です。それは大企業の成果でも地元の小さなコンサルさんの成果でも同様です。2次元ベースで図面を作成している以上、誤っている部分は必ず残るようです。それは技術者の実力不足の場合もあれば、人の空間把握能力の限界の場合もあるようです。従って、地質屋が地質分布の整合性を確認・修正しながら3次元化する必要が出てきます(CAD屋さんでは難しい作業となります)。
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/12/georama.html
地質屋さんでも、与えられた地質断面等を絶対としてモデル作成に着手し、ずいぶん進めてから「あっていない」「手戻り作業になる」と戸惑う方もいらっしゃいます。今後、設計施工にかかわる箇所で齟齬が生じた場合、だれがどこまで遡って修正するかは課題になるでしょうね。

c)設計
・2次元設計図しかないか?3次元データはないか?
・道路中心線形XML
今まで、設計データが3次元化されていたことはありません。3次元でとお願いしても、2次元で設計されます。外形だけなら私でも3次元化できるのですが、今後、CIMを謳う以上は対応できる技量を設計者にも身に着けて頂かないといけません。

④成果品(必要とされる output )
・CADデータ
 ・パネルダイアグラムまで?
 ・サーフェス、ソリッドモデルまで?
・XML(測量機器や無人化施工機への流用)
・動画
・模型(3Dプリンター)
・AR、VR
必要な output によって準備・使用するソフトが異なります。まだサーフェスモデラーとソリッドモデラーの差は大きいようです。地質のソリッドを求められた場合には、現段階では2つ以上のソフトで成果品を提出するしかないでしょう。
https://phreeqc.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html


今まではこれらを一人で対応していたのでが、部署ごとに見積作成担当者のような割り振りができつつあります。確認から費用算出に至る効率は悪化しましたが、将来性や知識・意識の底上げという視点では、改善されたと考えましょう。設計者も関心を持ち始めましたので、3次元設計が始まれば面倒が1つ減るのでありがたいです。

CIMによる効率化というのは後工程だけで、設計段階ではフォワードローディングによる作業増が現実だと考えます(ミスに気づきやすくはなると思います)。ソフトウェアベンダーに担がれている感は多々ありますが、ユーザーが広がることで現実が見えてくるでしょうし、正しい認識も自ずと定着するでしょう。
今後、業界全体でCIM 利用の経験が蓄積すれば、価格と(維持管理段階までの)事業全体の効率化のバランスをお客様が正しく判断することができるようになるでしょう。
ま、今はそれに至る通過点と思って、コツコツ確認しながらでも対応していきましょう。

キノコと深層学習

山に入ると、いろいろな動植物に遭遇します。

「山の民」ではなく「平地の民」として育ったので、動植物については詳しくありません(石に詳しいのがアンバランスでしょう)。

それでも、ある程度は分かるようになりました。
ここ1か月半で遭遇した動物は、ウリ坊、キジ、キツツキ、ヤマカガシ等。
昆虫はナナフシ、コクワガタ、ハチ(ミツバチ、クマ蜂、足長バチ、スズメバチ)等。

キノコもたくさん生えていました。が、これは全く分かりません。
たまにおいしそうなキノコを見るのですが、調べてみるとすべて毒キノコだったりします。学生の頃に実習で採取・分類し、鍋にした記憶はあるのですが、種類は全く覚えていません。ま、山にきれいに残っているのは動物も食べないものなので毒キノコだろうとツンツンしながら通り過ぎます。一方、喜んで持って帰られる地質屋さんも過去にいらっしゃいました。うーん、知りたい。

何か簡易に判定できる方法はないのでしょうか?
あ、これこそ Deep Learning の出番でしょう。見た目だけで判定するので、この前の岩石判別で試行した WEB 経由システムをそのまま利用できます。
よく考えると、動植物の図鑑全般が対応できそうですね。将来的には Deep Learning を利用した検索システムとセット販売される形態になっていくのでしょうか?
そういえば、昨日のNスぺでは台風の進路をAIで予測するような内容が紹介されていましたね。どの分野もビッグデータを活用できる(システムを作成できる)技術者、必須になってしまいました。

とりあえず、キノコ判別システムが欲しいですね。キノコ学会?(あるのかな?)作ってくれないですかね。

2017年9月9日土曜日

アイスプライス

私が荷締めに使用していたロープを、オペさんが見られていたようです。

昨日、近づいてこられて一言。
「これ、覚えてたらいいですよ。一生もんだから」

教えていただいたのは、ロープの端部を輪にして編み込む方法。調べてみるとアイスプライスというようです。

1回ではわからなかったのですが、聞きながらやり直すと、できました。
そうなると、もう一つ作ってみたい。で、もう一方も編み込み。
完成したのを見ると、微妙に形がおかしい。もう一度やり直すと綺麗にできました。まだ完全には身についていないようです。荷締めロープを新調するころになると、忘れているでしょうか?練習しないと。

いずれにしても、わざわざ声をかけて教えていただけることは、ありがたいです。感謝です。

2017年9月7日木曜日

P波検層 その4

その3から約5年、切土のボーリング調査ではP波検層(板たたき)を実施するのがデフォになりつつあります。https://phreeqc.blogspot.jp/2012/12/p-3.html

P波だけなら比較的短時間で手軽に測定でき、土軟硬区分にも客観的な情報となるため、お客様には御依頼いただかなくても自主的に実施しています。その場合、全深度にこだわらず、部分的に実施するスタイルが多くなります。ケースを挙げる前に深い深度、挙げてから浅い深度、という部分実施も可能となります。

昔のピックは正常作動しており、当時の先輩方が自作・使用されていた変換コネクターも出てきました。ゴムを膨らませる水押しポンプが壊れていたのですが、自転車の空気入れを加工して接続し、空気圧で膨らませる仕様に変更しました。
また、コネクターも新たに作成し、OYO さんの HandyViewer SEISMOGRAPH Model-1816 でも測定できるようにしました。こちらだと機材が軽く、後処理もすべて EXCEL で可能です。が、現場でのデータ保存が少し手間。現場のことを考えると、Mcseis-SXW を選択してしまいます(残念ながら、5年の間に Mcseis-SX が修理不能になってしまいました)。

今日、コアを広げながら検層結果を見比べていたのですが、まだまだ「この岩なら○○km/s」と感じていた値とは微妙に異なる状況です。
その話を先輩にしていると、みなさん独自の感覚をお持ちで「いやいや、この岩なら・・・」「軟岩IとIIの境界がだいたい1.2km/sec」などと盛り上がりました。昔の方は皆、御自分で計測され独自に感覚を身につけられているのでしょう。それが自信となっているように感じます。

「当たらずと雖も遠からず」ではなく、自信をもって正解を答えられるようになりたいですね。もっと精進しましょう。



2017年9月6日水曜日

InSAR

「地すべり監視のためのSAR干渉画像判読マニュアル」について書き残して既に6年が経過しようとしています。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/10/sar.html

その後、大きな地すべりや地震災害については干渉画像が作成され、公開されてきました。現在、その結果はタイル化・配信されています。

残念ながら、実務では浸透していないようです。衛星データですのでスケールの問題が大きいと思うのですが、画像の種類や精度について調べたわけではないので、正確なことはわかりません。地すべりや深層崩壊では GB-SAR や航空機 SAR の使用例が報告されていますので、今後普及するかもしれませんね。手法については理解しておきたいところです。

web 上では SAR の処理ソフトについて複数の情報が得られます。
その中の一つを使って 干渉画像を作成してみたのですが、操作自体は以外に簡単でした。が、何の処理をしているのかわかっていない箇所が若干ありました。いけませんね。

地形測量や変動量把握に関して LP、UAVと続いたイノベーションが、今後、SAR に進むかもしれません。それほど難しい理屈・手順ではなさそうですので、今のうちに理解し、備えておきましょう。

2017年9月3日日曜日

地理院タイル

地理院タイルを利用できるソフトが増えてきました。

老舗のカシミール、新しいところではInfraworksでしょうか。GIS関連も数年前から対応してきています。地理院地図パートナーネットワークでは、多くの企業が地理院地図やタイルに対応したソフトの開発状況を報告しています。
http://ccpn.gsi.go.jp/

ただ、表示だけは簡単なのでしょうが、さらなる機能を有しているものは、まだ多くありません。例えば、表示域に該当するタイルだけを選択・表示してくれるとか、オフライン用に保存しておいてくれるとか。基本、WMTS なのでオンラインが前提なのですよね。

地理院だけでなく、他の機関も WMS, WMTS に対応したデータを公開しつつあるようです。おそらく、web に載せて公開したうえで、一般も利用できるように情報提供しているのでしょう。個人的には、1/5万地質図幅のタイルを早く整備し終わってほしいですね。

今後、利用者が増えると、ユーザビリティ向上や3次元表示の段階へ進むでしょう。1つのソフトやサービスで手軽に目的を実現できるよう、メーカーの技術開発に期待したいと思います。

2017年8月27日日曜日

岩石磁気学

地団研の「粘土鉱物と変質作用」を紛失。

買い直そうと思いネットで確認してみると、他にも面白そうな本がありました。

その中の一つ「ジオロジストの岩石磁気学」。少し古い図書ですが、今まで勉強したことのない分野ですので入門には良いかも、と思い購入。
早速読んでみました。

が、言葉が一度で頭に入りません。TRM とか CRM とか、なんだっけ?と何度も前に戻ります。で、整理してみました。

・NRM (Natural Remanent Magnetization) 自然残留磁化: = Primary + Secondry

Primary
・TRM (Thermal Remanent Magnetization) 熱残留磁化
   :キュリー温度以下にて冷却時に獲得する残留磁化。PTRMの合計。
 ・PTRM (Partial Thermal Remanent Magnetization) 部分熱残留磁化
   :冷却温度のある範囲で獲得する残留磁化。
・PRM (Pressure Remanent Magnetization) 圧力残留磁化
・SRM (Shock Remanent Magnetization) 衝撃残留磁化
・CRM (Chemical Remanent Magnetization) 化学残留磁化
   :熱水変質、化学的風化、続成作用など。
・DRM (Detrital Remanent Magnetization) 堆積残留磁化
・PDRAM (Post-Depositional Remanent Magnetization) 後堆積残留磁化
   :堆積後、一定時間たった後獲得した残留磁化。圧密など。
Secondry
・VRM (Viscous Remanent Magnetization) 粘性残留磁化
   :ハンマーなど鉄製品での2次磁化←消磁
・CRM

その他
・ARM (Anhysteretic Remanent Magnetization) 非履歴残留磁化
   :地球磁場程度の外部磁場化で交流磁場をかけて得た残留磁化。
    非常に安定でTRMに近い。

一度整理してみますと、頭に入ってきました。
案外、繊細な話なのですね。数万年も残っている磁気なのである程度安定なのかと思っていましたが、やはり気を付けないといけないことは多いのでしょう。


後輩君が、海底地すべりに関し帯磁率異方性を使った研究の詳細を教えてくれました。学生時代に一時携わっていたようです。
・AMS (Anisotropy of Magnetic Susceptibility) 帯磁率異方性

帯磁率異方性を測定すると、すべり面付近で軸が揃うとのこと。文献も読みましたが、粒子配列を分析するのと同義のようです。文献ではAMS結果と対比させるためにSEM画像で粒子配列が示されていたのですが、どのようにして切断時に乱さずにコアからサンプリングしているのか不思議でした。後輩君に聞いたところ、樹脂で固めれば良いそうです。案外、簡単ですね。
そういえば、15年くらい前に XRD で配向度を測定してほしいと研究部署に依頼しましたが、「切断時に乱れるので無理。」と言われたことを思い出しました。文献では配向度を測定していたのでできるはずだったのですが、知識・経験がなかったようです。文献では同じように樹脂で固めていたのかもしれません。

AMSの測定器は買えません。まずは手ごろな帯磁率計で測定できる帯磁率から学びましょう。






2017年8月20日日曜日

QGIS で 走向傾斜

大量の走向傾斜データをCADにプロットする必要に迫られました。

以前、ArcGISで作図したときは非常に楽だったのですが、CADへ持ち込めないのが難点でした。https://phreeqc.blogspot.jp/2013/08/arcgis-101.html
それ以来、ずっとCADで作業をしていたのですが、今回は多すぎてウンザリ。
何とかならないかな?と調べてみると、以下のサイトが引っ掛かりました。

QGISを利用した地質図作成メモ
https://staff.aist.go.jp/t-yoshikawa/Geomap/QGIS_memo.html

QGIS で shp や DXF へ変換できれば儲けもの、と思い試してみることに。ついでに写真のジオタグから撮影位置をプロットしてくれるプラグイン Photo2Shape も入れてみました。少し引っ掛かりましたが、注意点の記載通りに作業すれば、すんなり動きました。

肝心の走向傾斜ですが、作業手順は Arc とよく似ています。ポイントを作って、走行傾斜の属性を与え、それを参照させてシンボルを回転させる、といった流れ。これなら大量のデータでも対応できそうです。
DXF出力もメニューにありました。できるかな?と試すと、すんなり吐き出しました。

が、CADで開くと、なぜか歪んでいます。JGD2011 を扱えましたので位置はあっているのですが、走行は別の方向を指し、傾斜も斜めになっています。


いくつかの設定を変えて試してみましたが、結果は同じ。ここまで来て、あきらめざるをえませんでした。

写真位置のプロットは DXF にしても問題なくできていました。撮影方向でシンボルを回転させていなかったので、上記同様の問題の発生する可能性が考えられますが、ま、とりあえず今回はQGISの動作確認ができたということで良しとしましょう。

結局、目的は達せず、前には進みませんでした。
何か良い手ないでしょうか?

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20170918
とりあえずは PDF 出力、Civil3D 側の PDFIMPORT で解決。Ver.Up での修正を待ちましょう。
https://phreeqc.blogspot.jp/2017/09/qgis-2.html


2017年8月19日土曜日

みちびき

今日、準天頂衛星システム「みちびき3号機」の打ち上げがありました。

成功したようですね。
これまでの2機は踏査時に携帯している eTrex20x に捕捉・表示されています。残念ながらこの機種は(というか garmin は)補強信号L1Sに対応していませんので、以前の機種に比べ劇的な精度向上はありません。が、劇的な低下が少なくなったと感じています。
GNSS View では、3機目の軌道も表示されています。長い時間、上空に衛星が飛来するようになりました。これでさらに精度低下が少なくなると思います。

3号機によるL1SB信号は2020年頃から配信予定となっています。eTrex20x は SBAS に対応していますので、これから発売の新機種だけでなく、旧機種もファームの Ver.up 程度で活用できるようになれば良いですね。
http://qzss.go.jp/overview/status/st32_170616.html
http://qzss.go.jp/overview/services/sv03_signals.html

日本の宇宙空間利用は始まったばかりだと思います。今後は「宇宙ゴミ」対策も含め、独自の発想・開発に期待したいところです。


2017年8月17日木曜日

1mメッシュ( LP) の精度

LP の 1m グリッドデータを使用してサーフェスを作成し、縦横断を切っていました。

その後、なぜか実測してもらう機会があったのですが、結果を見て LP の高さの精度に驚かされました。誤差10cm未満でした。
木や草を除去する技術が向上したのでしょうか?5m でなく 1m だからでしょうか?GPS の精度が向上したのでしょうか?
いずれにしても、測量屋さんの技術と努力に脱帽です。

よく利用している国土地理院の 5DEM では、精度が50cm以内と感じています。こうなると、1m DEM を整備してほしいですね。
https://phreeqc.blogspot.jp/2012/11/5m_4.html


せっかく高品質の成果を提供いただいたので、最低限、それを損なわないようにしなくてはなりません。
LPだけでなく、UAVや3次元設計、その他のノベーションは続くと思います。それらの変化に遅れを取らず対応できるよう、こちらも努力して備えなくてはなりません。

2017年8月16日水曜日

簡易索道

設計者から計画変更の打診がありました。

「残念。モノレールを張り終えている区間ですよ。」と言っても、ポカンとされていました。案外、山中の調査のことは御存知ないようで、簡単にボーリングを追加できると思っていらっしゃいました。

モノレールを張ってしまうと、その途中から分岐を出せません。「追加がある」という可能性があればポイントをつけて張り進むのですが、今回は「ない」ことを確認してから施工していますので、変更には容易に対応できませんでした。
ま、現在の調査終了後に解体・架設を繰り返せば不可能ではないです。が、コスト高騰、工期遅延となりますので、お客様のためにも避けたいところです。

一昔前なら、モノレールから簡易索道を張って対応していたと思います。近年、これを張れるオペさんが引退され、対応できる方が少なくなりました。技術の伝承が途絶えつつある状態です(地域によっては現在もよく使われているのですが)。
幸い道具は残っており、手入れすれば使えるようになります。技術を有する方もまだ数名はいらっしゃいます。
途絶えてしまう前に、次の世代に技術を伝えてもらう場を設けないといけません。


GINA_OGS

OpenGeoSys に関する2冊目。

Thermo-Hydro-Mechanical-Chemical Processes in Fractured Porous Media: Modelling and Benchmarking
Benchmarking Initiatives
Olaf Kolditz, Uwe-Jens Görke, Hua Shao, Wenqing Wang, Sebastian Bauer

こちらの内容にはあまり興味がひかれなかったため、パラパラと眺めるだけになりました。日本のサイトの例が載っていたのは意外でしたが、ま、THMCといえば地層処分や貯槽のプラグ試験をまず思い浮かべますので不思議ではありません。日本人も海外のソフトを使用して頑張っているということでしょう。
最後の方に OGS と IPhreeqc の連携例が出ていましたが、これは1次元の輸送を試行されているだけでした。verification の一過程でしょうが、具体的な手順を示されていないので初心者の私には追いかけられません。 ま、tutorial ではなくbenchmarking なので、このような内容となったのでしょう。

引っ掛かったのは今回も Appendix。GINA といった pre & post が紹介されていました。検索してみると、こちらが開発を続けられているソフトのようです。
https://teambeam.bgr.de/my/?m=drive#!folder-68
Win10 にインストールしてみたのですが、動きません。マニュアルを見ると、いくつか OCX を要求しています。古い VB を引きずっていらっしゃるのでしょうか?
とりあえず 「Visual Basic 6.0 SP6 ランタイムファイル」を入れましたが、駄目。
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se342080.html
試行錯誤しましたが、以下のサイトの通り、VisualBasic6-KB896559-v1-JPN から Explzh (x64)で OCX を抜き、プロンプトから「regsvr32 comctl32.ocx」でOKでした。感謝。
http://g-taki.com/wordpress/web/6141.html

とりあえずはココまで。DXF の 3D face 等を読めるので期待しちゃいますが、機能確認は時間のあるときに持ち越しです。

*****************************
20170819追記
XYZ のポイントデータを読み込ませましたが、数が多すぎるとエラーを吐きます。簡易モデルだったのですが、この程度でダメなら使えません。
Gmsh のメッシュファイルもエラーで読めませんでした。

2017年8月13日日曜日

OpenGeoSys

OpenGeoSys Tutorial
Computational Hydrology III: OGS-PHREEQC Coupled Reactive Transport Modeling
Authors: Jang, E., Boog, J., He, W., Kalbacher, Th.

上記図書の発売案内が引っ掛かりました。
熱-水-応力-化学連成のできるソフトです。が、他のソフトより GUI が弱いため使用していませんでした。PHREEQC と連成できるようになったなら試してみたくなります。どのような例題が載っているのか気になりますね。

OpenGeoSys の最新版を確認がてら、手元にあった1巻を読み直してみました。
ジオメトリに利用しやすいのは shp ですね。境界やボーリング位置をラインやポイントとして読み込み、それらから2Dメッシュを作る流れ。メッシュができたら、それに複数の層を追加し asc 等で高さを与え、さらにメッシングします(メッシャーはGmsh)。
ここまではGUIで対応できます。が、残りの属性を設定するのはエディタ。やはり、実務では不利ですね。ま、メッシング~計算~ポストまで open source で対応できるのは喜ばしいことです。日本の研究者も頑張ってほしい。

基本的には他のソフトと同じで、各層毎に高さを用意しておけば成層構造のモデル作成は容易。が、全域にわたって高さを持たせないといけないタイプだと、レンズや断層などの表現が困難になります(今回は用意した asc を認識しなかったので確認できませんでした)。サーフェスの LandXMLがあるので、それを2Dメッシュとして読み込む機能を標準化してくれれば良いのですが、案外、この形式を扱えるソフトは少ないですね。USGS の DEM とか ArcGIS のshp や asc 等はよく見かけますので、海外のデファクトスタンダードに近いのでしょう。


見逃していた情報もありました。
appendix に地表流との連成の話が載っていました。これは MODFLOW とは異なり、stream 以外の領域も考慮するようです。MATLAB ベースの J2000 というツールを使うようですが詳細は不明。早速、作者にコンタクトをとってみました。楽しみですね。

不飽和輸送も扱えるのであれば、PHASTより多機能。モデル作成に労力は必要ですが、試してみたいところです。



2017年8月11日金曜日

泥岩の風化

後輩が泥岩のボーリングコアで、XRDをかけていました。

結果を見せてもらいましたが、比較的きれいに鉱物変化(ゾーニング)が出ていました。Chlorite の消失、Smectite、カオリンの生成、Plagioclase の減少等々。別途測定していたpH、pe も調和的です。化学的風化過程を理解しやすいでしょう。

良い素材でしたので、これなら簡単な計算ででも傾向は再現できると思い、手を動かしてみました。
使ったのはPHREEQC。database は wateq。
EQUILIBRIUM_PHASES は Albite、Anorthite、Chlorite、Kmica、Montmorillonite3種、Pyrite、Quartz。新鮮部の XRD 結果で量比を決め、exchangers を教科書を見ながら適当に入れて、雨を transportで流してみました。

結果は上々。
最初に Ab と An が溶解。Na, Ca 上昇。
実際は kinetic なので最後まで残るのですが、モデルは単純に瞬時平衡として取り扱いましたので、しばらくすると溶け終わりに近づき減少。緩衝機能が低下し pH がやや低下。同時に溶液中と交換基の Na、Ca が減少。
Chl が溶解し Mg が代わりに上昇・付着。M 生成。
さらに雨が入り上部で Chl が消失すると、pH さらに低下。M はやや減少しMgやAlを放出。Alは吸着されていますが、実際は gibbsite や Kaolinite に過飽和になっていますので、それらが析出していると思われます。
XRD結果 ではこの Smectite(とカオリン) のバランスの崩れている部分があるので、そこが abnormal (すべり面や水みち)と判断できます。「XRDかけました」だけで計算なしでは標準パターンをつかめませんので、異常は抽出できないでしょう。それは多くの場合、 XRDA 側ではなく、解釈する側のレベルの問題です(私も含め)。

そういえば、と思い後輩に千木良先生の「風化と崩壊」の話を振りましたが、後輩は知りませんでした。泥岩の風化過程が読み易く書かれており、当時ブームになった図書です。化学の苦手な地質屋さんも、「硫酸ができる!」などとよく言われていました。が、出版が22年前。後輩はまだ幼稚園~小学生。知らなくて当たり前です。

ま、地質屋さんのレベルが22年前から進歩したとは言い難い状況です。計算で根拠づけたり判断したりする地質屋さんはレアですので、図書や関連文献をよめば(幸い?)追いつけます。
一方、洋書では教科書レベルで熱力学計算による鉱物のゾーニングが表現されています。できれば、理論と現象の両面から物事を追える地質屋さんに育ってほしいところです。


2017年8月6日日曜日

MT3D-USGS

ここ1週間ほど、現地踏査をしていました。

少し範囲を広げた予備踏査です。どのような地質が出ているか、構造の傾向は?等の確認段階です。あと、調査計画立案も兼ねています。どこをどのように調査するか、搬入はどうするか?など。どちらかというと純粋な地質踏査に近いこともあり、暑いけれども足は進みました。猛暑の中、私以上に動かれている現場の方、尊敬です。

今日は家でのんびり。
クーラーの効いた部屋でUSGSのサイトを見ていて気付いたのですが、MT3D の USGS 版が昨年9月に公開されていました。https://water.usgs.gov/ogw/mt3d-usgs/

MT3D-USGS capabilities and features include:
  • unsaturated-zone transport;
  • transport within streams and lakes, including solute exchange with connected groundwater;
  • capability to route solute through dry cells that may occur in the Newton-Raphson formulation of MODFLOW (that is, MODFLOW-NWT);
  • new chemical reaction package options that include the ability to simulate interspecies reactions and parent-daughter chain reactions;
  • ・・
HPでは上記のように一通り計算できるように書かれていました。
ゴロゴロしながら解説を読み進めていたのですが、反応計算では PHAST の方が詳細にモデル化できますね。残念ながらこれは圧倒的で、比較になりません。
一方、移流分散としては transport within streams and lakes が加わった分、適用範囲が広くなっています。SFT は1次元の例しか載っていませんでしたが、3次元でも理想的に動けば Dtransu より扱える問題が多くなるでしょう。GUI のプレができると実務でも使えそうです。もう少し待てばModelMuseに加わるかもしれません。

なかなか、all in one のソフトは出てきませんね。問題ごとにソフトを使い分けるだけなのですが、非効率と感じます。いえ、言い訳ですね。備えましょう。


空調服

7月末から9月末まで外業の連続です。

夏が来た途端に、毎日外歩き!?とというのは昨年も同じ。で、す、が、空調服のおかげで夏場の作業も相対的に楽になりました。
その威力を忘れかけた先日、今夏初めて空調服を着ずに普通の作業着で山歩きをする羽目になりました。作業が終わると、昔はこんなに汗が出ていた?と思うくらいベトベト & 心臓バクバク。上半身は当たり前ですが、下半身も汗の量が違います。慣れって恐ろしい。もう空調服はなくてはならないアイテムになってしまいました。

先日、「今年はフード付きでも買おうかな」と店に出かけたところ、合うサイズは既に売り切れ。代わりに薄手のシャツとスペーサーを購入しました。スペーサーは昨年、当ブログ上で勧めて頂いたものです(148さん、ありがとうございました)。https://phreeqc.blogspot.jp/2016/08/blog-post_6.html
確かに、首からひもをぶら下げていても風が止まりにくくなりました。あとは袖口への通風が強化されればありがたいのですが。

もう一つ、ヘルメット。
タジマさんの風雅ヘッドフルセットが店においてあり、試着してみました。が、頭頂から前半分では、それほど効果を感じませんでした。しかも重い。最初だけかもしれませんが、モーター音も気になります。
毎晩、痛くなるのは後頭部で、そこが冷えれば儲けモンかもしれません。が、少し悩んで購入しませんでした。試すにはやや高価でしたので。

今年は現場で空調服を着ていらっしゃる方が増えたように思います。
少しでも良い環境を作り、夏を乗り切りましょう。


2017年7月30日日曜日

図書館

大学2校の図書館に立ち寄る機会がありました。

驚いたのが、両校ともにグループ討議用ルームを設けられていたこと。
司書曰く、「最初は雑談が多いかと思っていたが、そうでもなく熱心に勉強している」とのこと。確かに、夏休みの日曜日なのに、内1校は満員。ホワイトボードを使いながら熱心に議論していました。羨ましい環境です。

今の若い方は「ゆとり」などと蔑称されることもあるようです。確かに、未熟さ・物足りなさはあるでしょうが、それはどの世代でもどこかに有している一面にすぎません。学生時代にこのような経験・活動を行っていることを長所として見出し、我々が環境を与え、伸ばさないといけないのでしょう。

今の若い方々も努力しています。個では結果を出せなくても、チームで問題を解決させると結果を出せる方、そのほうが得意な方がいるかもしれません(同年代でチームを組ませることはなかなか難しいですが)。
若い方々にうれしく思う反面、人材育成について考えさせられた1日でした。


2017年7月26日水曜日

地すべりのコア

久しぶりに、よく動いている地すべりのコアを見ました。

しっかり破砕されています。
一時期、地すべりばかり扱っていた頃を思い出しました。道具が良くなったのか、オペさんの腕が良いのか、粉砕されている個所から礫を含む箇所、基岩との接触面、基岩の破砕部など、全区間でコアはきれいに取れています。樹脂加工したいくらいです。CTも欲しいですね。

こういった綺麗なコアが並べられていると、人が集まります。そして議論が始まります。地質屋さんも設計屋さんも一緒になって、あーだ、こーだと。

ありがたいですね。
暑い中でも妥協せず、丁寧な仕事をしていただいたオペさんに感謝です。


2017年7月25日火曜日

BIDO

円形アレーが組めるようになりましたので、データ整理ソフトを整備していました。

よく利用している表面波探査のソフトが SPAC に対応していますし、同じ要領でS波速度構造まで計算・表示できます。
それだけでも良いのですが、できれば今回教えてもらった産総研さんの BIDO を使いたい所です。マニュを読む限り、BIDO は分散曲線を多くの手法で一度に計算・表示してくれる優れモノ。CCA にも対応していますので、ジャストポイントで調査できない場合でも計算できます。事前に仕込んでおく価値はあるでしょう。

が、2〜3日試行錯誤しても全くダメ。 VF や gfortran の環境では完走しません。Win + Cygwin も Ubuntu 系 Linux もダメ。公開当時の g77 環境を再現できれば動くのでしょうか?それにしても、g77 って。ちなみに、g77のありかはこちら。φ(..)
https://askubuntu.com/questions/837618/need-the-gnu-g77-fortran-compiler-on-ubuntu-16-04-having-issues

あきらめかけた4日目、CentOS7 64bit + gfortran で計算は走りました(plotはダメ)。古いマシンにCentoOSを入れて、gcc 関連を一通り入れて、コンパイルし直すと OK でした。ふー。

詳細は分かりませんが、ライブラリのパスが関係しているようでした。
今日はここで時間切れ。グラフを表示してくれませんので、正しい結果が出ているのかわかりません。後日、結果をEXCELに持って行って確認しましょう。どのみち、BIDO では S波構造を逆解析してくれないようですので、分散曲線を Win に持っていく必要があります。ん?そういえば、分散曲線を読み込んで逆解析できたかな?


良いこともありました。
BIDO の引用文献を追っていくと、逆解析時の初期モデルで波長の1/3(1/2~1/4)を深度とする根拠(と思われる文献)を見つけました。今まで気にかかっていたところです。

Ballard, R. F. and Jr. (1964) Determination of soil shear moduli at depth by in situ vibratory techniques, U. S. Army Waterways Experiment Station
紺野克昭 (1997) レイリー波の分散曲線の近似計算法の提案と地下構造推定への応用, 土木学会論文集, I-41, pp. 89-105
高田 至郎, J. P. WRIGHT (1980)ライフライン系解析のための相対地盤震動, 土木学会論文報告集, No. 299, pp. 13-21

2つ目の文献の図を見る限り、1/4でも良いかなあと。そうすると、道路橋示方書の固有周期の算出式と同じ形になります。ただ、波の来る方向は縦と横で異なる(と思っている)ので、いまいちイメージできません。今までの理解が間違っていたのかしら?わからなくなってきました。ここはプロに聞いてみましょう。


若干ですが、進んだように思います。
とりあえず、 計算結果を見てみましょう。それがクリアできていたら、データを取りに行きたいですね。


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20170726追記
gnuplot が入っていませんでした。グラフが表示されないはずです。
入れるとOK。計算結果もOKでした。


2017年7月17日月曜日

微動計

「微動計を4つ買ったよ」という連絡がありました。

おお、アレー組めるね、ということでテスト状況を見に行きました。

「NHKスペシャルで新機種を使っているのを見たので、問い合わせて買った」とのこと。なるほど。それ、私も見ていました。

番組では、アレーを組むために1mくらいのスケールを作られていて、それに合わせるだけで配置できるよう工夫されていました。その様子に「うまく考えられているなあ」と感心していました。
その話をすると、「これでしょ」と見せてくれました。オプションでついていたそうです。おお、実物もなかなか良い。

では、iPadのアプリは?と聞いてみますと「それは開発中で販売されていなかった」とのこと。
実はこれが最も印象に残っていました。宅地地盤の評価をそのアレーサイズでやっているの?でも、アプリは欲しい!と。
詳細は分かりませんでしたが、データをWi-Fiで吸い上げ、その場で分散曲線を確認でき、S波構造までiPadで出せるとなると、お手軽です。アレー結果を整理する PC ソフトは持っていますが、それを現場で実施しようとすると、机が欲しいところですので。
ま、開発が遅れるようなら自作すればよい話です。モバイルのアプリは組んだことがありません。チャレンジしてみましょうか?

いずれにしても、これで自由に(無線で制約なく)アレーが組めるようになりました。いくつかの現場で使ってみましょう。


2017年6月28日水曜日

EXCELで LandXML 読み込み

CTC さんの GEORAMA で地質モデルを作ると、各地層サーフェスが LandXML 形式で geotmp フォルダに書き出されます。

分布範囲のみではあるものの、そこから座標を取り出して変換すれば、他のソフトに楽に持っていけるのになあ、と以前より考えていました。数年前に調べた限りでは、そのような変換ソフトがなく放置していたのですが、「TXT データを成形するだけなのですぐ書けるでしょう」「XML の理解に繋がるでしょう」などと思い自分で組むことに。幸い、EXCEL VBA を始め、各種言語で XML を取り扱う情報は Web 上にあふれていました。便利な時代になったものです。

作業は順調に進んでいたのですが、MSXML パーサーのバージョンに引っ掛かりました。
Win10 + EXCEL 2013 VBA で 6.0 を参照していたのですが、Web 上では古いVer.を参照したコードが多いようで、それらをコピペして動かしてもエラーを吐きます。それが Ver. 違いということに気づくまで、少し時間を要しました。(特にココ→MSXML2.DOMDocument60
他にも、名前空間(xmlns) に引っ掛かりました。ええ、まったくの初心者です。

XML では情報がタグ付けされているため、欲しい箇所へのアクセスが容易です。そのため、最終的には思ったよりもすっきりしたコードになりました。拡張もアクセスも楽、コードも簡素、なかなか良い仕様・特徴だと思います。XML が広まった理由、少し理解できました。

結果的には理解するのに2晩かかったのですが、良い経験になったと思います。

2017年6月25日日曜日

R apply の問題

Rでは、for 文の代わりに apply 群を使われる方が多いようです。

確かに、apply 群を使って書く方が、簡素で読み易いと思います。また、for 文より速くなる場合があるようで、web上ではしきりにお勧めされていました。(apply の中で for が使用されていましたので、劇的に、ということはないと思いますが)。

念のため、apply や lapply を使用して書き直し。
もともと、dependency を算出する関数が、ベクトルを扱えなかったこと、並列化をもくろんでいたことからfor を使っていました。今回は、関数の引数にリストから値を代入する関数を作り、それを apply や lapply で呼んでみました。

で、計算!

が、ダメ。

夜中に計算をかけて、朝に「終わったかな?」と確認しようとすると、動きが異常に遅い。SSDにスワップファイルを作っているようです。リソースモニターを見ると、物理メモリ24GBを使い切っていました。for や foreachであれば、ループのたびに変数を入れ替えながら計算が進むため、それほど大きなメモリは必要としません。が、apply 群では大きなマトリックスをそのまま保持して計算が進んでいくため、いくつかの計算ステップが進めば簡単にメモリ不足に陥るのでしょう。
計算が進むたびに途中経過をディスクに書き出せばメモリを解放できますが、遅くなります。ま、扱うデータの容量を考えながら、方法を選択しないといけないのでしょうね。ビッグデータを扱う場合のパッケージもあるようですので、必要になった段階で検討してみましょう。

いずれにしても、今回は並列化のほうが速いという結果になりました。

コア数   計算時間 メモリ
for(Single) 11.5h  300MB
foreach(4)  3.7h  1.5GB
foreach(6)  3.8h  1.8GB
apply(Single)6hで中止 20GB以上

これで進めてみましょう。

2017年6月23日金曜日

R foreach で並列化

R で並列化・高速化を扱う場合、以下の2通りがあるようです。

1. 関数をC/C++ に移植。さらにCUDAを利用
2. foreach による並列化

頻繁に使うツールであれば前者でしょうが、今回はそこまでの頻度・意欲がありません。で、2を選択。

最初はビルド時の自動並列化のようなオプションがあるのか?と思い探してみましたが、見当たりません。代わりに見つけたのが 2 の foreach 。
R では、for を foreach に変更するだけで並列化してくれるようです。容易なためか、メジャーな手法のようですね。

先日のコードに対し foreach を使って並列化。
が、今度は排他制御に関するコマンドが見つかりません。複数のスレッドから同一変数への書き込みを避け、ファイルに追記するよう変更したのですが、タイミングが重なった場合にデータが飛んでしまいます。このあたりを制御するコマンドが見当たりません。また、foreach 内の break も効かないようです。

そのままではうまく動いてくれなかったので、部分的にコードを書き直し。

っで、計算!

今度はうまくいきまた。

1 コアで 11.5 時間だったのが、4 コアで 3.7 時間まで短縮できました。
6 コアでも計算してみましたが、頭打ち。メモリへのアクセスが集中しますので、遅くなったのでしょうか。
ま、それほど早い計算時間でもないのですが、このあたりが落としどころでしょうね。これ以上は 1 の方法、R から C へ移植しするしかないでしょう(実務なら、迷わずそちらを選びますが)。

扱いたいデータがもっと大きなサイズですので、3.7時間という結果は大きな制約です。データの前処理を考えないとだめでしょうね。なんだかベクトル化の方が早いかも?と思えてきました。

で、もう一度チャレンジ。

今度はクリアーできましたが、新たに問題発生。


続きは後日。

2017年6月21日水曜日

R の for 文

以下の文献に掲載されているアルゴリズムの実装に取り組んでいました。

榊原ほか「 ラフ集合を用いたデータマイニングによるがけ崩れ発生要因の抽出に関する研究」 土木学会論文集 No. 658/VI-48, p. 221-229, 2000. 9
(1) 整合度の要求水準を設定する.
(2) 要因数が1っの場合の整合度を求め, 要求水準と比較する. 少なくとも1つの要因において整合度が要求水準上回った場合, 最小必要要因数は1となる.
(3) すべての要因について, 整合度が要求水準を下回っていた場合, 2つの要因の組み合わせに関する整合度を求め, 要求水準と比較する.
(4) 以下順次要因数を増加させ, 整合度が要求水準を初めて上回った時点における要因数を最小必要要因数とする.

要は、順次総当たりでラフ集合の下近似を計算し、dependency を求め、閾値を上回れば終了といった内容です。
いくつかの会社や大学が特許を取られているようですので、実務で使わないほうがよさそうです。https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tkk/tokujitsu/tkkt/TKKT_GM301_Detailed.action
ま、研究では近年の深層崩壊でも使われていますので、研究やデータマイニングツールとして使えそうです。

フローは単純ですので、単コアでの実装は容易です。dependency(「整合度」と訳されている)の計算部分も、R のパッケージに関数として組まれていますので、特に悩む必要はありません。一晩で(といってもかなり遅くまでかかりましたが)実装は終わりました。

で、計算!

遅い!
for で 118万回ループさせた dependency の計算でしたが、完走するまで11.5時間かかりました。

R の for 文 は遅くなることで有名なようでしたが、本当に遅かった。
dependency を算出する関数がベクトルを受け付けてくれませんので、仕方ありません。ま、for ループを使っておけば、次の並列化が楽になるだろうという目論見もあったわけですが。

やはり並列化・高速化が必要でしょう。
続く。

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20170623追記

dependency を算出する関数の引数にリストから値を代入する関数を作り、それを apply  lapply で呼んでやることはできました。が、新たな問題も発生。こちらに関しては後日。


2017年6月18日日曜日

Rough Sets with R

R でラフ集合を扱っていました。

ラフ集合は初めてです。統計かな?と思っていましたが、集合論でしょうか。難しい理論や数式はなく、数学というよりは国語の問題を扱っている感覚でした。

R でラフ集合を扱えるパッケージは以下の2種類のようです。
・RoughSetKnowledgeReduction
・RoughSets

マニュアルの薄い前者のほうから試用してみました。
が、計算遅すぎ。数千のテストデータのルール抽出計算が1日で終わりません。シングルコアで頑張っていたようですが、2日目にオーバーフローを吐き出し止まっていました。

次に、後者を試用。
こちらはリファレンスを追いながら、なんとか1日で上近似・下近似・極小条件を出すところまで到達。こちらもシングルコアでしたが、C++ を利用しているのか計算が早い。同じ数千のデータでも、読み込み~計算~結果の書き出しまで20秒ぐらいでした(ルール抽出は行っていませんので負荷が異なりますが)。こちらをメインに触っていきましょう。

R も 並列化、GPU利用などによる高速化に着手されているようですが、全体的にはこれからのようです。Web・Twitter などのビッグデータを収集・分析するようなことも始められていますので、今後、適用は進むでしょう。

RoughSet のいくつかの計算は、並列化・高速化の組み込みに関して有利だと思います。今後に期待しましょう。


2017年6月13日火曜日

安全衛生教育

他チームから、ほぼ新人くんがやってきました。

「作業内容を変更したとき」に該当しますので、安全衛生教育を実施し、現場に出る際の心構えと要点を学んでもらいました。

建設業の場合、職長や安全衛生責任者の選任も絡んできます。法令則のみでなく通達の内容に沿って教育を実施する必要があるのですが、関連個所をその順に漏れなく追う必要があります。単純ですが、面倒。個人レベルで見逃しを出さない管理方法はないものでしょうか?(今年の能力向上に関する通達は、危なく見逃しかけていました。)

先日、図書館で以下の図書を見かけました。関連項目毎に法・令・則・通達が整理・記載されています。出版が3年前で少し古いのですが、このような形式であれば管理しやすいですね。

笠原秀樹「建設業の安全衛生法令用語検索エンジン 用語の意味、適用条文、公示、告示、通達がわかる!」日刊建設通信新聞社

このような整理された情報の閲覧を Web 上で実施できればよいと思います。更新はプッシュ通知で。
労働安全衛生コンサルタントの皆さんが作ってくれないでしょうか?


2017年6月12日月曜日

VPN-RD 接続のバッチ処理

Windows10になってから1手増えていたVPN接続。
毎回、VPN接続→リモートデスクトップ接続・切断→VPN切断をやっておりますと、PCに無駄な作業をさせられているように感じてきました。

で、バッチ化。

①メモ帳で以下を記載し.batで保存
rasdial "接続名" ID PASS
mstsc C:\Users\ユーザー名\Documents\rdpファイル
rasdial /DISCONNECT

※接続設定を済ませている状態が前提。その設定内容を黄文字の箇所に指定します。
※ここまででもOKですが、以下でスタートメニューに登録すれば、より便利。


②.batのショートカットを作り、そのリンク先にcmd.exeのありかを挿入。
C:\Windows\System32\cmd.exe /C パス付きで①.batファイル

※ショートカットを右クリック-プロパティでリンク先が出てきます。
※cmd.exeのショートカットに、.batのありかを指定する形になります。

③右クリックでスタートにピン止め


ついでに、1行目だけのVPN接続、3行目だけの切断のショートカットも作成し、登録しておきました。
ちょっとしたことですが、かなり便利になりました。

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20170625追記
VAIO Win10 Pro ではUWP版のリモートデスクトップを使っていたのですが、接続がすぐに途切れることが多く困っていました。今回、YOGA Win10 Home では上記の通りデスクトップ版に切り替えています。今のところ、安定して接続できています。


2017年6月11日日曜日

PC等の手入れ

週末、時間があったのでPC等の手入れを行いました。

1台目
Windows7 (自作) → Win10pro にアップグレード→動作不良のため Win7 にダウングレード→その後、バックアップに失敗 0x81000031→修復を試みるも以下のシナリオ1・2共に失敗
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/975692/error-code-0x81000031-occurs-when-you-try-to-back-up-files-by-using-the-backup-and-restore-wizard-on-a-windows-7-based-computerA
→ライブラリ内のファイルを削除してもダメ
→ライブラリを外してバックアップすれば開始しました。(cドライブはチェックを入れたままです)

進展するどころか、後退した感じですね。
Win10に上げて半日ほどは順調に動いていたのですが、デスクトップの背景を変えようとしてから異常に重くなりました。原因を突き止めようとしましたが時間切れ。セーフモードではうまく走ってましたので基本的な構成が問題ではなさそうです。ウイルスバスターやCOMODOあたりを入れなおす必要がありそうです。次はクリーンインストールしてみましょう。
バックアップについては、同じ流れで同じ問題を抱えていらっしゃる方の解決策が参考になりました。このライブラリ、扱いにくいのですが何とかならないでしょうか?

2台目
Windows10Home(YOGA 710)にウイルスバスターとSKYSEAをインストール→しばらくしてフリーズ、再起動できずボタン長押しで電源を切る→動きが重くどうにもならず初期状態に戻してから再設定。

どうやら後者がうまく入らなかったようです。以前、8.1→10にした際にはウイルスバスターとdefender 間で不具合がありましたが、それは治まったようです。買ったばかりでしたので、ま、良しとしましょう。
ついでにVPN周りのバッチ化も整備しました(こちらは後日)。

3台目
Win7(メーカーBTO)の起動時に「Windowsサービスに接続出来ませんでした。」→SENサービスの再起動で修正
参考:https://answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/windows_vista-performance/パソコンを/9ef42f8a-559f-4aec-8773-349276d26533

対処療法です。
最近、起動時に不規則に出てくるようになり、気になっていました。確認してみると、サービス自体は起動していましたので、何が問題だったのかわかりません(起動時のタイミングと言ってしまえばそれまでですが)。ま、サービスの再起動のみで対処できますので、大きな問題ではありません。が、完全解決には至っていませんので、もう少し情報が欲しいところです。

4台目
iPhone6(キャリア)からiPhone5(MVNO)乗り換え
→6をitunesでバックアップ(暗号化なし)→5で復元時にPASSを聞かれ断念→icloud経由で連絡先を移行、アプリは入れ直し。

Wi-Fi 専用機としていた iPhone5 ですが、UQ mobile の SIM のみ調達し、復活させました。速度は若干落ちたような気がしますが、気にならない程度です。
iTunes は認証時以降使用していなかったのですが、前回、パスをかけていたのかもしれません。20個程度、思いつくパスを入れてみましたが、ダメでした。こうなると、お手上げです。
残念だったのは、よく使っているアプリが App Store から消えている点。仕様変更によりPC からもインストールできなくなっていましたので、6 からの完全移行はできませんでした。


全体的に、時間をかけた割に進展がなかったですね。
ま、マイナスに向かうところが「現状維持」になったと納得しておきましょう。

2017年6月8日木曜日

切れたアンカー

アンカーが切れ、ヘッドが対岸まで飛んで行った現場に行きました。

私が見たのは休み明けで、既に応急対策中でした。
一通りの作業を終え、設計者と話をしていて気付きました。そういえば、維持管理のマニュアル・指針はあるものの、切れた後の危機管理マニュアルは見たことがありません。ま、応急対策手法はある程度限られていますので、レアケースのために備えることを後回しにされているのかもしれません。

ただ、土木的な対応は過去の類似事例に依ってなされるのですが、調査視点での対応は欠けがちです。行った時には抜いたアンカーの穴にモルタルを詰め終えられており、孔内カメラを入れることができませんでした。孔内カメラを入れると、切れた原因は腐食なのか変位なのか、後者ならどの深度で変位が生じているのか、などを確認できます。これが確認できれば、すべり面や崩壊面の決定根拠に使えます。調べないという選択はもったいないですし、今後の為にもルーチンワーク化してもらいたいところです。

これからの維持管理時代、長寿命化とともに危機管理も重要になってくるでしょう。ぜひ、調査・設計の視点も含めたマニュアルを検討し、備えていただきたい所です。


2017年6月6日火曜日

Groundwater age

4月から時間を見て取り組んでいた地下水の年代推定ですが、一定の成果を得ました。

面白い知見もあったので発表を薦められましたが、利害関係上難しいでしょう。ま、私の技術の肥やしにはなりました。

今回は若い地下水を題材に、CFCs と SF6 をトレーサーとして利用しました。この利用方法は USGS や IAEA より詳細に解説されています。特に後者では年代の推定に使うパラメータや精度にかかわる事項など、基礎から応用事例まで充実した内容が紹介されています。これまで幾つか運命的な図書に出会ってきましたが、これもその1冊に加わることでしょう。

IAEA 「USE OF CHLOROFLUOROCARBONS IN HYDROLOGY A Guidebook」

水質は岩石との反応で流下とともに変化しますが、人工物質は保存性がよくトレーサーとして扱いやすいと思います(勿論、保存性の悪いものもあるようです)。それらを多点で測定しておけば、移流分散解析による再現で、時間・空間ともにより精度の高いモデルが構築できるでしょう。数十年前から実施しているトレーサー試験を再現していることと同じですからね。
それを踏まえたうえで、水質から岩石等の組成・層厚を逆解析できるかもしれません。実際は多くの問題が出てくると思いますが、理屈はあっているでしょう。

地下水の問題に関しては、まだまだ分からないことだらけです。が、それを解くのに「時間の検証」という効果的かつ強力なツールを手に入れたように考えます。
これから、もっと手を付けていきたい分野ですね。


2017年6月5日月曜日

Lenovo YOGA 710

VAIO Duo 11 の画面の気泡・色むらが激しくなり、微妙に液漏れも発生し始めたため、修理に出しました。
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/08/vaio-duo-11-svd1122ajb.html

「修理不能、買取りさせてください」との返答でした。

この機種、気泡が入る事例を多くの方がネット上に報告されています。秋葉ではそれを前提に投げ売りされていた時期もあったようですので、所謂「SONYタイマー」付きの機種だったのでしょう。4年弱でした。短い。SONYのPC事業終焉を飾るこの機種、個人的にはとても気に入っていたのですが、残念です。

仕方なく、次のPCを購入しました。

Lenovo YOGA 710 - 80V6 8万6千円
・ Core i5-7Y54 1.2GHz
・11.6" 1920x1080 タッチパネル
・DDR3 8GB
・SSD 256GB

小さくて、軽い!
しかも、10時間以上は稼働しそう。これはありがたい。


据え置きメインにもう一台買いました。
こちらは負荷のかかる作業を行いませんので、それ相応のスペックです。

Lenovo ideapad 310 80SM 5万円
・Core i3 6006U 2.0GHz
・15.6" 1920x1080
・DDR4 8GB
・HDD 500GB
・DVD

Lenovo 好きではないのですが、条件と価格で選ぶとこのようになりました。
耐久性に一抹の不安が残りますが、ま、大事に使いましょう。


2017年5月7日日曜日

物理探査の教科書から

John M. Reynolds 「An Introduction to Applied and Environmental Geophysics 2nd Edition」の気になる箇所の備忘録です。地下水や物理探査、海外には良い教科書がありますね。

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主な地質の弾性波速度 p147
主な地質の比抵抗 p291
主な地質の比誘電率、電波速度、導電率 p551


表面波

波の伝播イメージ Fig 5.41
分散曲線(高次モード含む)Fig 5.40-41


EM法

1次磁場と測定した2次磁場の比から見かけ導電率を推定 p434 Box 11.1

見かけ導電率と多層地盤モデルの関係 cumulative response function の利用 p434 Box 11.2 Fig 11.8

EMデータから1次元多層地盤モデルの構築 inversion の利用 p437 11.2.4.2 computer analysis


GPR

電磁波は地中で減衰する。
→海水の表皮深さは1cm。wet clay で30cm。 p540-541 
→表皮深さと比抵抗の関係 Fig 13.5

減衰した電磁波で測定・推定された導電率は、理論導電率よりもかなり小さい。
→小さな導電率で表皮深度を過大に見積もることに注意(実際は導電率が高く、表皮深さが小さい) p541-542 Fig 13.6

表皮深さは地中レーダーの浸透深度とイコールではない。 p541

波長と鉛直方向の解像度の例 Table13.3

地下水位近傍で含水率が高くなると電磁波速度が落ちる→走時から計算した鉛直スケールが間延びする Fig13.12

主な地質の探査深度と波長の関係(物理探査ハンドブックにも同図あり)p553

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空中電磁探査で、表皮深度に1/2をかけて探査深度としている方がいらっしゃいましたが、案外、1次磁場の中間でないと2次磁場が減衰しきって返ってこれない、といった内容を考慮されていたのかもしれません。その場合、減衰した2次磁場から過大な比抵抗・表皮深度を求めないための補正というのも1手必要になるでしょう。

いずれにしても、上記の深度問題は単純な式で解けないようです。現状では分散曲線からの深度変換、EM探査からの深度変換ともに、逆解析を用いざるを得ないようです。それにはボーリング結果や検層結果との比較がより求められるのでしょう。p439には以下の通り記載されています。
However, there has yet to be an unequivocal demonstration of true depth discrimination being achieved using a fixed-dipole length, variable-frequency system. As with any modelled data, it is always sensible to test the results by using groundtruth information (e.g. from boreholes).

2017年5月1日月曜日

深層学習で岩石名判定 その2

Web サービスの利点の一つは、携帯端末からアクセスできることです。

岩石名の学習結果はサーバー(Labellio https://www.labell.io/)に保存されていますので、iPhone からアクセスできます。iPhoneで写真を撮り、サーバーに判別してもらい、結果を返してもらうといった流れです。

で、実施した結果がコチラ。

1.00って、出るのですね。色付きには、よほど自信があるようです。

残念。花崗岩ですが、dioriteの判定。写真が悪いのでしょうか?
色ナシは難しいにしても、この程度は正しく判定してほしいですね。

OK。色付きには自信ありのようです。

石英閃緑岩ですが、Gabroの判定。
ま、言いたいことは分かります。

わかりやすい流紋岩。ですが、スコアは低め。
何を迷っているのでしょう?

これはスコアが高い。
そういえば、教師データに似たような色の縞々がありました。

流理がないと正しく判定されないようです。

いえ、こちらは安山岩なのですが。
斑晶があれば流紋岩、なくて黒っぽいと安山岩、と学習しているのでしょうか?

難しそうな写真でしたが、正解。
悩んでいるところ、なんとなく理解できます。

これも玄武岩でしたが、判定は安山岩。
斑晶が見えない場合は色で判定しているのでしょう。
写真の撮り方も影響するようです。

黒味が強いと、正しい判定。色ですね。



地学を習いたての中学生が色と形で判定している感覚に近いでしょうか(それしか情報を与えていないので当然ですが)。ま、1枚の写真のみから判定するのであれば、人もこの程度かもしれません。
岩石名判定の場合、拡大した画像や偏光顕微鏡写真などを組み合わせないと精度向上は望めないようです。人が通常利用する複数種類のデータを与え、組み合わせを考慮させないと、正しく判別してくれないのは当然でしょう。

そうすると、見た目だけで土軟硬を判定させるのは、ちょっと難しいということになります。人は必ず、ハンマーで叩いて判断しますので。
例えば打音を組み合わせるだけでも、かなりの精度が望めるように思えます。これは、以前にも書き残していた通りです。

他の分野でも、画像だけでは簡単に行き詰まるでしょう。近い将来では「画像+α」のような判別器が一般化するかもしれません。技術的には現段階でも問題ないでしょうから。


2017年4月30日日曜日

深層学習で岩石名判定

The GWに入り時間ができましたので、Deep Learning を利用した岩判定について手を動かすことにしました。

この分野、ここ1年ほどで一般化・普及したような印象を受けます。開発環境にしてもソースにしてもネットを見ればゴロゴロ転がっていますし、利用する側も多様なアイデアで望んでいるように伺えます。土木分野でも、これからは1つの重要なツールになるでしょう。

最初は画像認識をベースにしている最新のソースを拾いにいこうかと考えました。が、それ以前に学習させる材料が乏しい状況。こちらのデータを十分に整備する方が、全体として精度向上に効果的です。判別機は刻々プロによって改良されていますので、年々、公開済みの最新版を利用すれば、1度作って使い続けるより良い結果が出ると思われます。

ということで、まずは公開されている画像判別機を検索。

すぐに引っかかりました。今回はコチラ。京セラさんの web サービスです。
Labellio
http://www.kccs.co.jp/release/2016/0113/
https://www.labell.io/

webで画像を集める機能も実装されており、手ぶらでも向かって行けます。

試しに、軟岩、中硬岩を検索。

残念ながら、まともなデータは集まりませんでした。

で、土軟硬は早々にあきらめ、岩石名判定に移行。

火成岩を9種類検索してみますと、簡単に1種100枚以上の画像データが集まります。
これは便利。PCに画像を集めさせ、それを学習して判別できるようになる。良い設計ですね。

残念ながら、収集時点でいくつかおかしなデータを集めてきており、それをもとにした学習結果も accuracy 45% 程度。いえ、画像の選別をさせてもらえません?パラメータ調整させてもらえません?状態でしたが、その辺はタッチできないようです。

で、画像を自分で用意することに。
といっても、別のソフトでWebで集めさせた6種の岩石画像から、おかしなものを除くだけです。結果、basalt は50枚強、他は100~150枚集まりました。
で、画像を UP すること1時間程度(時間かかりすぎ)。
学習すること1000 epochで10分程度(調整したい)。
結果は accuracy 60%。orz
用意した画像のスケールを合わせたり、背景をトリムしたりするなど、提供画像の質を上げると、もっと向上するでしょう。


このようなサービスは今後増えていくものと思われます。提供側にとってもニーズの把握やデータ収集が容易になる利点があるのかもしれません。
公開されている写真を集めてAIに見せて学習させるような形態であり、集めた画像を公表するものではないので著作権上の問題はないと思われます。が、サービス側での利用形態によっては OUT になる場合が出てくると思います。今後、配慮すべき事項でしょう。
また、自分でデータを集めて育つAIというのも、近い将来、使いモノになるレベルで台頭することになるでしょう。ま、その場合でも、良いデータセットを持っている人の方が有利になるとは思われますが(長期的には分かりません)。
技術の伝承、企業存続という観点を含め、個人知をデータとして整理しておくとが、より重要になりそうです。


2017年4月23日日曜日

石灰岩のモデル化

石灰岩の支持に関する文献です。

清住真「空洞を有する石灰岩層上基礎の支持力特性」
http://tdl.libra.titech.ac.jp/hkshi/xc/contents/pdf/300246273/1

アカデミックな内容を期待しましたが、残念ながら数値実験で空洞位置と支持力の関係を整理されただけの内容でした。(先日の「地下水流動解析の高度化」の文献を思い出しました。)

石灰岩が空隙を有することは、地質屋さんにとって常識です。
ボーリング調査をしていると、亀裂の溶食、空洞化、流入土砂の充填などに遭遇します。が、断面図に岩線を入れて設計者に渡した段階で、そのイメージは通常の岩盤と同様に受け取られがちになります。設計者が石灰岩を知らない、現物を見ないといった理由だけでなく、地質屋が空洞の規模や配置を全て図示することができないといったこと(力不足)も一因でしょう。

空洞だけならまだ良いのですが、鍾乳洞の天井が落盤・埋没してしまうと、基岩深度に大きな起伏を生じてしまいます。5m程度離れただけで15m程度の落差を生じているケースもありました。さらに、落盤した岩塊が中途半端に残ったままでは、ボーリング深度を誤る可能性も生じます。
結果、上記の文献にもあるように、(特に若い)石灰岩を支持層としない、といったようなローカルルールが生まれるケースも出て来るのでしょう。

問題のウェイトは、空洞への対処法よりも、その位置・規模をモデル化できないことの方がはるかに大きいと思われます。これらを解決するために電気探査や微重力探査などが実施されているようですが、まだまだ経済的な設計に供する精度には追いついていません。おそらく、将来的にも困難ではないかと考えています。

では解決法はないのか?といいますと、あるでしょう。

地球統計学です。
SISIM と計測結果を使うなど、統計学的手法なら解決できると思います(苦手なので、ボヤッとした書き方ですが)。地質屋さんは敗北を喫したようで嫌がるかもしれませんが、現象を再現できるモデル化は可能かと思われます。
ただ、統計処理できる調査数がないとダメですよね。大きな現場でないと難しいでしょうか(小さな現場でも、数掘ればOKなのですけど)。

ま、機会があれば整理してみましょう。



2017年4月22日土曜日

機器の修理

昨年、McSEIS-SX が壊れました。

OSが立ち上がらず、リインストールも不可。プロンプトもままならない状態でした。HDDを換装すれば直るだろう程度に考えていました。古い機械ですので、一抹の不安はありましたが。

修理に出したところ、「HDD故障、在庫なし、修理不可」で帰ってきました。
SXW があるので弾性波は問題ないのですが、PS検層のソフトがこちらにしかありません。故障中は SXW で波を取って処理をしていたのですが、やや手間です。

昨年倉庫にしまった98の在庫がたくさんありますので、何とかなるでしょう、と分解してみました。が、ダメ。特殊な形状のソケットで接続されていますし、ドライブも特注品のようです。もったいないですが、諦めるしかないようです。部品取りに使えるかもしれませんので、寝かせておきますが。


もう一つ。TV のチューナーが壊れてしまいました。

ネットで調べてみると、この機種の病気みたいなもので、100円程度のトランジスターの交換で直るとのこと(直接の原因は設計仕様にあるため、数年たつとまた同じところが壊れるようです)。
メーカーでは修理不可で新機種との交換になるとのこと。1万円以上かかるそうですので、自分で部品交換することにしました。

2mm×3mmのトランジスターに端子が6本出ています。基盤についている壊れたトランジスターをはがし取り、新しいものを取り付けます。非常に細かい作業になるのですが、取引先の方が精密機器用のコテ等一式を貸してくださり、なんとか作業は完了しました。

電源を入れると、復活!直りました。不細工な出来でしたが、嬉しいですね。


PS、エラスト、湧水圧、BTV、LLT 等の古い機械を、部品交換やメーカー修理で使い続けています。それらの修理は現場でも必要に迫られることがあります。動かない、測定できない、で現場を止めるわけには参りません。そのためには機器修理の知識・経験を身に付けておく必要があります。中には失敗する経験も必要でしょう。
また、予備の部品を準備し、修理道具とともに携帯しておく必要があります。状態が良くない場合には、レンタル品を手配しておき複線化の手も打つ場合もあります。

機器を1部品の故障で捨てるのはもったいないですし、ユーザーの能力不足のようにも思えます。今後、壊れていく機器に対し十分な能力をもって「廃棄」と判断できるよう、ユーザー側も努力しないといけないでしょう。

2017年4月16日日曜日

不明瞭な H/V スペクトル

微動 H/V の結果に引っかかっていました。

なぜ綺麗なピークが出ない個所が多いのか?単純に構造物に近い影響?それ以外の原因は?
なぜ、浅めの結果が出たのか?

日本建築学会「建築基礎構造設計のための地盤評価Q&A」には、下記の様な指摘があります。

微動H/Vから地盤の固有周期を評価できる条件
・地盤が概ね水平構造
・H/Vピークがどの地層を基盤層として反映しているかが既知であること。
・基盤層と堆積層のS波速度コントラストが概ね3倍程度以上。

微動H/Vから工学的基盤の傾斜が分かる条件
・傾斜が概ね10度以下(それ以上になると、ピークが不明瞭となる)

上記を勘案すると、今回の現場でピークが綺麗でなかった理由として、まずは岩盤の傾斜が10度以上で不規則であったことが挙げられるでしょう。ま、それはそれで有益な情報です。

もう一つ。深度が浅めに推定された理由として、岩盤直上の玉石層より上位のピークを反映されている可能性が考えられます。が、玉石層より上だけなら水平構造なので、ピークが明瞭でない事と矛盾します。中途半端に複合するのでしょうか?

PS検層結果から レイリー波基本モードの H/V スペクトルを図化できるようですが、私は知識を有しておらずできません。これができると、後者は解決し、もう一歩前進すると思うのですが。クリアーしなければならない課題です。

さらに、不規則地盤の H/V スペクトルと数値解析の逆解析を用いて、2次元S波速度構造を求められるようです。これができると、前者も解決します。課題ですね。

微動結果から支持層深度や傾斜を求めるためには、このような計算・評価手法を身に付けないとなりません。
方針は見えました。あとは己次第でしょうか。
この分野の基礎力のない私には、遠い道のように見えますが、一歩ずつ進めましょう。


2017年4月12日水曜日

簡易揚水試験

先日実施した簡易揚水試験の結果を整理しています。

簡易揚水試験については林野庁「治山技術基準(地すべり防止編)」に記載があります。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/sekou/kizyun/gijutu_kijun.html

実施上の細かな点は、新潟県の仕様書等に書かれています。

新潟県林業土木業務委託標準仕様書
http://www.pref.niigata.lg.jp/rinsei/1289250084702.html
(簡易揚水試験)
第2152条 簡易揚水試験は設計図書又は監督員の指示により掘進中のボーリング孔を使用して行うものとし、一定のボーリング区間ごとに掘進を止めて測定するものとする。
2 試験層厚(試験区間)は、5m毎に行うことを標準とするが、設計図書又は監督員の指示により5m以下で行うことができるものとする。
3 ケーシングパイプは無水掘で挿入し、孔壁に密着させて上層からの水の流入を防ぐものとする。
4 試験区間を5mで行う場合は水位を孔底から6mに保ち、40分間揚水を継続する。ただし、6m以浅の試験孔又は水位が孔底より5m低い場合はこの限りではない。
5 水位回復測定は、揚水後ただちに開始し、水位回復約10cm毎に所要時間を測定し、80分間継続して測定するものとする。
6 試験区間が8m以浅の場合は、ポンプを使用しそれ以深はベーラを使用する。
7 水位測定は電気的な触針式水位計を使用し、測定間隔が密に測定できるものとする。
8 試験の結果は、水位回復曲線を作成し、各区間の透水係数を求め、地質柱状図に揚水量と透水係数を表示して取りまとめるものとする。
この簡易揚水試験ですが、いくつか問題点も指摘されているようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls2003/42/5/42_5_421/_pdf

式が統一されていないとのことですが、林野の場合は治山技術基準、それ以外で地盤工学会の揚水試験を準用(Jacob式)になるでしょうか?

揚水試験結果の整理ソフトは、現在の支店にはありません。回復だけならEXCELでもできるでしょう、とネットで探してみたのですが、案外ないですね。ま、全国的には流行っていないということなのでしょう。

海外では USGS のサイトに一式揃っていました。さすがです。
https://nevada.usgs.gov/tech/excelforhydrology/listing_and_description.htm

今回はその中から Pumping_Cooper-Jacob_RECOVERY.xls を使用。単位を自由に選択できるところが良いですね。
これで整理すると、OK。
相応のデータが得られました。


2017年4月11日火曜日

溶存ガスを利用する際の採水

地盤工学会の基準書には、溶存ガスを利用する地下水流動調査における採水の留意点も書かれていました。

中でも、温室効果ガスについては「USGS によって詳しく検討されている」とあります。
覗いてみますと、その通りでした。非常に有用な情報が数多く掲載されています。知らなかったことも多くありました。もう、脱帽。
https://water.usgs.gov/lab/
https://water.usgs.gov/lab/sf6/sampling/tips/index.html

  • Label the bottles with the environmental sample collection time and a sequence number on each bottle in the order it was collected, 1-4 for CFCs, 1-2 for SF6. Results from the lab will list each bottle. The lab will offset the sample times by adding the sequence number to the environmental sample time. Record headers will have to be created for each bottle for entry into NWIS. Bottle #2 collected at 1000 will have results with time 1002.
  • Do not fill and cap the SF6 bottles under water. It is important that water NOT enter the area behind the cone seal in the SF6 cap. The area behind the cone seal allows the water to expand as it warms up to room temperature without breaking the bottle.
  • Store and ship the CFC bottles upside down, and ship them weekly to the CFC lab in Reston, VA; holding times for the CFC and gas samples is limited and they need to get into the sample processing queue. Do not store or ship SF6 bottles upside down.

シーケンス番号で時間を補正するほど精度があるとは思えないのですが。ま、これからは書いておきましょう。CFCs は逆さまで、SF6 はダメというのは、どのような理由なのでしょうか?蓋のシールに関係するのでしょうか?

https://water.usgs.gov/lab/chlorofluorocarbons/sampling/bottles/
CFC sampling photos. Note that outer beaker does not have to be glass. Outer beaker can be glass, metal or plastic.
外側の容器は気にしなくても良いとのことですが、ふたを閉める際に汚染されそうです。やはり、念には念を入れたいところです。


溶存希ガスは、扱ったことがありません。サンプラーに関しては、銅管で両端にコックが付いたものを使うようです。先日のサンプラーですね。レギュレーターがなぜついているのか?と思っていたのですが、圧力調整用のようです。完全に、知識不足です。
http://www.panasiatec.com/sample_cylinder.html


まだまだ知らないことだらけ。地下水調査の質を落とさないよう、もっと基礎知識を身に付けないとなりません。

2017年4月10日月曜日

地下水のトリチウム濃度

地盤工学会の基準書を眺めていますと、「第7編 地下水調査」の最後に、「同位体による地下水の流動調査」について記載があることに気づきました。

恥ずかしながら、ここまで読んだのは初めてです。
基準化には至らない、近年の動向についてまとめられているようです。先日利用した温室効果ガスの利用について触れられていますし、δ18Oの解釈例についても掲載されいます。後者のような利用法があるとは知りませんでした。今後の参考にしましょう。

「(3)評価 a)温暖化ガス」の中に以下の文言があります。
特に近年では降水中のトリチウム濃度が低下しており、トリチウムによる定量的な滞留時間の評価が困難となってきているため、トリチウムと同程度の滞留時間を評価できる方法として期待されている。
トリチウムが使えなくなってきていることは、数年前に書き残しています。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/06/dating-of-groundwater.html?m=0

理由として、この文献の図が分かりやすいと思います。
Plummer, L.N., Böhkle, J.K., and Busenberg, Eurybiades, 2003, Approaches for ground-water dating, in Lindsey, B.D., Phillips, S.W., Donnelly, C.A., Speiran, G.K., Plummer, L.N., Böhlke, J.K.,
Focazio, M.J., Burton, W.C., and Busenberg, Eurybiades, Residence times and nitrate transport in ground water discharging to streams in the Chesapeake Bay Watershed: U.S. Geological Survey Water-Resources Investigations Report 03-4035, p. 12-24.
https://water.usgs.gov/lab/chlorofluorocarbons/research/chesapeake/gwdating.pdf

トリチウム濃度については、福島の原発事故でどうなったかな?と気になっていたところですが、調べてみると↓にありました。変化ないですね。
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Top2/849/123/H26nenpou2,0.pdf


トリチウムに替わるのが温室効果ガス。
自然の地下水流動を守るために、ヒトの汚染物質を利用するというのは、なんとも皮肉なものです。

2017年4月9日日曜日

支持層確認のための微動探査

3月の残務も終わり、さあ休もうか!といったところで、お呼びがかかりました。

現場で基礎杭を打っていたところ、予定より深く掘削しても岩盤(支持層)が出てこないとのこと。
事前調査は他社さんですが、すぐに現地を確認し、ボーリングを段取り。この時期で良かった。

で、思いついたのがコチラ↓支持層深度の変化を微動探査で推定するアイデアです。
https://phreeqc.blogspot.jp/2015/12/blog-post.html
(残念ながら?)日曜日の全休日に探査をはめ込むことができてしまったので、実施してきました。

得られたデータはあまり綺麗とは言えませんでしたが、結果は長周期領域と短周期領域に綺麗に分かれました。既設構造物に近いか遠いかで別れているようにも見えますが、基盤深度の反映であれば面白いと思います。
S波速度と1/4波長則で求めた基盤深度は、事前調査で確認されていた深度より浅目になりました。まだまだ考えないといけないところがあるようです。

正解はすぐに得られます。チェック・修正し、次の基礎に備えましょう。
今後、このように困っている方々の役にたつ手法にまでたどり着けると良いですね。


2017年4月8日土曜日

観測孔の作り方

後輩とオペさんが水位観測孔設置のためのボーリング掘削径について話をしていました。

後輩「φ116mm 掘削の仕様となっている」
オペさん「5 インチ掘りになるけど、4 インチではダメ?」

設置時の施工性の観点からは、径の大きな方がありがたい。
一方、掘削の手間・時間・費用を考えるとできるだけ小さくしたい(清水掘り、玉石層、etc.)。
個人的にはφ66 オールコア、4 インチ追い込み、φ86 浚いのパターンが多いと思います。φ66 であれば、孔壁崩壊に対し 3 インチで十分なのですが、周囲の充填が困難になります。お客様の積算上はφ86mm ノンコアとなるでしょう。

管は VP50 相当(ねじ切り)を選択します。VP40 相当としても良いのですが、パージ時の孔内ポンプ等の挿入を考えると 50 相当の方が都合良いと思います。

このあたりの決め事については、地盤工学会基準に示されていません。お客様・技術者の経験則で実施しているところでしょう。

地温調査研究会では、幾つかの知見をマニュアルとして整理されています。全地連さんのHPで公開中です。https://www.zenchiren.or.jp/geocenter/

「地下水調査のための観測孔の仕上げ方マニュアル(案)」 Ver. 2015. 8 月

これによれば、VP50 の場合はφ86mm 掘削 or 4 インチ相当挿入となっています。通常は孔壁崩壊防止のためのケーシングが必須ですので、4 インチ挿入が標準となるのでしょう。

歩掛りも設定されていますが、こちらは感覚的に少し高いように思われます(請求しやすくはなったと思いますが)。冒頭に以下の経験談が書かれていましたが、こちらは極端な例でしょう。
聞くところによると、保孔管にはフィルターを巻いていないようで、保孔管を振るとザラザラと音を立てて地盤を構成している砂が孔内を降下している。
~中略~
どうも、保孔管にフィルターを巻いたり、間詰の材料や、それを投入したりすることに関わる費用をボーリング施工業者に支払っていないため、彼らはボーリングの孔を決められたとおりに掘削すると、80m分保孔管を挿入して引き上げてしまったようだ。 
充填する豆砂利についても少し触れられていますが、こちらはさく井の指針の方が詳しいですね。
充填砂利は均一で丸い(充填時の有効空隙率が高くなる) 洗砂利(6~9 ㎜)や硅砂(0.8~6.0 ㎜)を使用する。また、その粒子径は帯水層を構成する地層の粒子径の 4~5 倍を参考に選定する。
また、以下のような経験談も書かれています。
環境計量士でありながら、地下水採水のための、ボーリングの掘削方法や洗浄方法に関しては殆ど関心を持っていない状態である。採水に関しては神経質すぎるほどの気配りをして行っていたが、そのベースとなるものについては、全くと言っていいほど無関心である。地下水水質試験を行うのであれば、ボーリング掘削方法、使用する掘削流体の成分などに、もっと神経を使うべきではないか?これでいいのか?という疑念を抱かざるを得ない。 
これはどちらも何方かと。
水質や計量に無関心な技術者は、鉛フリーでない材料を使ったり、接着剤を使ってソケット止めにしていたりします。採水方法や前処理を深く検討せず、出てきた electrical balance にも配慮していない結果を見かけることもあります。計量も現場も、精度向上には両方の知識が必要と感じています(自省も込めて)。

地下水調査に関しては先日の様な数値実験も有用ですが、それだけでは精度向上を望めません。まずは基礎知識を身に付け、次にノウハウ・経験則を継承・発展させることが重要だと思われます。



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20170410追記

現場に、3~5インチのケーシングと VP50 の切れ端がありました。
既に5インチが使用されていたため、残っている 3、4 インチで写真を撮りました。

3インチにVP50 (2 インチ)。これでは豆砂利は、途中で詰まります。

4 インチに VP50 。これなら十分入ります。


VP50 は内径 51mm ( 2 インチ)、外径 60mm。φ66 コアチューブと似たような大きさですので、孔壁崩壊防止の観点からは 3インチのケースで問題ありません。が、観測孔設置・豆砂利充填の場合は 4 インチまで拡孔する必要があります。

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20170412追記

5 インチに VP50です。


これだけ大きいと豆砂利充填の面では安心です。が、玉石層では掘削が大変です。


2017年4月7日金曜日

観測孔と採水

穏やかな天気の下、採水に行って来ました。

観測孔において、パージ&採水を実施できるように入念に計画したのですが、いきなり失敗。どの観測孔も透水性が低く、すぐに水位が下がってしまいパージになりません。aquifer materials が粘性土や軟岩主体でしたので妥当な結果ではあるのですが、掘っていた時は、もう少し回復の速い孔があるように感じていました。感覚は時間に弱いですね。

採水はあきらめ、孔間応答確認、簡易揚水試験(といっても揚水継続は短時間)のみに切り替え。こちらは綺麗なデータが取れました。準備しておいてよかった。

翌日、採水の仕切り直し。採水の際に大気に触れさせないようにするのが比較的容易な位置のみを選択し、実施。最初はやや時間がかかりましたが、最終的には計画通り問題なく終わりました。


観測孔からの年代測定用の採水は、次の機会に持ち越し。早くリベンジしたいと思います。


2017年4月1日土曜日

VR ヘッドセットの利用

昨日、納品・検査がすべて終わり、仲間内でお疲れ様会。

その前に電気屋さんに寄って VR ゴーグルを試着。千円~1万円までの4種です。

老眼が入っているためか、レンズからスマホまでの距離のやや遠い物が良好に見えました。
千円くらいの cardboard では、距離が近く大きく見えるのですが、やや焦点を合わせるのが困難。調整もできません。若い方なら問題ないのでしょうか?

コンテンツは自作とBIMサンプル。
自作は先の例に従い Infraworks から Navis 経由でパノラマ化していました。それを iPhone に表示して装着です。

結果は歴然。建築の方が作り込まれている分、3Dやゴーグルの効果が出ます。
土木は大味。構造物自体が建築ほど複雑でないこと、山林の木々を1本づつモデル化していないなど作り込み程度が建築に比べて低いということ等が原因でしょう。Infraworks 自体が、3ds max のような精巧なモデルを作ることができないソフトですので、その影響も出ていると思います。

2次会で、PlayStation VR のある店に行こうとしましたが、既に閉店直前でダメでした。PS VR は人気で品薄になっているようですね。Resident Evil 7、やってみたかったです。


今日、建通新聞をみていたところ、以下の記事が目に留まりました。
https://www.kensetsunews.com/archives/39836
西武建設と岩崎は共同で、VR(仮想現実)技術を活用した安全教育システムを開発した。ヘッドマウントディスプレーを装着するとVR空間上でクレーン災害や重機との接触災害などをリアルに体感でき、現場に潜む危険への気づきを得られる。体験を基に災害原因や対策を議論することで、安全意識の向上につなげるのが狙いだ。今後は、さまざまな職種から意見を抽出して改良を重ね、9月をめどに西武建設の実現場への適用を目指す。
こういった使い道は、まさに王道。ゲームに近い操作が必要なものほど、効果を得られるでしょう。が、FPS や PS VR を使う世代に利用させるとなると、少し躊躇しますね。先の Infraworks のモデルなど、目も当てられないと思います(見回すだけで動けませんので)。

遅れていることを認識しながら、得られる効果と作り込むバランスを考える必要があるでしょう。広範な範囲を詳細にモデル化するのは割に合いません。そこはAR の出番でしょう。地上レーザーによる、XYZRGB データの加工でも良いと思います。
VR の利用に限ったことではないですが、立ち位置を見失わないよう配慮しながら進める必要があると思います。


2017年3月28日火曜日

観測孔の遮水

以下の文献を読んでいました。

白石「地下水調査と地下水流動解析の高度化に関する研究」

簡単な数値実験をもとに、水位観測データの解釈をされています。
特に興味を惹かれる内容はなかったのですが、1箇所だけ脅された文章がありました。

「5.1.1 地下水位観測の高度化」にて、単孔式の地下水位観測孔の注意点が示されています。その中で、背面遮水は「全層遮水が望ましい」とあります。塩ビと孔壁間の遮水を全区間行った方が水位への影響が少ないといった内容です。根拠は 5m 程度の観測孔をモデル化した数値実験でした。

最初は驚きましたね。今まで気付かないうちに失敗していたのかな、と。

よく読むと、遮水部の長さに偏りがあります。計算ケースは0.1、0.6、1.1、4.9m の4種。で、1.1mでは10cm以上の水頭差があるので、全区間遮水(4.9m)がお勧めという結果。なぜ、1.5、 2.0、2..5 と続けて刻まないのでしょうか?
しかも、水頭は地表以上になっています。つまり、ストレーナー上部で遮水をいくらしようが、地表付近を遮水しない限り観測値に影響が出るモデルなのでしょう。自噴する井戸の遮水を考える場合にどうするか、ということを前提とされていたのかもしれません。脅かされました。

地盤工学会の基準では遮水区間 50cm 以上です。個人的には施工時の安全率をかけて 1~2m 程度設けています。ま、先の結果を見る限り、1~2mで十分なように思えます。

砂利やペレットを現場で綺麗に充填するのは、結構難しい作業です。そのあたりの検討や経験・ノウハウの公開の方が、地下水調査の高度化に直結すると考えます。
単純な解析も必要ですが、それだけでは高度化は望めないでしょう。


2017年3月27日月曜日

VR / AR

後輩より相談

「VR ヘッドセットを購入するが、何か使い道ありませんか?」

後輩はシミュレーション結果を表示するために、展示会などでヘッドセットを使っています。コンテンツが大がかりですので1式レンタルしていたのですが、そろそろ購入するとのこと。ただ、用途がそれだけだともったいないので、他に何か使い道はないか?という意図でした。

ないですね。
今まで、住民説明用に Infraworks でモデルを作成したことがあります。思いつくのは、これをVRデータとして取り込む程度です。が、これは本来は設計者のプレゼンの場でしょうし、3次元設計が前提です。音も不要です。

後輩が言うには、Navis からでも VRデータを吐き出せるとのこと。
具体的には以下のリンクにあるように、データをクラウドでレンダリングしてパノラマ表示にしているだけのようです。FBX 経由で Infraworks のデータも、対応可能となっています。Navis 系のテクスチャ―ですので、3ds Max 経由だと飛んでしまうでしょうね。
残念ながら定点のみで、BIMx のようなウォークスルーはできません。やはり、BIM は CIM より一歩進んでいます。

私の仕事以外では、重機の遠隔操作に利用できそうです。無人重機の操作において、備え付けられたカメラを見るより、ヘッドセットの方が見たい方向をすぐに見ることが可能ですし、音も聞けて操作しやすいと思います(30分ほどで酔うかもしれませんが)。私が知らないだけで、既に開発済みかもしれません(と思って調べてみますと、ありました)。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11989150S7A120C1TJM000/
基本、ゲームが出発点ですので、こういった利用法であれば現段階でもいくつかあるでしょう。そういえば、塗装の訓練に利用しているニュースも見たことがありますね。

将来的には VR でなく、CAD 段階の計画構造物を AR データとして利用することが主流になるでしょう。現位置にデータを綺麗にはめ込むにはコツが必要でしょうが、 それも GPS とマーカーの併用、アルゴリズムの改善等で解決されると思います。

ま、3次元設計、測量、調査が先ですね。VR へ流用する技術や環境は既に整っていますが、業界のヒトにとっては、まだまだ遠いかもしれません。


2017年3月26日日曜日

コールドロンと火砕岩岩脈

後輩から「岩石名が分からない」と、写真が送られてきました。

コアの数10cm区間が、破砕状になっています。その部分の名前が分からないとのことでした。
固結した破砕部ですので、岩石名を付ける必要はないとは思いましたが、成因を知りたい=岩石名が決まるということのようです。
よく見ると、破砕岩中に異質の岩石が取り込まれていました。破砕岩の周りは結晶片岩なのですが、破砕岩中には深成岩片が取り込まれています。
1.ゼノリスのように深部の母岩が取り込まれた岩脈か、2.上部の礫が落ち込んだ割れ目区間かしか思いつかなかったのですが、周辺の地質を知りませんので判断できませんでした。

コアが分析者の手元に送られてきました。それを見た限り、特に上記のどちらかで問題はないようでした。が、新人さん曰く「タフダイクではないか?」と。
タフダイクってなんだ?と思って聞いてみますと、コールドロンの形成にかかわる文献によく出てくる名称とのこと。
調べてみますと、違うようでした。液状化のサンドパイプのような成因に対しタフダイクという言葉が使われています。コールドロンでは「火砕岩岩脈」「貫入性角礫岩」でした。これらを言いたかったのでしょう。

と言っても、火砕岩岩脈という言葉にも違和感があります。火砕岩は地表での堆積起源であり、深部から圧入した「岩脈」とは成因が異なるイメージを持っています。
コールドロンの文献では、火山活動に伴う流動物質で母岩片を取り込むものや、火砕物を供給する火道跡にて固結した岩石(およびその後のドレインバックによる圧縮・溶結、せん断)などといった成因を指して命名しているようです。火道に火砕物を供給する、という表現にも引っかかりますが、ま、現物を見ないと何とも言えません(見ても納得できないかもしれませんが)。

コールドロンについては、近年、複数個所でその可能性が示されているようです。それらの文献を読み進めながら火山岩の分布域を見てみると、コールドロンのない地質図の方に疑問が生じると思います。今後、コールドロンといった現象を重力探査で裏付けされたものが広域の地質図に反映されだすと、それに伴う地質(特に岩脈や破砕部)の成因について考慮する要因が増えることになるでしょう。土木上も、その成因がトンネルなどの計画に影響するのかどうかを見極める必要が出てきます。
広域の特徴を押さえた上で、ローカルの議論を進める視点がより重要になるということです。


2017年3月16日木曜日

油圧ショベルで試料採取

今日は同僚の現場で CBR 試料採取のお手伝い。

ミニユンボを積んで回送し、現場で降ろして掘削です。

油圧ショベルを扱うのは2年ぶりでした。特別教育以来のペーパードライバーです。その分、作業は身の丈に合うよう慎重に、安全に。

自分で掘ってみると、土質の変化や硬軟、水の付き具合の変わり目がよくわかります。それが面白く、また全く体力を使わないこともあり、集中して掘っていたように思います。ボーリングのオペさんもそのような感じなのかもしれません。

掘るのは楽しいのですが、段差にブリッジをかけて降りるのが怖かったですね。「慣れ」と言われますが、2年に1回では慣れません。気疲れしました。重機オペさん尊敬です。

今日の作業は順調にいき、3箇所の試料採取が終わりました。配合試験をするため1箇所につき10袋ほど取りました。約800kgです。掘るのは楽だったのですが、この積み下ろしで腰に来ました。

明日は残り2箇所。
事故を起こさないように、慎重に作業しましょう。

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20170318追記

何度かブリッジで乗り降りし、コツがつかめた頃に作業終了。次に使う頃には、また振り出しに戻りそうです。

2017年3月15日水曜日

採水

ひと段落したら、地下水の年代測定をおこなうため、採水に出かけようと考えています。

結果の整理や、それを使った検討を行ったことはありますが、年代測定用の採水に出かけるのは初めてです(所謂、使えないヤツです)。

今回は溶存ガスを測定したいので、採水の際に大気に触れさせることができません。どうやって採ろうかと悩んでいます。
いえ、湧水なら容易なのですが、ボーリング孔の深い位置からの採水が悩み処です。孔内ポンプは羽の部分でエアをかむのでダメ。ベーラーでもプロなりの工夫はあるようですが、幾つかのステップを要するため一人での実施は困難。
他支店の経験者に聞いて見ましたが、「ボーリング孔からの採水は難しいので計画しない」と言われていました。

で、ネットを見ていると、このような文献が。
https://www.researchgate.net/publication/277573322_Groundwater_Ages_of_Confined_Aquifer_in_Mishima_Lava_Flow_Shizuoka
止水弁(ベーラーの玉?)が上下に2個ついて、その間にコックが2個ついているタイプの様ですね。見た目はこのような形でしょうか?
http://www.panasiatec.com/sample_cylinder.html
なかなか良いアイデアで欲しくなるのですが、採水箇所分のサンプラーを準備する必要があります。また、オールサスで申し分ないのですが、その分お高いでしょうから数をそろえるのは現実的ではなさそうです。

で、思い出したのがコチラ↓
https://youtu.be/pd-wG0ej5b0
後輩が買ってすぐに他支店に貸して、そのままでした。ゆっくり上下させれば気泡の心配はないでしょう。これだと一人で採水できます(何かしら、人力以外の動力を組み込めないでしょうか?)。

採水ひとつでも、わからないことや教わらないとできないことがあるようです。この歳ですが、まだまだ経験させてもらいましょう。


2017年3月13日月曜日

岩石薄片図鑑

本屋さんで綺麗な図書を見かけました。

青木正博「岩石薄片図鑑」

薄片写真が大きく掲載された図書です。見開きで掲載されているものもありました。図鑑というほど多くの種類は載っていませんが、蛇紋岩化初期の橄欖岩や(一般的な)スカルン鉱物が載っていて興味をひかれました。

デジカメのマクロ機能で撮れるのだそうです。カメラには詳しくないので説明を眺めても、どうやって撮っているのかわからなかったのですが、その手法で移された大きな写真に魅入ってました。先日の顕微鏡写真も驚きましたが、偏光顕微鏡写真を対物レンズなし?で撮れるのにも驚かされます。低倍率ですが広範囲の写真が撮れるため、非常に見やすくインパクトがあります。

購入しましょう、と思ってしばらくの間手に持っていたのですが、そういえば「薄片でよくわかる 岩石図鑑」も買ってなかった、あれも買ってなかった、これも、と思い初め、最終的には中断していた「Fault-Related Rocks」を読み切ってからにしましょう、と思い直し書棚へ戻しました。

読まないといけない文献もたまり始めています。
早く読まなくては。


2017年3月11日土曜日

重心深度と見かけ比抵抗

表皮深さの1/2を空中電磁探査の深度として利用している文献がありました。

長谷川ほか「ヘリコプターを用いた空中物理探査データの再解析」
http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/search/servlet/search?5042189

ここからたどり着いたのが、こちら。
B. Siemon (2001) Improved and new resistivity-depth profiles for helicopter electromagnetic data
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0926985100000409

あるモデルでは表皮深さの1/2を深度として利用する手法がよくあいました、といったような内容です(あわないモデルもあるようです)。あう、あわないといっても、机上の話です。現地で確認しました、電気検層と対比しました、といったような内容ではなく、説得力を得られません。
1/2の理由はさらに先があり、その文献を取り寄せても、さらにまだ先がありました。ただ、この文献ではあわせこみパラメータとも取れる内容でしたので、深追いはしていません。


空中電磁探査での見かけ比抵抗等の求め方を詳しく知らなかったのですが、複数の方法があるようです。そのうち、表皮深さを用いた方法は Siemon による以下の2通りがメジャーなようでした。それ以外にも、√2で割る方法がありました。

1-1. R,Q→Da→da→Zsim

A = √(R^2+Q^2)
γ = s/h
A'^(1/3)=A^(1/3)/γ
Da = s(A'/A)^(1/3)
Zsim = da + p/2

s: sensor horizontal distance
h: sensor height
p: skin depth

1-2. h,p→ρsim


2-1. calculating phase ratioε

ε=|Q/R|

R (real) ppm
Q (quadrant) ppm

2-2. log(ε)→log(A'^(1/3))→Da→da→Zsim

2-3. log(ε)→log(δ)→ρsim


R,Q,h を 測定し、ρsim と Zsim を求める際に p (と係数)をパラメータとして導入しているように見えます。たとえ1/2や表皮深さの導入に理論的背景があったとしても、測定対象と整合しなければ他の方法を選択できるというのは、理論がまだ確立されていない、推定するのは難しいということなのでしょう。
それに、以前にも書き残していますが、実際に磁場が到達しているのかどうかは確認しないとわかりません。また、1つ目の文献のように、得られた信号がノイズレベル以下になっていないかどうかもチェックが必要でしょう。
そうなると、現段階では電気検層など他の手法と空中電磁探査結果の対比、その補正が必須となります(物理探査ですので、当然なのですが)。見た目の綺麗な断面図に惑わされがちですが、別の物性値と対比がなされているか、推定式の妥当性は確認されているか?といったステップを踏まないといけないのでしょう。


2017年3月8日水曜日

DualSPHysics future

今後のリリース予定がマニュアルに書かれていました。
16. DualSPHysics future
An update to DualSPHysics will be released as v4.2. The updates planned for this release include:
 [Adami et al., 2012] boundary condition
 Local Uniform Stencil (LUST) boundary conditions [Fourtakas et al., 2014].
 MultiGPU with OpenMP.
The new version DualSPHysics v5.0 that will be released in the future will include:
 Multi-GPU implementation [Dominguez et al., 2013b].
 Variable particle resolution [Vacondio et al., 2013; 2015].
 Multiphase (air-water) [Mokos et al., 2015].
Other features that are planned to be integrated into the DualSPHysics solver that are now under development:
 Wave absorption system [Altomare et al., 2015a].
 Incompressible SPH (ISPH)
 Inlet/outlet flow conditions.
 Coupling with SWASH Wave Propagation Model [Altomare et al., 2015b].
 Moorings [Barreiro, 2015].
 Coupling with MoorDyn library (http://www.matt-hall.ca/software/moordyn/).
 Coupling with Chrono-Engine library (http://chronoengine.info/chronoengine/).

流入境界については、まだ先の話のようです。残念。
ネット情報では Blender での可視化プラグインも開発中とのことでしたが、ここには載っていません。これは早く欲しいですね。

DualSPHysics、流体に関しては威力を発揮するソフトだという印象を持ちました(土砂を扱えなかったのはとても残念ですが)。
メッシュレスのため、計算に取り掛かるまでの時間が FEM 等に比べ圧倒的に短いというのは、粒子法の利点でしょう。メッシュを切るのに時間をかけるのがもったいなく感じます。

まだまだ実務で使うには足りないところもありますが、継続して開発が進められていますので、今後に期待しましょう。

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20170911追記
Blender add-on 出ました。
VisualSPHysics
http://visual.sphysics.org/

2017年3月7日火曜日

堰堤が受ける力(DualSPHysics Ver.4.0)

砂防えん堤のCADデータ取り込みは問題なし。

えん堤上流側に圧力の観測点を鉛直方向に8つ配置。
それとは別に、鉛直壁面を別途作成し、そこにかかる力の合計を得ることにしました。
ポイントの座標を記載したファイルを用意し、バッチファイルを編集して、計算!

流速と流体力に関しては問題なく抜き出せました。
観測点での圧力は、XYZ成分への分け方がわかりませんでした。forum を見る限り、方向(プラスマイナス)を加味して抜けるようですが、説明書には書かれていません。

えん堤にかかる流体力の合計は以下の通り。


Z方向がマイナスなのは、土砂が流下して下向きの力がかかっているからでしょうか?観測点から抜いた流速のz成分は全てプラス方向なので矛盾しているように見えます。
流速がマイナス方向なのは、X成分のみでしたが、力の合計はX成分がプラス。Y成分は両方プラス。観測点が少ないのが原因でしょうか?よくわかりません。


観測点にかかる圧力です。おおきな値です(入力単位を間違えたかな?と確認しましたが、あっていました)。
最初、堰堤にぶつかり圧力が上昇し、越流しながらやや降下しているように見えます。
一番下の観測点はほぼ0。これは、地表に近すぎたのが原因です。地表からも1.5h 離さないダメでした。2つ目も、影響を受けているようです。
最初、マイナス値は引張り方向かと思いましたが、よく考えてみると軸の負の方向をあらわしているだけでしょう。←これは違うようです。

そもそも、内部の応力なんて取り扱っていないと思われます。あくまで得られるのは、堰堤にとって外力(静水圧、流体力、衝撃力)のみです。堰堤内部の応力を見たいのであれば、別途、弾塑性を扱えるソフトで、この結果を時刻歴として入力し、計算するしかないでしょう(ここまで来てようやく気が付きました)。それには、この部分だけ解像度を上げて計算したいですが、粒子間隔は部分的に変更できません。部分的に切り出して粒子間隔を小さくして計算するにしても、境界条件が対応できません。あくまで流体の挙動を見るソフトですので、この辺は適用外と考えましょう。

深層崩壊を題材にし、そのモデル化と力・圧力・流速を抜く、といった一通りの手順を確認しました。残念ながら、圧力等の解釈、特にプラス・マイナスについて、まだ理解ができていません(ポスト処理に関するツールにも、解説を付けて欲しいところです)。
dynamic boundary 特有の性質も理解を妨げている一因でしょう。この辺は次期リリースで新しい境界条件を導入するとアナウンスが出ていますので、もう少し簡単になればありがたいです。

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20170308追記

流速と圧力について、2次元モデルでチェックしてみました。

導水管を配置し、管の中で上昇流しか起こらない個所を作成。ついでに、噴水のように噴出した水流が池の中に落ちてたまる箇所を作成。その2箇所に観測点を配置し、水圧と流速をはかりました。

まずは管内の上昇流。これは2次元ですので流速のY成分は0。X方向もほぼ0。Z方向はプラス。OKです。圧力はZ方向で波打つように変化し、時々マイナスになっていました。水中でマイナスになる理由が分かりません。壁が近すぎるのでしょうか?

たまった水の中に落ちてくる方は、流速のZ成分がマイナス。これはOKです。
一方、圧力はプラス。これは水圧がかかっていますのでプラスで問題ないでしょう。観測点に関しては、流れの方向は関係ないと思われます。



2017年3月5日日曜日

CADデータの取り込み(DualSPHysics Ver.4.0)

CADで作成した地形の取り込みは、あっさりクリアーできました。

XMLファイルに関する説明書を読むと、以下の流れが記されていました(以前のVer.にも添付されていたのですが、見落としていました)。

1. STL、VTK ファイル等の閉じた形状を boundary、fluid として読み込む。
2. fluid の中の座標を1点指定。
3. 粒子を発生させる範囲(BOXの基点座標と、大きさ)を設定。

基本はこれだけ。3の範囲を fluidの範囲 よりも大きくしておくと、その中が粒子で満たされます。
これで3次元の計算準備が整うのですから、メッシュレスの威力、半端ないです。


今回の題材は、以前、土砂移動シミュで作成していた深層崩壊。
範囲は3km2。
地形とその上に分布する土砂の2つのソリッドを Civil3D から書き出し、2つのSTLファイルを作成します。それらを input ファイルで boundary、fluid として指定するだけで読み込むことができました。

少し引っかかったのが、マイナス座標を扱えなかった点。マイナスの付いた公共座標のまま書き出すと、fluid、boundary が自動で (X,Y) = (0,0) を原点として持つように移動されます(当たり前なのかもしれませんが、知りませんでした)。複数の構造物は、それぞれ原点に移動されますので相対位置がズレます。
これについては、モデル全体の基点をプラス領域に移動してから、各々をSTL 書き出しすれば、OKです。

で、計算実行!

粒子が1億個以上発生し、GPUのメモリーオーバー!

ま、予想されていたことです。

GeForce GTX480 だったのですが、GTX660 を SLI で2基連結したマシンではどうか?と思い試してみました。が、なぜかこちらもシングルでしか動かず、メモリーオーバー。

で、粒子間隔を変更しつつ、動作するレベルを探っていきました。
結果、数百万粒子までは計算できそうです。粒子間隔が2mだと、GTX480 で3日となりました(なぜか、GTX660では4日。クロックでしょうか?)。

テストケースとして粒子間隔 4mで実施。これだと 87万粒子(実際に動く粒子は17万個)、120秒間の計算で約5時間程度。

結果を確認すると、おかしな動きをしています。発散したようです。


今度は粘性を上げて計算してみました。

OK。うまくいきました。
と言っても、斜面の上から水を流すように流れるだけで、土砂の動きではありません(この点は、Multi-Phase で承知しています)。
粒子の動きが落ち着くと、天然ダムを形成せず、谷を長く埋める湖の様なフラットな形状ができあがりました。粘性をさらに上げると、それらしい形状になりましたが、おそらく時間の問題でしょう。流体ですね。ま、現段階では仕方ないと思います。
また、これだけ間隔をあけても良いのか?と疑問でしたが、問題ないようです。ま、見た目違和感ない粒子配置でした。


とりあえず、CADデータの取り込みや粒子配置は容易、ということが分かりました。
今度は砂防ダムを作って、それにかかる圧力を見てみましょう。


2017年3月4日土曜日

Dam Break (DualSPHysics Ver.4.0) その2

圧力の抜き出し方に関しては、説明書に記載されていました。

面白いことに、壁面での計測はダメで、スムージング長の1.5倍の位置で計測するのがお奨めとのこと。dynamic boundaryを使っているから、という理由らしいのですが、これ、理解していませんでした。

あらためて説明書の dynamic boundary の箇所を読み直すと、以下のように書かれています。
When a fluid particle approaches a boundary and the distance between its particles and the fluid particle becomes smaller than twice the smoothing length (h), the density of the affected boundary particles increases, resulting in a pressure increase. In turn this results in a repulsive force being exerted on the fluid particle due to the pressure term in the momentum equation.
壁面からスムージング長の2倍以内に流体粒子が入ってくると、壁面の(粒子?)密度を増加させ反発力をもって対抗する、壁面位置では応力が±0となり、壁面粒子の位置は動かない、という造りのようです。そうすると、壁面での圧力の抜き出しを避けなければならないというのは納得です。
等値面を表示させた際に、壁面近傍で液面が窪んだ形状になるのが気になっていたのですが、これもこの境界条件によるものなのでしょう(FAQにギャップの話が出ていますが、この現象のことかと思われます)。

検算してみますと、サンプルファイルのスムージング長hは
h=cofh√3×dp
 =1×√3×0.085
 ≒0.01472

壁が x=0.9 の位置でセットされていますので、
0.9-1.5×0.01472=0.87792

X=0.8779 の位置に観測点を置けば OK ということです。あっていますね。

結果も説明書通りに抜き出せました。kgで入力しているのに、Paで書き出されるのは、書き出し時に変換しているのでしょうか?入力単位が分かりにくいですね、このソフト。

input ファイル内で、壁面のみ別の marker value  (mk 番号)を持たせて作っておけば、その値を指定するだけで壁面にかかる力を合計してcsv にしてくれます(1.5hを考慮してくれているのでしょうか?)正しく抜けているとすれば、上記の機能とあわせ、実務で大いに使えると思います。


とりあえず、粘性の入れ方による安定性の違い、圧力の抜き出し方法については理解できたように思います。



2017年3月3日金曜日

Dam Break (DualSPHysics Ver.4.0)

次に手を付けたのは、よくあるダムブレイク問題。

偶然、同じモデルを FEM で解いていたツワモノがいました。どうやって解いているのか、最初は全く想像がつかなかったのですが、話を聞くうちに見えてきました。凄いですね。

同モデルの実験値が載っている文献を頂いたのですが、著者はSPHysics 関連の文献を発表されていた方でした。狭いもので、戻ってきました。

サンプルケースは問題なく動きました。



結果を動画にして FEM の方と2人で見ていたのですが、2人とも同じ感想。

「ネバい」

1.5秒ほどでほぼ動きが止まります。粘性が強すぎるのでしょう。

inputを見てみますと、人工粘性が選択されていました。
これを水の動粘性係数になるよう変更し、再計算!

結果は全くダメ。
発散し、全粒子が空中に飛散します。これはSPH特有の問題なのか、粒子法共通なのか、それともアルゴリズムに依存するのか?わかりません。容易には受け入れ難い結果です。人工粘性の方が安定する、柱にかかる圧力を実験値と一致させやすい、などの理由でこのセッティングなのかもしれません。

続きます。