2017年4月16日日曜日

不明瞭な H/V スペクトル

微動 H/V の結果に引っかかっていました。

なぜ綺麗なピークが出ない個所が多いのか?単純に構造物に近い影響?それ以外の原因は?
なぜ、浅めの結果が出たのか?

日本建築学会「建築基礎構造設計のための地盤評価Q&A」には、下記の様な指摘があります。

微動H/Vから地盤の固有周期を評価できる条件
・地盤が概ね水平構造
・H/Vピークがどの地層を基盤層として反映しているかが既知であること。
・基盤層と堆積層のS波速度コントラストが概ね3倍程度以上。

微動H/Vから工学的基盤の傾斜が分かる条件
・傾斜が概ね10度以下(それ以上になると、ピークが不明瞭となる)

上記を勘案すると、今回の現場でピークが綺麗でなかった理由として、まずは岩盤の傾斜が10度以上で不規則であったことが挙げられるでしょう。ま、それはそれで有益な情報です。

もう一つ。深度が浅めに推定された理由として、岩盤直上の玉石層より上位のピークを反映されている可能性が考えられます。が、玉石層より上だけなら水平構造なので、ピークが明瞭でない事と矛盾します。中途半端に複合するのでしょうか?

PS検層結果から レイリー波基本モードの H/V スペクトルを図化できるようですが、私は知識を有しておらずできません。これができると、後者は解決し、もう一歩前進すると思うのですが。クリアーしなければならない課題です。

さらに、不規則地盤の H/V スペクトルと数値解析の逆解析を用いて、2次元S波速度構造を求められるようです。これができると、前者も解決します。課題ですね。

微動結果から支持層深度や傾斜を求めるためには、このような計算・評価手法を身に付けないとなりません。
方針は見えました。あとは己次第でしょうか。
この分野の基礎力のない私には、遠い道のように見えますが、一歩ずつ進めましょう。


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